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113  旅支度

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「ゆけ~ゆけ~、か~わぐっち~ひろし~~~~。」

アリスが歌いながら、旅支度をしている。

隣で、ジークがお菓子を選んでいる。

「アリス。なんだ、その歌は?」

「え~~~!ジーク知らないの?」

おったまげーである。

「うん、知らん。」

手にしていた、袋からクッキーを一枚取り出して、口にする。

おいっ、それは旅に持って行くのではないのか?

「子供の頃に、川〇浩探検隊って、探検番組があったのよ。見たことない?」

モグモグしながら

「見たことないな~?」

「未確認生物を探す、探検番組でね。効果音といい、ナレーションといい、物凄く
視聴者をドキドキさせて期待を煽る番組でね。番組が始まる前に、正座して番組が
始まるのを待っていたものよ。でも毎回、番組終了後にがっかりさせるのよねー。」

そう、でもなんか、毎回番組をみてしまうのよね~。

「子供の頃に、川〇浩探検隊に入りたくって、探検に憧れたわ~。学校帰りに、ゆけ~ゆけ~か~わぐっちひろし~って、歌いながら、田んぼに入って、足が抜けなくなった事があったわ。あの時は、近所のお姉さんに助けてもらったけど。(実話。あの時はお姉さんありがとう。)
山に入って、帰り道が分からなくなって、さまよった事もあったわね。自力で下山したけど。いや~今思えば、無茶ばっかりしてたわ~。」


懐かしい・・・・。


「なんていうか、無事でなによりだったな。」

ジークが呆れている。

「あっ、ジーク、ポテチは持っていけないわよ。湿気ってしまうし、荷物に入れると粉々に砕けちゃうからね。」

鞄にポテチを入れようとしていたのを止める。

「分かった。」

ジークが袋を開けて、食べ始めた。

ジークの鞄の中身は、ほぼお菓子で埋まっている。

呆れる、アリスであった。



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