姉の様子が、おかしいです。

続

108 姉の喜ぶ顔が見たい

姉の通っている学園で、大変な事件が起こった。

ジークハルト様とレインが大きなケガを負った。

二人とも、なかなか目覚めず、とても心配した。


学園に化け物が現れて、姉達を襲ってきたという。

ジークハルト様とレインが化け物と戦い負傷し、姉が化け物を殴り倒したと聞いて

驚いた。


僕だけではなく、父上や母上、邸中の皆が驚いた。

新しい食べ物や新しい下着などだけではなく、化け物を倒す力まであるなんて・・・。



もしや、姉はエイドリアン神様の化身なのでは！


僕は、父上の執務室へと向かった。



「父上、姉上こそが、エイドリアン神様の化身なのでは！」

僕は、先ほど、思いついた事を父上に話した。

「クラウスの言う事は、分かった。アリスの彫像をさっそく作らせよう。」

父上と相談し、邸の部屋の一室を祭壇として用意し、内装を祭壇に相応しいよう

壁紙なども張り替えた。


そして、数日後。

エイドリアン神様の彫像が出来上がった。


「父上、素晴らしい祭壇ができましたね。姉上もお喜びになるでしょう。」

「そうだな。エイドリアン神様が我が家にこれだけの幸運をもたらしてくれたんだ。
感謝せねばな。」


とても満足できる、立派な祭壇が出来た。


さっそく、姉を祭壇へと連れてきた。

姉の喜ぶ顔が見たい。

「姉上、エイドリアン神様の祭壇です。」

扉を開き、姉を部屋の中へと招く。

姉が、祭壇の彫像を見て、目を見開いた。


ウンウン。姉にそっくりの彫像ですからね。

それは、驚くでしょうね。



「いやぁぁぁ～～～～～～！！！！」


姉は、大絶叫して部屋から出て行った。



何故？