12 / 34
ー12-
しおりを挟む
高木の下を辞した源助は、今となってはただの人だった。
今までは高木の名の下で岡っ引きとして町中をせわしなく歩き、見回ってきたが、今はそれも出来はしない。
だが、それでも源助の顔を見れば、町の者達は声をかけてくれる。
大丈夫かい?大変だったね。気をしっかり持つんだよ。と、声をかけられ一人ひとりに時間をかけて返事をしていたら、お天道様はすっかり昇りきってしまっていた。
源助はあの事件以来、初めて峰屋の暖簾をくぐろうと思い、足を運んだ。
だが、そううまくはいかなかった。
「おじゃまするよ」
暖簾を片手でまくり上げ顔を覗かせると、「いら……」挨拶をしかけた店の者が言葉を無くしたかのように押し黙ってしまった。
すると中からあわてたように一番の番頭が源助の元に走り寄り、外に連れ出されてしまった。おいおい、これはどうした?と思っていたら、店の裏手に引きずり込まれ、両腕を掴まれてしまった。
「源さん、まずいですって。今はまだ無理です、顔を見せちゃいけません」
見回りついでに店に顔を覗かせることを常としていた源助にしたら、顔なじみの番頭だった。年は源助よりも少し上だと思うが、決して仲が悪いとか、問題がある関係ではないのだが。
「まずいって、どうかしたんか?」
「源さん。鈴のことはうちらも守ってやれんで申し訳なかったと思ってます。
ですが、うちの店の一人娘の椿さまが未だ行方知れずだ。
……、町の噂は耳に入ってないんですか?」
「うわさ?」
源助は今まで鈴を亡くしたことで、周りと関わらないような日々をおくって来ていた。身の回りの世話は子分たちがなんとかしてくれていたから、特に生活に困ることも無く過ごしていたのだ。
「……、鈴は本当によく頑張ってくれていた。椿お嬢様もよく懐いて、旦那様たちも可愛がってくれていたんだ」
「その鈴に、どんな噂が?」
番頭は両手で掴んでいた源助の腕から手を離すと、大きく息を吐いた。
少しだけ背の低い彼の俯いた顔を真正面から見据え、源助は「どんな?」と、もう一度問うてみた。
「はぁ。いつか耳に入るだろうが、誰が言ったかは私も知らない。
何も知らない部外者が口にすることだ。だが、おまえさんが聞けば面白くないことは間違いない」
「なるほど……。で、なんだって?」
源助は怒りを抑える術も覚えている。昔のように感情で手を上げて良い職業ではないと十分知っている。今は感情の動きを抑えきれる自信はないが、それでも聞かずにいられない。
「鈴がよけいなことをしたんだろうって言う者がいるんだ。強盗はおかめ盗賊だった。それは旦那様も、住み込みのもんも皆で見てる。
おかめは反抗さえしなければ命は取らん。だから、大人しく、大人しくしていたらしい。それなのに鈴は殺され、椿お嬢様は消えてしまった……」
「だから? だから、鈴がおかめたちに嚙みついて殺されたってか? そのついでにお嬢さんをさらっていった。そう言いてえのか?」
源助の怒りを殺した低い声に、番頭は黙って頷いた。
「なるほどね。それで、峰屋の旦那は俺を恨んでるってわけか」
「いや、旦那様は鈴に申し訳なかったと。まだ幼い娘を任せるんじゃなかったって。ただ、奥様が……。あれ以来寝付いてしまって、すっかり弱られた。
店の者も鈴を可愛がってたし腹の中では可哀そうに思っても、表立っては奥様に合わせるしかねえから。
誰かを悪者にでもしねえと、心が持たねえんだよ。今の奥様には鈴を悪もんにでもしねえと生きて行けねえんだ。わかるだろう?」
番頭の必死な顔つきを見れば、源助にもわかる。いや、冷静に考えればそうなのだ。おかめが手を出すなんて余程のことなのは、源助にも理解できる。
ただ、知らなかったのだと思う。源助の、岡っ引きの妹だからと言ってもまだ十六でしかない。ましてや峰屋と言う大店で子守りを任されていれば、外の世界との接点など無いと同じだったとも思う。
そんな小娘が、おかめ強盗のなんたるかなどわかるはずが無いのだ。
それなのに、何の力も待たぬ小娘をひとり悪者にするなんてと、源助はやるせなさを覚えた。
そう言えば高木から別れ際に声をかけられた。
『腹の立つことも出てくるだろう。そん時は俺の名を使え。そうすれば、うまくいくこともある。妹のためにも我慢するんだ』
その時は何を言われているかわからなかったが、きっとこのことなのだろうと振り返る。高木は知っていたのだ。だからあんなことをと、源助は情けなさを覚える。鈴の死に狼狽え、何も手につかなくなった自分はどれだけ愚かだったのだろうかと。
「わかったよ。ここへはもう来ねえ。だが、話だけは聞かせてくれねえか。
鈴の敵を取りてえんだ。何も知らねえ小娘だったかもしれねえが、それでも先の人生のあった子だ。こんな最後を迎えていいはずがねえ。
頼む、この通りだ。くわしく話を聞かせてくれ」
源助は番頭に向かって深々と頭を下げた。
歳の近い番頭は、源助の昔の姿を知っている。知っていて、いい風に変わった姿も見てきている。昔を知っているだけに、ここまで変わった源助に好感を持っていた。その源助が深々と頭を下げているのだ。ここで断るほど、彼は無慈悲では無かった。
「わかりました。頭を上げてくださいな。
ですが、私は通いの番頭だ。あの夜の事は本当に知らないんです。ですから、私が話すことは無いですが、誰か当日に居た者に頼んでみますよ。
今のままじゃ、鈴も浮かばれませんからね」
「すまない。こんなこと頼める義理じゃねえが、頼んます」
そう言って、もう一度深々と頭を垂れるのだった。
源助は番頭に当日の話を聞きだす約束を付けると、その場を後にした。
源助が岡っ引きをやめたことを知らない者も多い。だが、常に番屋に出入りしていた者がふらふらと街を歩けば、いい加減気が付かれるだろう。
今回の事に対して面白く思っていない者がいることを始めて知った。
死者に鞭打つような言動は許せないが、行方不明者が出てしまっている以上、大きく出る訳にはいかないのだ。きっと鈴も一枚嚙んでいるはずだと、源助の勘が叫んでいた。
一刻も早く峰屋の娘を探し出し、何としても鈴の名誉を回復してやりたい。
そう、心に誓うのだった。
翌日、番頭に呼ばれ町はずれの屋台に行くと、そこには峰屋で見かけたことのある男が番頭と一緒に立って居た。確か小間使いの若い男だったと記憶している。岡っ引きなどしていれば、人の動きや機微に敏感になるものだ。源助は察しを付けて口にした。
「約束はしていたんか?」
若い男は俯きながらもビクリと肩を上げ、黙ってうなずいた。
「そうか……」
源助はそれ以上、何も言うことが出来なかった。たとえ兄と言っても、十七を迎えようとしていた子に対して、口を挟むことは難しい。
本来なら、どこかに嫁いでいてもおかしくはない年頃だ。いい仲の男がいてもなんら不思議はない。
「又七と言います。鈴、さんとは峰屋で奉公人同士として知り合いました。
将来は一緒に所帯を持ちたいと、そう約束をしていました。いつか、一緒に挨拶に行こうと思っていたのに、遅くなってしまってすみません」
両手を前に握りしめ、緊張からか身を固くして立っている姿からは嘘を言っているようには見えなかった。
「いや、こんなことになっちまって、すまなかったな。まあ、立ち話もなんだ。
座って飲もうや」
そう言って源助は、二人を先導して屋台の暖簾をくぐった。
大の男が三人並んで腰かければいっぱいの屋台で、三人は肩を並べて酒を酌み交わし始めるのだった。
今までは高木の名の下で岡っ引きとして町中をせわしなく歩き、見回ってきたが、今はそれも出来はしない。
だが、それでも源助の顔を見れば、町の者達は声をかけてくれる。
大丈夫かい?大変だったね。気をしっかり持つんだよ。と、声をかけられ一人ひとりに時間をかけて返事をしていたら、お天道様はすっかり昇りきってしまっていた。
源助はあの事件以来、初めて峰屋の暖簾をくぐろうと思い、足を運んだ。
だが、そううまくはいかなかった。
「おじゃまするよ」
暖簾を片手でまくり上げ顔を覗かせると、「いら……」挨拶をしかけた店の者が言葉を無くしたかのように押し黙ってしまった。
すると中からあわてたように一番の番頭が源助の元に走り寄り、外に連れ出されてしまった。おいおい、これはどうした?と思っていたら、店の裏手に引きずり込まれ、両腕を掴まれてしまった。
「源さん、まずいですって。今はまだ無理です、顔を見せちゃいけません」
見回りついでに店に顔を覗かせることを常としていた源助にしたら、顔なじみの番頭だった。年は源助よりも少し上だと思うが、決して仲が悪いとか、問題がある関係ではないのだが。
「まずいって、どうかしたんか?」
「源さん。鈴のことはうちらも守ってやれんで申し訳なかったと思ってます。
ですが、うちの店の一人娘の椿さまが未だ行方知れずだ。
……、町の噂は耳に入ってないんですか?」
「うわさ?」
源助は今まで鈴を亡くしたことで、周りと関わらないような日々をおくって来ていた。身の回りの世話は子分たちがなんとかしてくれていたから、特に生活に困ることも無く過ごしていたのだ。
「……、鈴は本当によく頑張ってくれていた。椿お嬢様もよく懐いて、旦那様たちも可愛がってくれていたんだ」
「その鈴に、どんな噂が?」
番頭は両手で掴んでいた源助の腕から手を離すと、大きく息を吐いた。
少しだけ背の低い彼の俯いた顔を真正面から見据え、源助は「どんな?」と、もう一度問うてみた。
「はぁ。いつか耳に入るだろうが、誰が言ったかは私も知らない。
何も知らない部外者が口にすることだ。だが、おまえさんが聞けば面白くないことは間違いない」
「なるほど……。で、なんだって?」
源助は怒りを抑える術も覚えている。昔のように感情で手を上げて良い職業ではないと十分知っている。今は感情の動きを抑えきれる自信はないが、それでも聞かずにいられない。
「鈴がよけいなことをしたんだろうって言う者がいるんだ。強盗はおかめ盗賊だった。それは旦那様も、住み込みのもんも皆で見てる。
おかめは反抗さえしなければ命は取らん。だから、大人しく、大人しくしていたらしい。それなのに鈴は殺され、椿お嬢様は消えてしまった……」
「だから? だから、鈴がおかめたちに嚙みついて殺されたってか? そのついでにお嬢さんをさらっていった。そう言いてえのか?」
源助の怒りを殺した低い声に、番頭は黙って頷いた。
「なるほどね。それで、峰屋の旦那は俺を恨んでるってわけか」
「いや、旦那様は鈴に申し訳なかったと。まだ幼い娘を任せるんじゃなかったって。ただ、奥様が……。あれ以来寝付いてしまって、すっかり弱られた。
店の者も鈴を可愛がってたし腹の中では可哀そうに思っても、表立っては奥様に合わせるしかねえから。
誰かを悪者にでもしねえと、心が持たねえんだよ。今の奥様には鈴を悪もんにでもしねえと生きて行けねえんだ。わかるだろう?」
番頭の必死な顔つきを見れば、源助にもわかる。いや、冷静に考えればそうなのだ。おかめが手を出すなんて余程のことなのは、源助にも理解できる。
ただ、知らなかったのだと思う。源助の、岡っ引きの妹だからと言ってもまだ十六でしかない。ましてや峰屋と言う大店で子守りを任されていれば、外の世界との接点など無いと同じだったとも思う。
そんな小娘が、おかめ強盗のなんたるかなどわかるはずが無いのだ。
それなのに、何の力も待たぬ小娘をひとり悪者にするなんてと、源助はやるせなさを覚えた。
そう言えば高木から別れ際に声をかけられた。
『腹の立つことも出てくるだろう。そん時は俺の名を使え。そうすれば、うまくいくこともある。妹のためにも我慢するんだ』
その時は何を言われているかわからなかったが、きっとこのことなのだろうと振り返る。高木は知っていたのだ。だからあんなことをと、源助は情けなさを覚える。鈴の死に狼狽え、何も手につかなくなった自分はどれだけ愚かだったのだろうかと。
「わかったよ。ここへはもう来ねえ。だが、話だけは聞かせてくれねえか。
鈴の敵を取りてえんだ。何も知らねえ小娘だったかもしれねえが、それでも先の人生のあった子だ。こんな最後を迎えていいはずがねえ。
頼む、この通りだ。くわしく話を聞かせてくれ」
源助は番頭に向かって深々と頭を下げた。
歳の近い番頭は、源助の昔の姿を知っている。知っていて、いい風に変わった姿も見てきている。昔を知っているだけに、ここまで変わった源助に好感を持っていた。その源助が深々と頭を下げているのだ。ここで断るほど、彼は無慈悲では無かった。
「わかりました。頭を上げてくださいな。
ですが、私は通いの番頭だ。あの夜の事は本当に知らないんです。ですから、私が話すことは無いですが、誰か当日に居た者に頼んでみますよ。
今のままじゃ、鈴も浮かばれませんからね」
「すまない。こんなこと頼める義理じゃねえが、頼んます」
そう言って、もう一度深々と頭を垂れるのだった。
源助は番頭に当日の話を聞きだす約束を付けると、その場を後にした。
源助が岡っ引きをやめたことを知らない者も多い。だが、常に番屋に出入りしていた者がふらふらと街を歩けば、いい加減気が付かれるだろう。
今回の事に対して面白く思っていない者がいることを始めて知った。
死者に鞭打つような言動は許せないが、行方不明者が出てしまっている以上、大きく出る訳にはいかないのだ。きっと鈴も一枚嚙んでいるはずだと、源助の勘が叫んでいた。
一刻も早く峰屋の娘を探し出し、何としても鈴の名誉を回復してやりたい。
そう、心に誓うのだった。
翌日、番頭に呼ばれ町はずれの屋台に行くと、そこには峰屋で見かけたことのある男が番頭と一緒に立って居た。確か小間使いの若い男だったと記憶している。岡っ引きなどしていれば、人の動きや機微に敏感になるものだ。源助は察しを付けて口にした。
「約束はしていたんか?」
若い男は俯きながらもビクリと肩を上げ、黙ってうなずいた。
「そうか……」
源助はそれ以上、何も言うことが出来なかった。たとえ兄と言っても、十七を迎えようとしていた子に対して、口を挟むことは難しい。
本来なら、どこかに嫁いでいてもおかしくはない年頃だ。いい仲の男がいてもなんら不思議はない。
「又七と言います。鈴、さんとは峰屋で奉公人同士として知り合いました。
将来は一緒に所帯を持ちたいと、そう約束をしていました。いつか、一緒に挨拶に行こうと思っていたのに、遅くなってしまってすみません」
両手を前に握りしめ、緊張からか身を固くして立っている姿からは嘘を言っているようには見えなかった。
「いや、こんなことになっちまって、すまなかったな。まあ、立ち話もなんだ。
座って飲もうや」
そう言って源助は、二人を先導して屋台の暖簾をくぐった。
大の男が三人並んで腰かければいっぱいの屋台で、三人は肩を並べて酒を酌み交わし始めるのだった。
21
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜
かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。
徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。
堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる……
豊臣家に味方する者はいない。
西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。
しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。
全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。

【架空戦記】蒲生の忠
糸冬
歴史・時代
天正十年六月二日、本能寺にて織田信長、死す――。
明智光秀は、腹心の明智秀満の進言を受けて決起当初の腹案を変更し、ごく少勢による奇襲により信長の命を狙う策を敢行する。
その結果、本能寺の信長、そして妙覚寺の織田信忠は、抵抗の暇もなく首級を挙げられる。
両名の首級を四条河原にさらした光秀は、織田政権の崩壊を満天下に明らかとし、畿内にて急速に地歩を固めていく。
一方、近江国日野の所領にいた蒲生賦秀(のちの氏郷)は、信長の悲報を知るや、亡き信長の家族を伊勢国松ヶ島城の織田信雄の元に送り届けるべく安土城に迎えに走る。
だが、瀬田の唐橋を無傷で確保した明智秀満の軍勢が安土城に急速に迫ったため、女子供を連れての逃避行は不可能となる。
かくなる上は、戦うより他に道はなし。
信長の遺した安土城を舞台に、若き闘将・蒲生賦秀の活躍が始まる。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した
若き日の滝川一益と滝川義太夫、
尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として
天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が
からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。
蘭癖高家
八島唯
歴史・時代
一八世紀末、日本では浅間山が大噴火をおこし天明の大飢饉が発生する。当時の権力者田沼意次は一〇代将軍家治の急死とともに失脚し、その後松平定信が老中首座に就任する。
遠く離れたフランスでは革命の意気が揚がる。ロシアは積極的に蝦夷地への進出を進めており、遠くない未来ヨーロッパの船が日本にやってくることが予想された。
時ここに至り、老中松平定信は消極的であるとはいえ、外国への備えを画策する。
大権現家康公の秘中の秘、後に『蘭癖高家』と呼ばれる旗本を登用することを――
※挿絵はAI作成です。
柳生十兵衛の娘
戸部家尊
歴史・時代
史実では、剣豪・柳生十兵衛三厳には松と竹という二人の娘がいたという。
柳生十兵衛の娘、竹(たけ)はある日、父への果たし状を受け取る。
だが父が不在のため、代わりに自らが決闘に挑む。
【こんな方にオススメの小説です】
■剣豪ものの時代小説が読みたい。
■本格的なチャンバラが読みたい。
■女性剣士の活躍が見たい。
■柳生十兵衛の出る小説が好きで今まで他の作品も読んできた。
※ノベルアッププラスにも掲載しています。
※表紙画像はイラストACのフリー素材を使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる