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翌日から、マリアンヌは兄達と剣の打ち合いを始めた。

デヴィッドが剣を構え、マリアンヌがおもちゃの剣で打ちつける。

コン、コン。

と軽い音が庭に響く。

「えい、えい。」

必死に剣を振るマリアンヌ。

「マリアンヌ。いいぞ。がんばれ。」

ジャックが、マリアンヌに声をかける。

ブロスは、必死にデヴィッドに立ち向かうマリアンヌをみて、

なんだか、熊に戦いを挑む、子犬のようだな。と思った。

「兄上、マリアンヌ。休憩をしよう。」

ブロスが、控えていた使用人にお茶の用意を頼む。


ガーデンテーブルに、お茶とお菓子が用意された。

デヴィッドは、マリアンヌの顔の汗をタオルで優しく拭き取り、椅子に座らせる。

「この後、マリアンヌは淑女教育を受けるのだろう。」

ブロスは、クッキーを一枚取りマリアンヌの口に近づける。

パクっと、クッキーを口に入れ、もぐもぐと咀嚼してから

「そうです。お父様とお約束しましたからね。剣の稽古を続けるために、がんばるのです。」

フンスー!と鼻を膨らませる。


さっそく、今日から淑女教育が始まった。

マリアンヌの「チンコ」発言で、母ジェシカは、マリアンヌの将来に不安を覚えた。

すぐに家庭教師の手配をしたのだ。

ジェシカは娘が生まれたら、お揃いのドレスにお揃いのアクセサリーを作って、お茶会へ参加したり、街へお出かけしたり、したかったのだ。

やっと、マリアンヌが健康になり外へ出られるようになったのに、アクセサリーを身に着ける前に、剣を持つなんて。

ますます、ジェシカの夢が遠のくような気がした。

素振りを始めてから、マリアンヌが健康になったのは嬉しい事だったのだが・・・・。

これからは、しっかりとマリアンヌを令嬢らしく育てよう。



今ならまだ、間に合うはず。




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