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湯屋で宮浦にいた岡っ引きを見た後、与市の店に駆け込んだ銀次は、結局シラを切通すことで納得をつけた。
だが、その後に与市から言われた一言が重く圧し掛かり、心を埋め尽くしていた。
鈴を嫁に出す。いつかは、誰かに、そう思ってはいたが、まだまだ先の事だと思っていた。だが、他人の目から見たらいつ手放してもいいほどの娘になっているという。それがどうしても受け入れられなかった。
やっと手に入れた妹という名の家族。それを今更手放すことなどできるのだろうか?と、考えてしまっていた。
そんなことをぼんやりとかんがえながら家路に着くと、鈴はもうすでに長屋で夕飯の支度をしてくれていた。
「おかえり、お兄ちゃん。もうすぐご飯できるから、ちょっと待ってて」
「あ? ああ、ありがとな」
いつものように屈託のない笑顔を向けてくれる妹に対し、いつも通りにふるまえただろうかと考えながら、ちゃぶ台を出し夕飯の支度を手伝うのだった。
「そうそう。今日ね、偶然にも綿原で知り合った人に会ったのよ。北の方に向かうって言う旅の人でね、その帰りなんだって。
宮浦に帰る途中だって言うから、なんか偶然もここまで重なるとすごいなって思って、色々お話ししたの」
夕飯を食べながら楽しそうに話す鈴の口から出たその人の姿形が、銀次が恐れ逃げ帰った男に重なった。
「へえ、そいつは奇遇だな。で? どんな人なんだい?」
「ん? 普通の人よ。新しい足袋を買いに来てくれたの。私が繕い物をするって教えたら、じゃあって言ってね、着物の繕い物も頼んでくれたの」
「……、背格好は?」
「え? うーん、普通かな? そんなに大きくもないけど、長旅で疲れてる風はないの。だから、歳よりも若く見えるかも。
なに? お兄ちゃん、気になるの? 大丈夫よ、心配しないで。だって、親子よりも歳は離れてるはずよ」
「そ、そうか……」
「もう、心配性なんだから」
鈴は呑気に笑いながら銀次に答え、おかずの煮物に箸を伸ばしていた。
間違いない。今日、湯屋で見たあの男だと確信した銀次は、明日にでも与市の元に報告に行こうと思う。
どこで、どんな繋がりがあるかわからない。
着物の繕いを頼んだと言うことは、しばらくこの町に滞在するつもりなのだろう。鈴には余計なことを言わず、ただの偶然として過ぎていくことを祈った。
翌朝、鈴はいつものように昼飯用の握り飯を持って、仕事場である古着屋へと向かった。それを確認すると、銀次は湯屋へ行く前に与市の元へ向かい、鈴の話を報告に向かうのだった。
「どうも……」
「あ、お客さん。どうです? 昨日はぐっすり眠れました?」
「ああ、お陰さんでね。昨日は久しぶりに湯にも浸かって、ぐっすり眠れましたよ。いい宿を紹介してくれてどうもね」
「それは良かった。そうそう、お客さんの繕い物、あと三、四日はかかりそうなんですけど、急ぎますか?」
「いや、もう帰るだけの旅だから特に急ぐこともねえ。ゆっくりしてもらってかまわねえよ」
「なら良かった。何にもない町ですけど、ゆっくりして行ってくださいね。
そうだ! 私の兄さんがこの町の湯屋で髪結いをしてるんです。良かったらどうです? お客さんの頭も、そろそろ結い直した方がいいかも?
せっかく家に戻るんですもの。小奇麗にした方がいいですよ」
屈託なく笑う鈴の顔を見て男は、つられて笑みをこぼす。
「あはは。こりゃあ、商売上手な妹さんだ。
えっと、鈴さん。せっかくだから、あんたの兄さんに髪でも結ってもらおうかねえ」
男はぼさぼさになった髪を撫でつけながら、鈴を見た。
ちょうど自分の妹、鈴が亡くなった年頃の娘を目の前にして、懐かしさで目の前が滲むようだった。
「あ! そっか、妹さんと同じ名前なんですよね? ふふふ、こんな所も同じなんて本当に奇遇だわ」
「……、他にも同じところが?」
「はい。実は私達も以前宮浦に住んでたんですって。私はまだ小さくて、全然覚えてないんですけどね。兄さんも若い頃に居ただけだから、あんまり覚えてないって言ってたけど。それでも同郷ってことでしょう?」
鈴は針仕事の手を動かしながら男と会話をしている。手元に集中するあまり、会話は流れで話しているのだろう。相手の表情や顔色を見ることもなく、話す会話は何とも危うい。
「そうですか、宮浦に? そこでも兄さんは髪結いを?」
「うーん、どうかな? 私は小さかったから本当に覚えてなくて」
「覚えてない? いくつくらいだったんですかい?」
「えっと、四、五歳くらいだったみたいだけど。自分の名前以外は全然覚えてなくて。……、それがなにか?」
針を動かす手を止めて、鈴は男を見た。瞳に映る男は堂々とした風で、一片の曇りもないように見えた。
「ああ、気に障ったらすいやせん。いやね、四、五歳くらいなら、何となくでも覚えてるもんじゃなかったのかな?と思いやしてね。
もし覚えてたら、俺ともどこかで会ってたかもと思ったりしただけなんでさ」
「……、私は覚えてないけど、もしかして、会ってたかもって? お客さんは宮浦で何をしてたんですか?」
「俺は、元岡っ引きでした」
「……、岡っ引き?」
その言葉を聞き、口にして、鈴の中の何かが動いた気がした。
「名を源助。高木さんって言う町同心の下で、岡っ引きをしてたんですわ。
まあ、なんて言うか。町の用心棒みたいな感じですかね。
なに、普通に生きてりゃ、俺と接点を持つことなんて無いんです。
だから、鈴さんていうよりも、むしろ兄さんの方に髪結いの客として会ってたかもしれないなと思いましてね」
「ああ、そうですね。そんなこともあったかもしれないですね」
なぜだかわからない。それでも明らかに動揺している自分がいることに、鈴は自分自身で驚いていた。
心の中の何かが騒ぎ出す感覚。以前にもあったような……。
そうだ、銀次に連れられて与市の店に行った時の、与市に初めて会った時のあの感覚。もうすっかり慣れて忘れてしまったけれど、あれに似ている。
「いっ!」
鈴はうっかり針で指を刺してしまった。咄嗟に指を加えると、源助が慌てたように声をかけた。
「すいやせん、俺がくだらねえ話に付き合わせちまったせいだ」
「ううん。おっちょこちょいだから、よくやるんです。気にしないで」
指を舐めながら鈴は引きつる笑顔で答えた。
「いや、お邪魔してすいやせんでした。出来上がった頃、日を改めてきます。
じゃあ、また」
源助はそう言うと、暖簾をくぐり店を出て行った。
鈴は源助の後ろ姿に向かい「ありがとうございました」といつものように挨拶をしたのだった。
妙な胸騒ぎを感じ、鈴は少しだけ身を震わせた。
だが、その後に与市から言われた一言が重く圧し掛かり、心を埋め尽くしていた。
鈴を嫁に出す。いつかは、誰かに、そう思ってはいたが、まだまだ先の事だと思っていた。だが、他人の目から見たらいつ手放してもいいほどの娘になっているという。それがどうしても受け入れられなかった。
やっと手に入れた妹という名の家族。それを今更手放すことなどできるのだろうか?と、考えてしまっていた。
そんなことをぼんやりとかんがえながら家路に着くと、鈴はもうすでに長屋で夕飯の支度をしてくれていた。
「おかえり、お兄ちゃん。もうすぐご飯できるから、ちょっと待ってて」
「あ? ああ、ありがとな」
いつものように屈託のない笑顔を向けてくれる妹に対し、いつも通りにふるまえただろうかと考えながら、ちゃぶ台を出し夕飯の支度を手伝うのだった。
「そうそう。今日ね、偶然にも綿原で知り合った人に会ったのよ。北の方に向かうって言う旅の人でね、その帰りなんだって。
宮浦に帰る途中だって言うから、なんか偶然もここまで重なるとすごいなって思って、色々お話ししたの」
夕飯を食べながら楽しそうに話す鈴の口から出たその人の姿形が、銀次が恐れ逃げ帰った男に重なった。
「へえ、そいつは奇遇だな。で? どんな人なんだい?」
「ん? 普通の人よ。新しい足袋を買いに来てくれたの。私が繕い物をするって教えたら、じゃあって言ってね、着物の繕い物も頼んでくれたの」
「……、背格好は?」
「え? うーん、普通かな? そんなに大きくもないけど、長旅で疲れてる風はないの。だから、歳よりも若く見えるかも。
なに? お兄ちゃん、気になるの? 大丈夫よ、心配しないで。だって、親子よりも歳は離れてるはずよ」
「そ、そうか……」
「もう、心配性なんだから」
鈴は呑気に笑いながら銀次に答え、おかずの煮物に箸を伸ばしていた。
間違いない。今日、湯屋で見たあの男だと確信した銀次は、明日にでも与市の元に報告に行こうと思う。
どこで、どんな繋がりがあるかわからない。
着物の繕いを頼んだと言うことは、しばらくこの町に滞在するつもりなのだろう。鈴には余計なことを言わず、ただの偶然として過ぎていくことを祈った。
翌朝、鈴はいつものように昼飯用の握り飯を持って、仕事場である古着屋へと向かった。それを確認すると、銀次は湯屋へ行く前に与市の元へ向かい、鈴の話を報告に向かうのだった。
「どうも……」
「あ、お客さん。どうです? 昨日はぐっすり眠れました?」
「ああ、お陰さんでね。昨日は久しぶりに湯にも浸かって、ぐっすり眠れましたよ。いい宿を紹介してくれてどうもね」
「それは良かった。そうそう、お客さんの繕い物、あと三、四日はかかりそうなんですけど、急ぎますか?」
「いや、もう帰るだけの旅だから特に急ぐこともねえ。ゆっくりしてもらってかまわねえよ」
「なら良かった。何にもない町ですけど、ゆっくりして行ってくださいね。
そうだ! 私の兄さんがこの町の湯屋で髪結いをしてるんです。良かったらどうです? お客さんの頭も、そろそろ結い直した方がいいかも?
せっかく家に戻るんですもの。小奇麗にした方がいいですよ」
屈託なく笑う鈴の顔を見て男は、つられて笑みをこぼす。
「あはは。こりゃあ、商売上手な妹さんだ。
えっと、鈴さん。せっかくだから、あんたの兄さんに髪でも結ってもらおうかねえ」
男はぼさぼさになった髪を撫でつけながら、鈴を見た。
ちょうど自分の妹、鈴が亡くなった年頃の娘を目の前にして、懐かしさで目の前が滲むようだった。
「あ! そっか、妹さんと同じ名前なんですよね? ふふふ、こんな所も同じなんて本当に奇遇だわ」
「……、他にも同じところが?」
「はい。実は私達も以前宮浦に住んでたんですって。私はまだ小さくて、全然覚えてないんですけどね。兄さんも若い頃に居ただけだから、あんまり覚えてないって言ってたけど。それでも同郷ってことでしょう?」
鈴は針仕事の手を動かしながら男と会話をしている。手元に集中するあまり、会話は流れで話しているのだろう。相手の表情や顔色を見ることもなく、話す会話は何とも危うい。
「そうですか、宮浦に? そこでも兄さんは髪結いを?」
「うーん、どうかな? 私は小さかったから本当に覚えてなくて」
「覚えてない? いくつくらいだったんですかい?」
「えっと、四、五歳くらいだったみたいだけど。自分の名前以外は全然覚えてなくて。……、それがなにか?」
針を動かす手を止めて、鈴は男を見た。瞳に映る男は堂々とした風で、一片の曇りもないように見えた。
「ああ、気に障ったらすいやせん。いやね、四、五歳くらいなら、何となくでも覚えてるもんじゃなかったのかな?と思いやしてね。
もし覚えてたら、俺ともどこかで会ってたかもと思ったりしただけなんでさ」
「……、私は覚えてないけど、もしかして、会ってたかもって? お客さんは宮浦で何をしてたんですか?」
「俺は、元岡っ引きでした」
「……、岡っ引き?」
その言葉を聞き、口にして、鈴の中の何かが動いた気がした。
「名を源助。高木さんって言う町同心の下で、岡っ引きをしてたんですわ。
まあ、なんて言うか。町の用心棒みたいな感じですかね。
なに、普通に生きてりゃ、俺と接点を持つことなんて無いんです。
だから、鈴さんていうよりも、むしろ兄さんの方に髪結いの客として会ってたかもしれないなと思いましてね」
「ああ、そうですね。そんなこともあったかもしれないですね」
なぜだかわからない。それでも明らかに動揺している自分がいることに、鈴は自分自身で驚いていた。
心の中の何かが騒ぎ出す感覚。以前にもあったような……。
そうだ、銀次に連れられて与市の店に行った時の、与市に初めて会った時のあの感覚。もうすっかり慣れて忘れてしまったけれど、あれに似ている。
「いっ!」
鈴はうっかり針で指を刺してしまった。咄嗟に指を加えると、源助が慌てたように声をかけた。
「すいやせん、俺がくだらねえ話に付き合わせちまったせいだ」
「ううん。おっちょこちょいだから、よくやるんです。気にしないで」
指を舐めながら鈴は引きつる笑顔で答えた。
「いや、お邪魔してすいやせんでした。出来上がった頃、日を改めてきます。
じゃあ、また」
源助はそう言うと、暖簾をくぐり店を出て行った。
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