姉の様子が、おかしいです。

32 ケイン

お茶会の翌日、私とジークハルトは婚約した。

ジークハルトはあの物語の挿絵の男性に似ている。

現在、5歳児だけれど。　もう少し、成長すれば、あの顔になるはず。

ストーリーでは、8歳での婚約だった。

しかし、色々とイレギュラーが起きている。

私もジークハルトも転生者だ。しかも、性格が物語の登場人物とずいぶん違う。

とりあえず、油断禁物だ！返り撃ちできるだけの体力と護身術を、

身につけよう。





それから、しばらく経って・・・・。



今日は、父の執務室に私とクラウスは呼ばれた。

「お前達に、紹介する。アベルの息子のケインだ。
ケインは、クラウスの従僕兼執事見習いとなる。ケインは今
12歳だが、来年13歳になったら、学園へ入学することになる。
入学までは、クラウスに従僕として付いてもらう。クラウスが
学園へ入学したら、一緒に学園へ従僕として行ってもらう。
卒業したら、アベルに教わりながら、クラウスの
執事として、働いてもらうことになる。」

ハリントン王立学園は、貴族の子息、令嬢、貴族からの推薦状のある者
また、優秀と認められた者が入学できる。

13歳からの入学で4年制だ。遠方の生徒は、寮に入れる。

アベルの家系は、ハート家に代々、執事として仕えている。

ケインは、クラウスの執事として仕える事になるので、ハート家の
推薦で、学園に通うことになる。

家庭教師がついて、先日まで入学試験の為に勉強を頑張っていたらしい。

合格間違いなし。と家庭教師からのお褒めの言葉を頂き、

受験勉強から、解放されたようだ。

でも、学んだ事を忘れないように。と抜き打ちテストはするらしい。

そして、ケインの仕える主として、クラウスとの対面となった。

第一印象は、爽やかなお兄さんという感じだ。

そう、Ｎ〇Ｋの体操のお兄さんのような爽やかお兄さん。

クラウスの良き相談相手になると思う。




ケインは、アリスとクラウスと対面して思った。

とても、おとなしいご兄弟だな。と。