かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。

カモミール

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2章:セントフィリアの冒険

8話.フェルミナの考え

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*フェルミナ視点

あの後、オルゴラズベリーが騒いで大変だったのは
言うまでもない。
「いやだ~。私のエデンが。ミステリアスフードがぁ。
オルゴ砲で店を吹き飛ばしてコックを引きずりだすんだぁ!」
オルは地べたに転がるって駄々をこねていた。

彼女の言葉通りオルから火炎砲が撃たれるギリギリだったところがまた怖ろしい。
「やめなさい!ほんとにお願いだから」

こんな調子で30分は駄々をこねられ、立ち直った今も
オルゴラズベリーは納得がいってないと言う風に拗ねていた。

せめてオルの機嫌を直そうと、
なぜこんなことになっているのか調べることにした。

辺りを少し散策すると、街はある程度は機能していることはわかった。

やはり現地の人たち、
特にあまり裕福でない人たちは、生活のため
仕事をしているようだ。

また、通りかかった人に聞いてみると、
魔獣四王が集まった影響で様々な問題が生じ、
街に活力が無くなってしまった、ということは確実
のようだった。

「なぁ、何で私達が集まったからってこんなことになるんだ?私たちはただ久しぶりに会いたかっただけなのに」
オルゴラズベリーが聞く。
「それが力を持つってことなんやな。誰だって自分より強いものには恐れを持つ。その力の差がでかければでかいほど注目を集めてしまうもんなんやなぁ。良くも悪くも」
「みんな私たちが怖いってことか?」
オルはまだ不思議そうな顔をしている。

「そうだね。特にこの街はあの古城に一番近いから、
よその国の取引相手や観光客がみんな居なくなってしまったみたい」
オルゴラズベリーの疑問にセレーネが答えた。

「でも、そんな知らない人たちにどうこうって言われてもな」
オルはそれでもまだ納得できないと言う顔をしている。
まぁ気持ちは分かるわ。

セレーネはそんなオルゴラズベリーに何か言おうとしたみたいだが、私が先に
発現した。
「それだけじゃないみたいよ」
「どういうこと?」
オルが不思議そうに尋ねる。

他の皆も全員こちらに振り向いた。

「この街他にも何かトラブルが起きてるみたいで聞いてみたんだけど、どうにもクラーケンの侵攻が確認されてるみたい」
「クラーケン?なんでまた?」 
セレーネも不思議そうな顔をして言う。

クラーケンとはSランクモンスターの内の一匹だ。
人間が設定した指標だが、ランクはE~Sまであって、ランクSは最上位の危険な魔獣だ。

ちなみに魔獣四王のランクはSランクオーバーで、Sランクの1番上澄みという立ち位置になる。とはいえ、クラーケンと私たちはランク的には同格と言えなくもない。

そんな強大な魔物が攻めてきたら、ここが大都市と言ってもひとたまりもないだろう。

「それが、どうもそっちの事件も私達四王と関係があるみたい」
「どういうことや?」
「私たちから避難するために、主力の冒険者達が
半数以上逃げてしまったらしくて。それに他国から来てた高ランク冒険者もこの街には寄り付かなくなっちゃったみたい
「クラーケンは知恵を持つモンスターだし、好機と捉えられてもおかしくないってことか」
フェルミナの発言にセレーネが納得したというふうに頷き、捕捉した。

「なるほどなぁ。さっきの騎士やら冒険者たちは、クラーケン討伐に向かったってことやね」
真蜘羅も納得したようも頷いた。
だが、納得しただけで、真蜘羅にとっては関係のない他人事の話だ。
セレーネとオルゴラズベリーも、同様のスタンスだった。

それはそうでしょう。私たちは魔獣であり、人間がどうなろうと関係がない。
むしろ滅ぼそうとすることが、本来あるべき姿と言えるかもしれないわね。
けど、私も自分のスタンスを変える気はないわ。

「ええ。それでここからは相談なんだけど、私はクラーケン討伐に加勢したいと思ってる」

「「「はぁ?」」」
皆が信じられないという驚いた眼でこちらを見た。

まぁそうなるでしょうね。
けど私にも譲れないものがあるんだから。








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