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翌朝、昨日の悪天候が嘘のように晴れ渡り、お天道様も顔を出した良い天気になった。
銀次が目を覚ますと、すでに鈴は起きて煮炊きを始めていた。
飯の炊ける匂いが鼻をくすぐる。
ここは肥沃な土地の為に食うに困ることは無い。割れ米など決して良い米ではないが、長屋暮らしの庶民でも白米が食える。麦やひえなどを食う事はほとんどなかった。
米の炊ける匂いで目が覚めた銀次は、寝ぼけまなこをこすりながら起き上がると手ぬぐいを肩にかけ家の外に出た。
「あ、お兄ちゃん。おはよう。もうすぐご飯炊けるから、待ってて」
七輪に団扇で風を送りながら笑いかける鈴を見下ろし、「顔洗ってくるわ」と言いつつ井戸場に向かうのだった。
井戸の周りには長屋の女たちが水を汲みながら、かしましく話をしている。
そんな女達に捕まり、やいのやいのと声をかけられながら何とかかわしていく。亭主持ちの女たちにとって、若く見目の良い銀次は格好の餌になる。
だが、女の耳と口は何よりの情報源となることもある。
「そうそう。昨日の夕方、ガマの油売りが宿屋に入ったらしいよ」
「へえ、うちもそろそろ切れるころだから丁度良かった。今日あたり出店に立つかねえ?」
「いつもの人だと良いけどね。あの人おまけしてくれからさあ」
銀次は女たちの噂話を聞きながら井戸から水を汲み、顔を洗った。
肩にかけた手ぬぐいで顔を拭きながら、
「いつも来るガマの油売りは、俺の客なんだ。いつもこっちにくると、髷を結いに呼ばれるから、今回もたぶんそうだな。そしたら俺の名前を出してくれ。きっと、まけてくれるはずだ」
濡れた顔で笑みをこぼし、女たちの話しに乗ってみる。
「え、ホントかい? 銀次さん助かるわぁ。あの油傷によく効くから、ありがたいわぁ」
そんな女たちの会話を背に良い話を聞いたと思いながら、女たちの井戸端会議を抜け、鈴の待つ家へと戻るのだった。
銀次は朝飯を食べると、客の呼びがないこの日はゆっくりと過ごし、昼ごろに商売道具の木箱を持ちふらりと出かけた。
ガマの油売りがいつも出店を広げる辺りに足を運ぶと、ちょうど口上の途中だった。
「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。ご用とお急ぎでない方は、足を止めてとくとご覧あれ」どこに行っても彼の口上は変わらない。巧みな話術と慣れた手つきで傷口を塞ぐと、足を止めて見入っていた客から「わぁっ」と歓声が上がる。
それを遠巻きに見ている銀次と、ガマの油売りの目が合った。
銀次はこくりと一つ頷くと、ガマの油売りは口角を上げるとそのまま口上を続けるのだった。
半年以上ぶりの出店に客が並ぶほどの大繁盛だった。
「はいはい、押さないで、押さないで。明日も川下の方で店を開きますからね、買いそびれても大丈夫ですよ。焦らなくていいですからねぇ」
男は並ぶ客に気さくに対応している。
同じ長屋の女たちも数人姿が見えるから、きっと自分の名を出していることだろう。どれくらいまけてくれるかわからないが、これは昼飯でも奢らないとならないと、銀次は懐の巾着を握ると銭を確認するのだった。
やっと客の姿が散り始めた頃、銀次はゆっくりと出店に近づいていった。
簡易な棚の上に並べられた品を整理している男の背に向かい、声をかける。
「よ、ガマ売り。景気は良いみたいだな」
やっと来たかとでも言いたげに「ふっ」と鼻で笑う声が聞こえた。
「ああ、ボチボチだな。おめえはどうよ?」
「おれも、まあ。髪結いはボチボチだな」
「髪結い? あっちはどうなんだ?」
「あっちは、まあ。それなりか?」
「ははは。そいつはいいや。そうだ! おめえと同じ長屋だって言う女衆が来てたな。仕方ねえから瀬戸の椀に入れてやった。あれだってそれなりの品だ。
飯でも奢ってもらわにゃ割りに合わんぞ」
「もちろん、そのつもりだったさ。酒は明日だ。まずは昼だな。蕎麦でいいか?」
「ああ、腹が減った。なんでもいいから食わせてくれや」
ガマの油売りの男は手際よく商売道具を片付けると、背負いの木箱にしまい始めた。
「なんだ? もう店じまいか?」
「ああ、今日は大分儲けさせてもらったからな。明日もあるんだ、今日はゆっくりするさ。そうだ、いつもみたいに頭、頼めるか?
「ふっ。そのつもりだ」
銀次は商売道具の木箱を軽く持ち上げると、ガマ売りに見せた。
「まずは腹ごしらえだ。その後、宿の部屋でやってくれや」
二人は顔を見合わせ笑みを浮かべると、馴染みの蕎麦屋へと向かった。
ありきたりな世間話をしながら蕎麦を食う。
そして、銀次は髪結いの木箱を持ち、ガマ売りは商売道具を背負い宿へと向かった。
宿の部屋は二階の奥部屋。
雑魚寝部屋ではなく一人用の貸し部屋は、訳有りの客などが使いたがるため料金もそれなりにかかる。
それなりの部屋なだけに、大きな声を出さなければ外に声が漏れることは少ない。
「奮発したんだな、弥吉」
「これくらいしないと、中々難しいだろう」
銀次は部屋の角に座布団を置くと、木箱を開き仕事道具を並べ始めた。
勝手知ったる様子で弥吉も座布団に座り、銀次に背を向ける。
慣れた手つきで髷を解くと、月代に剃刀をあてた。
ジョリと音を立て生え始めた短い毛をそり落とし、毛先を揃え切り整えると、鬢付け油を塗り髷を結う。剃刀を持つ者の気持ち一つでそれは凶器に代わる。
髪結いとは、信用できる者の務めなのだ。
剃刀を仕舞い、髷を結い終わると、弥吉は懐から少しだけ厚さのある布包みを取り出した。それを胡坐をかいた自分の脇に置くと、スッと後ろに流す。
「親父から、おめえの分だ。しかと渡したぞ」
銀次は膝立ちしている自分のそばにある布包みを見つめると、少し下がりその場で両手を付いて頭を下げた。
「確かに、受け取りました」
畳に額をつける勢いで頭を低くする銀次に、弥吉は自分の銭袋から小銭を出すと、彼の前にそっと置いた。
「髪結い賃だ。ありがとな」
銀次はそれを握ると、弥吉に突き付けて返そうとする。
「これは貰えない。おめえの旅の足しにしてくれ」
「馬鹿言うな。おめえはこれでおまんま食ってるんだろうが? 妹養うのに、手に職つけて誇りを持ってるんだろう? だったら、手間賃はちゃんと取れ。それがおめえと妹のためだ」
銭を握り、自分の胸元に突き付けられた銀次の手を軽くはたき返すと、その肩をポンと叩くのだった。
「妹、大事にしてやれ」
弥吉の言葉に銀次は黙って頷くと、手の中にある銭を強く握りしめた。
銀次が目を覚ますと、すでに鈴は起きて煮炊きを始めていた。
飯の炊ける匂いが鼻をくすぐる。
ここは肥沃な土地の為に食うに困ることは無い。割れ米など決して良い米ではないが、長屋暮らしの庶民でも白米が食える。麦やひえなどを食う事はほとんどなかった。
米の炊ける匂いで目が覚めた銀次は、寝ぼけまなこをこすりながら起き上がると手ぬぐいを肩にかけ家の外に出た。
「あ、お兄ちゃん。おはよう。もうすぐご飯炊けるから、待ってて」
七輪に団扇で風を送りながら笑いかける鈴を見下ろし、「顔洗ってくるわ」と言いつつ井戸場に向かうのだった。
井戸の周りには長屋の女たちが水を汲みながら、かしましく話をしている。
そんな女達に捕まり、やいのやいのと声をかけられながら何とかかわしていく。亭主持ちの女たちにとって、若く見目の良い銀次は格好の餌になる。
だが、女の耳と口は何よりの情報源となることもある。
「そうそう。昨日の夕方、ガマの油売りが宿屋に入ったらしいよ」
「へえ、うちもそろそろ切れるころだから丁度良かった。今日あたり出店に立つかねえ?」
「いつもの人だと良いけどね。あの人おまけしてくれからさあ」
銀次は女たちの噂話を聞きながら井戸から水を汲み、顔を洗った。
肩にかけた手ぬぐいで顔を拭きながら、
「いつも来るガマの油売りは、俺の客なんだ。いつもこっちにくると、髷を結いに呼ばれるから、今回もたぶんそうだな。そしたら俺の名前を出してくれ。きっと、まけてくれるはずだ」
濡れた顔で笑みをこぼし、女たちの話しに乗ってみる。
「え、ホントかい? 銀次さん助かるわぁ。あの油傷によく効くから、ありがたいわぁ」
そんな女たちの会話を背に良い話を聞いたと思いながら、女たちの井戸端会議を抜け、鈴の待つ家へと戻るのだった。
銀次は朝飯を食べると、客の呼びがないこの日はゆっくりと過ごし、昼ごろに商売道具の木箱を持ちふらりと出かけた。
ガマの油売りがいつも出店を広げる辺りに足を運ぶと、ちょうど口上の途中だった。
「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。ご用とお急ぎでない方は、足を止めてとくとご覧あれ」どこに行っても彼の口上は変わらない。巧みな話術と慣れた手つきで傷口を塞ぐと、足を止めて見入っていた客から「わぁっ」と歓声が上がる。
それを遠巻きに見ている銀次と、ガマの油売りの目が合った。
銀次はこくりと一つ頷くと、ガマの油売りは口角を上げるとそのまま口上を続けるのだった。
半年以上ぶりの出店に客が並ぶほどの大繁盛だった。
「はいはい、押さないで、押さないで。明日も川下の方で店を開きますからね、買いそびれても大丈夫ですよ。焦らなくていいですからねぇ」
男は並ぶ客に気さくに対応している。
同じ長屋の女たちも数人姿が見えるから、きっと自分の名を出していることだろう。どれくらいまけてくれるかわからないが、これは昼飯でも奢らないとならないと、銀次は懐の巾着を握ると銭を確認するのだった。
やっと客の姿が散り始めた頃、銀次はゆっくりと出店に近づいていった。
簡易な棚の上に並べられた品を整理している男の背に向かい、声をかける。
「よ、ガマ売り。景気は良いみたいだな」
やっと来たかとでも言いたげに「ふっ」と鼻で笑う声が聞こえた。
「ああ、ボチボチだな。おめえはどうよ?」
「おれも、まあ。髪結いはボチボチだな」
「髪結い? あっちはどうなんだ?」
「あっちは、まあ。それなりか?」
「ははは。そいつはいいや。そうだ! おめえと同じ長屋だって言う女衆が来てたな。仕方ねえから瀬戸の椀に入れてやった。あれだってそれなりの品だ。
飯でも奢ってもらわにゃ割りに合わんぞ」
「もちろん、そのつもりだったさ。酒は明日だ。まずは昼だな。蕎麦でいいか?」
「ああ、腹が減った。なんでもいいから食わせてくれや」
ガマの油売りの男は手際よく商売道具を片付けると、背負いの木箱にしまい始めた。
「なんだ? もう店じまいか?」
「ああ、今日は大分儲けさせてもらったからな。明日もあるんだ、今日はゆっくりするさ。そうだ、いつもみたいに頭、頼めるか?
「ふっ。そのつもりだ」
銀次は商売道具の木箱を軽く持ち上げると、ガマ売りに見せた。
「まずは腹ごしらえだ。その後、宿の部屋でやってくれや」
二人は顔を見合わせ笑みを浮かべると、馴染みの蕎麦屋へと向かった。
ありきたりな世間話をしながら蕎麦を食う。
そして、銀次は髪結いの木箱を持ち、ガマ売りは商売道具を背負い宿へと向かった。
宿の部屋は二階の奥部屋。
雑魚寝部屋ではなく一人用の貸し部屋は、訳有りの客などが使いたがるため料金もそれなりにかかる。
それなりの部屋なだけに、大きな声を出さなければ外に声が漏れることは少ない。
「奮発したんだな、弥吉」
「これくらいしないと、中々難しいだろう」
銀次は部屋の角に座布団を置くと、木箱を開き仕事道具を並べ始めた。
勝手知ったる様子で弥吉も座布団に座り、銀次に背を向ける。
慣れた手つきで髷を解くと、月代に剃刀をあてた。
ジョリと音を立て生え始めた短い毛をそり落とし、毛先を揃え切り整えると、鬢付け油を塗り髷を結う。剃刀を持つ者の気持ち一つでそれは凶器に代わる。
髪結いとは、信用できる者の務めなのだ。
剃刀を仕舞い、髷を結い終わると、弥吉は懐から少しだけ厚さのある布包みを取り出した。それを胡坐をかいた自分の脇に置くと、スッと後ろに流す。
「親父から、おめえの分だ。しかと渡したぞ」
銀次は膝立ちしている自分のそばにある布包みを見つめると、少し下がりその場で両手を付いて頭を下げた。
「確かに、受け取りました」
畳に額をつける勢いで頭を低くする銀次に、弥吉は自分の銭袋から小銭を出すと、彼の前にそっと置いた。
「髪結い賃だ。ありがとな」
銀次はそれを握ると、弥吉に突き付けて返そうとする。
「これは貰えない。おめえの旅の足しにしてくれ」
「馬鹿言うな。おめえはこれでおまんま食ってるんだろうが? 妹養うのに、手に職つけて誇りを持ってるんだろう? だったら、手間賃はちゃんと取れ。それがおめえと妹のためだ」
銭を握り、自分の胸元に突き付けられた銀次の手を軽くはたき返すと、その肩をポンと叩くのだった。
「妹、大事にしてやれ」
弥吉の言葉に銀次は黙って頷くと、手の中にある銭を強く握りしめた。
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