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ジークとウイリアム君と教室へ向かう。

その間、あちこちからの視線を浴びる。

なんだか、落ち着かない。

「なんか、すごく見られているな。」

ジークが顔を顰める。

「しょうがないよ。口づけで人を生き返らせたんだ。」

ウイリアム君がクスクスと笑う。

ふと、疑問に思った。

この世界って、心肺蘇生法ってないの?

「ウイリアム様、口づけで生き返らせる方法って、ないのですか?」

ウイリアム君が、驚いた顔をする。

「何をおっしゃっているのですか?息の止まった人を生き返らせる方法なんて
聞いた事もないですよ。ですから、教会では大騒ぎになっているのです。」

ジークもアリスもびっくりだ。

教会が大騒ぎになっているなんて!

なんだか、面倒な事になる予感。

イヤイヤ、フラグが立つような事は考えまい。

「そうそう、ご存じですか?お二人をモデルにした小説や演劇の話が
持ち上がっているそうですよ。」

なんですとーーーー!!

ジークもアリスも、物凄く嫌そうな顔をする。

「公爵夫妻に、すでに打診があったそうですよ。」

ウイリアム君が苦笑しながら言う。

「「あっ!」」

ジークとアリスが気づいた。

スペード公爵夫妻がお見舞いに来るたびに、ニヤニヤした顔を
している事に。

あれか~~~。



平穏な生活が、ちょっと騒がしい生活になりそうだ。






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