恋愛 婚約から家族ができるまで

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生家一日目

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   生家一日目


 ドラガル様と私は休みを合わせ、またドラガル様の生家へ婚約の報告も兼ねて訪問することにした。
 私は生家を訪問する前にやらなければいけないことがあり休みの日には屋敷へと戻っていたので最近はドラガル様と会う機会が減っていた。しかし会う時間よりも今は大事な用事があったのだ。そう、閨の作法だ。婚約は先月成立し結婚は半年後となった。そうして何もしないうちにもう一か月も過ぎてしまっていた。私は前回ドラガル様の屋敷に伺った時ドラガル様に期待させるような言葉を言ってしまっていた。このままの状況では非常にまずいのである。そのため、こうして休みの度に屋敷に戻りソフィアに閨での作法について教えてもらっているのである。初日はあまりの衝撃で勉強を続けることができず、すぐに断念してしまったが・・なんと回を追うごとにそれ以上の事を学ぶのだ。最初は男女の体の違い、そうして子どもがどのようにして誕生するのか・・私は本気で子どもはコウノトリが運んでくるものと考えていたため女性が生むと聞いた時は男女の違いより衝撃が強かった。そうして、今日はいよいよ最終日となったのだ。
「ソフィア、帰ったわ。最終日よろしくお願い」
私は気合を入れてソフィアに声を掛けた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
ソフィアはいつもと変わらぬ笑顔で私を出迎えてくれた。
「それではお嬢様、始めさせていただきます。前回の復習はよろしかったですか」
「大丈夫よ。湯あみをして寝室で夫となる人を待つのだったわねぇ。着るものも分かったし、肌の手入れの方法も分かったわ。いよいよ本番ね」
「そうですねぇ。お嬢様、寝台に上がってからは夫となる人に全て任せるのです」
「全て任せる?じゃあ、私はどうすればいいの」
「そうですねぇ。耐えることをせずそのままを受け入れることですか。決して拒否してはいけません。相手の方が困ってしまいますから・・」
「じゃあ、黙って寝ていればいいの」
「そうですねぇ。何と言いますか、相手が望まれることをすればいいのです」
「相手が望まれること・・ドラガル様が望まれることね。それなら大丈夫だわ。ドラガル様だったら変なこと言ってこないでしょうし、分かったわ」
ソフィアはやや困った表情で私の方を見ていたが私は大丈夫とその時は思っていた。そう、私はもう閨について理解した気になっていたのだ・・本当は全く知らないに等しいということも分からずに・・
そうして私が休憩しているとソフィアが大きなケースを持った女性を連れて部屋の入って来た。
「その方は・・」
私がソフィアに尋ねると
「女性の夜着を専門に扱っている業者の方です」
と返答があった。私は意味が分からずボーと見ているとなんとケースの中から様々な今まで見たことがない夜着が出てきたのだ。私が興味津々に見ているとソフィアが
「エリーゼ様、これから一緒に夜着を選びますよ」
と言ってきた。私は
「はい」
と頷くといつも身につけているシンプルなデザインで着やすいものを選んだ。するとソフィアが
「エリーゼ様、何を選んでいるんですか」
と眉間に皺を寄せて言ってきたのだ。私は何か間違いをおしたことには気が付いたが何がいけなかったのか分からず
「ソフィア、違うの」
と問い掛けた。すると
「エリーゼ様、違います。そんなシンプルな物で男性の気が引けるとお思いですか、もっと相手の気持ちになって考えてください」
と言ったのだ。そうして驚くようなデザインの夜着を私の前に並べだした。それは生地が薄く着るにはかなり心細くなぜだか前に大きなリボンが付いたものや、背中にいくつもボタンが付いたもの、背中は隠すが前は胸のあたりだけにしか生地がないものなど様々なデザインの物であった。色も何種類もあり眩しかった。
「ドラガル様の好きな色は何色ですか。綺麗か可愛いどちらが好きですか」
ソフィアに問われ
「好きな色は赤と黒かな。綺麗も可愛いもどちらも言われるかなぁ」
それを聞いたソフィアと女性は、二人で相談し三着の夜着を準備した。私はこれを着るのと思ったがソフィアの剣幕に押され持って行くことにした。

そうして、ドラガル様と生家に向かう日がやって来た。私はいつものように勤務を終えると厩舎へと向かった。婚約したからといって私達の日常は変わることはなかった。お互い馬に乗ることが好きであるため一緒に馬に乗って向かうことに何も問題はなかった。厩舎に着くとドラゴに餌をやりブラッシングしながらドラガル様を待った。いつもは仮眠をとって待っていたのだが、今日は仮眠をする余裕がなかったのだ。いくら疎い私でも婚約者とお泊りに出掛けるのである前回ドラガル様の屋敷の事を思い出すとドラガル様が前回以上の事を今回の外泊で望んでこられることは必須の事態である。私はソフィアと一緒に準備した今までとはちょっと違う可愛いデザインの夜着を鞄に忍ばせてきたのである。鞄に目をやるとどうしても顔に熱が集まってしまう。意識しないようにすればするほど意識するのだ。そうして一人ソワソワしながらドラガル様を待っていると
「おはよう、エリーゼ」
と急に背後から声が掛かった。
「ひゃあ」
と私は何とも言えない声を上げてしまっていた。ドラガル様は不思議そうに
「どうしたんだ、エリーゼ、変な声を出して」
そう言うと私の荷物を持ってドラゴに乗せようとした。私は慌てて
「ドラガル様、荷物は私が・・」
といつも言わないことを言ってしまう始末だ。
「えっ、荷物がどうしたんだ」
「いいえ、何でもないです」
「そうか」
ドラガル様は不思議そうにそう言うと荷物をドラゴに乗せた。そうして自分が跨るといつも通り私に手を差し出してきた。私はまた顔に熱が溜まるのを意識しながらドラガル様の手を取った。
「今日も天気でよかったなぁ。今回はどこか行きたいところとかないのか」
私はそれどころではなかったので
「特に行きたいところはないです。ドラガル様が行きたいところに付いて行きます」
と言った。するとドラガル様は後ろから私を抱き締めると
「何もしないから・・そんな怯えた顔をするな。こっちまで必要以上に意識してしまう」
と耳元で呟いた。
「すみません」
私がそう言うとドラガル様は笑いながら
「それじゃあ、とりあえず急いで屋敷に向かうか」
と言って急にスピードを上げた。私の体を後ろからしっかりと支えてから・・
やっぱりドラゴは速く予定以上に早く到着した。私たちが玄関に到着するとみんなが凄い勢いで集まってきてそれぞれが口々に
「ご婚約おめでとうございます」
と言いながら涙をハンカチで拭っていた。それはいつまでも続き私たちはいつまでも屋敷の中へと招かれなかった。しばらくドラガル様は様子を伺っていたがいつまで経っても終わりそうにない光景を見かねて
「そろそろ、中に入りたいのだが・・」
と言った。するとみんな日がかなり高くなっていることに気付いたみたいで急いで屋敷の中へと招いてくれた。それぞれの部屋に入ると私は湯あみを済ませ、持参した下着を身につけようとして驚いた。昨日準備した時には確かに入れたはずの下着と部屋着がないのである。いくら探しても・・私は恥ずかしかったが仕方なく夜着を身につけ仮眠についた。
 ドアをノックする音が聞こえてきた。私は反射的に返事をしてしまった。昨日、緊張してあまり眠れていなかったため眠りが深くなっていたため自分の家と勘違いしてしまったのだ。
「はい、どうぞ」
すると・・ドアが開きドラガル様が中へと入って来た。そうして寝台に横になっている私を見つけると駆け寄ってきた。まぁ、そうなるだろう、まだ寝台に横になったままでいるのだから・・
「エリーゼ、どうしたんだ。調子が悪いのか」
と心配そうに尋ねてきた。私は・・
「よく寝ていたので・・寝ぼけて返事をしてしまいました」
と恥ずかしくて布団で顔を隠しながらそう言った。すると
「それならよかった。開けた時、横になったままだったから驚いたけど・・じゃあ、起きれるか」
とドラガル様が尋ねてきたので私は
「はい」
と言うと勢いよく起き上がった。そう、ソフィアが選んでくれた夜着を身につけていることを忘れて・・その光景を目にしたドラガル様は一瞬固まっていたが顔を赤らめると急いで横を向いた。そうして
「エリーゼ、ちょっと刺激が強すぎるのだが・・」
と言ってきた。私は自分の着ているものを見て自分でも驚いた。着る時はやや眠気からボーとしていたため気が付かなかったが生地が薄くやや胸の形が透けて見えているのだ。私は驚きまた布団の中に潜り込んだ。するとしばらくして
「エリーゼ、その夜着は俺のために身につけてくれているのか」
と尋ねてきた。私は正直に布団の中で頷いた。すると
「嫌じゃなければ俺に見せてくれないか」
とドラガル様は言ってきた。私はさらに慌てたが身につけた理由はそうだったので・・
「ドラガル様、明るいところでは恥ずかしいです」
と返答した。するとドラガル様は部屋のカーテンを閉めると私の布団の中へと入って来た。そうして
「こうしたら、大丈夫だろ」
と言ってきた。私は布団から顔を出した。部屋の中は薄暗くしか見えていなかったので大丈夫だろうと思い
「はい」
と頷いた。するとドラガル様が私に口づけてきた。それは前にした濃厚な口づけだった。私は口づけに応えながら自分でも徐々に息が上がってくるのを感じた。そういているとドラガル様の左手が夜着の上から私の腰のあたりに触れてきた。触れられると不思議なことにそこだけ他より熱を感じ意識がそこへと集中していった。ドラガル様の手は腰のあたりをしばらく触れてから今度は上へと上がってきた。そうして私の胸のふくらみあたりまでくるとやや触れるのを躊躇うかのように止まった後、ゆっくりと私の乳房に触れてきた。すると堪らず声が漏れた。
「あぁ」
その声を聞いたドラガル様は一度触れる手を止めたがすぐにまた手を動かし今度は乳房のふくらみを確かめるかのように触れてきた。その間ずっと口づけは続いていたが私がまた声を上げると口づけは止まった。
「ドラガル様」
私が目を開けるとドラガル様は上半身を起こすと私を見下ろすようにして
「エリーゼ、もっと触れてもいいだろうか」
と問い掛けてきた。私はドラガル様に触れられることが嫌ではなかったので静かに頷いた。
すると今度は私の顔を見ながら乳房に触れてきた。私は恥ずかしくなり目を閉じると・・
「エリーゼ、目を開けていてくれないか」
と言われたのだ。そこでソフィアに言われたことを思い出した「そうだ、ドラガル様が望まれるようにしないと」恥ずかしかったが目を開けドラガル様を見つめた。恥ずかしくて顔に熱が集まるのを感じながら・・ドラガル様の顔を見ているとさらに乳房に触れている手がドラガル様のものだと意識してしまいさらに手の熱を強く感じるようになってしまった。
「あぁ、ドラガル様、熱いです」
「エリーゼ、どこが熱いんだ」
「ドラガル様に触れられているところ・・」
それを聞いたドラガル様はここかと言わんばかりに左手に力を入れて乳房を掴んできた。
「あぁー、ドラガル様」
そうしてドラガル様を見つめているとドラガル様の目がいつもと違い野生的に輝いていることに気付き、さらに色気も相まって何だかもどかしい気分になってきた。
「ドラガル様、もっとしてほしいです」
その言葉を聞いたドラガル様は驚いた表情をしていたが私に覆いかぶさると今度は両手で乳房に触れてきた。そうして右手が夜着の上から乳頭に触れた。
「・・・あぁっ」
すると私の反応を楽しむかのように何度もかすめるように触れるのを繰り返した。
「・・あぁっ・・あぁっ」
私の反応を確かめるかのように・・
「・・もう」
と私が言うとドラガル様は私を見つめたまま夜着の前についているリボンをほどいた。その途端、肌に冷気が触れ胸が露わになったことに気が付いた。私は急に恥ずかしくなり急いで両手で胸を隠した。するとドラガル様は私の手に口づけながら
「エリーゼ、見せてくれ・・」
と言ってきた。私はもう抵抗することが出来ず言われるまま両手を横へと下ろした。するとドラガル様は微笑むと今度は直接乳房に触れてきた。やや躊躇した後に・・
「エリーゼ、綺麗だ、凄く気持ちいい、俺の手にもおさまりがよくて・」
「あぁ・・ドラガル様、熱いです。熱い」
「あぁ、なんて触り心地がいいんだ」
そう言うと乳頭にも直接触れてきた。
「あぁっ、そこはいや」
「どうしていやなんだ」
「だって苦しくなるから・・」
「どこが」
「むねが・・」
すると今度はかすめるように触れるのではなく小さな乳頭を軽く摘まんだ。
「いやーあぁ・・」
「あぁエリーゼ、たまらない。もっとしてもいいだろうか」
ドラガル様はやや顔を赤らめながら私に聞いてきた。私はもうどうなっているか分からなかったため何も考えず頷いた。するとドラガル様は私の方を見つめながら・・私の乳房に付いている小さな乳頭を口に含んだ。
「きゃぁ・・あぁん」
私は体をのけ反らせながらその衝撃を受け止めた。ドラガル様はそれでも止めてくれず右手で乳頭にかすめるように触れながら口で反対側の乳頭を飴玉を舐めるかのように舐めては吸い付くを繰り返した。
「あぁ・・・・んっ、い・・いや・・・あぁ・・」
その後も交互に乳頭を口淫し休むことなく私を責め続けた。私が苦しくなり荒い息をしながらドラガル様を見上げていると今度はドラガル様の手が私の太ももに触れてきた。私はそこで我に返り、急いでその手を両手で掴むと
「ドラガル様、もうこれ以上は体がもちません」
とやや涙目で言った。すると
「早急すぎたな、エリーゼ悪かった」
と言って体を起こすと私の夜着を直し軽く口づけた。その後
「ちょっと、外の風に当たってくる」
と言うとベランダの外へと出て行った。私は急いで起き上がると立ち上がった。その時股に滑るような違和感があり急いで夜着の上にガウンを羽織るとトイレへと向かった。それは出血ではなく透明な液だった。私は訳が分からなかったが出血ではなかったことに安堵し部屋へと戻った。するとドラガル様がデザートの準備をして待って居てくれた。
「エリーゼ、どこへ行っていたんだ」
「ちょっと、トイレに・・」
「そうか、デザートを持ってきたから一緒に食べないか。夕食は婚約祝いで盛大にしてくれるらしいからあまり多くは食べられないが」
「ありがとうございます。今日のデザートは何ですか」
「今日はイチゴのミルフィーユだそうだ」
そう言われテーブルに並んでいるデザートを見た。そうして、いつ来ても美味しそうなものばかり作ってくれるみんなに感謝しながらいただいた。今日はドラガル様も一緒に食べていた。ドラガル様が食べている姿を見ているとどうしても先程私の乳頭を咥えていた口に視線が行ってしまう。見ないようにしようと心がけていると今度は乳房に触れていた手に視線が行き、どうしても顔に熱が溜まってしまう。そうして一人挙動不審になっていると急にドラガル様が私を抱き締めた。
「エリーゼ、大丈夫だから少しずつ慣らしていこう」
と言ってくれた。私はその言葉が嬉しく
「はい」
と頷いた。ドラガル様は体を私から離すと
「ところでエリーゼ、既成事実については勉強したんだったなぁ。それ以外は何か勉強したのか」
と尋ねてきた。私は正直に
「実はここへ来ることが決まってから屋敷に戻って色々侍女のソフィアに教えてもらっていたんです。でも・・」
「どうしたんだ」
「こんなことをするなんて聞いてなかったので・・驚いてしまって・・」
「侍女からはなんて聞いていたんだ」
「全てドラガル様に任せたらいいと。ドラガル様の望まれるようにしていればいい、そして拒否はするなとも言われたので・・頑張って耐えたのですがドラガル様の手が太ももに触れた時・・耐えられなくなって・・すみませんでした」
と俯きながら言った。すると
「そんなに急ぐことはないから少しずつ慣れていこう。大丈夫だみんな出来ていることだから」
と言ってくれた。私はその言葉が嬉しく元気を取り戻すとミルフィーユを頬張った。
「それにしてもさっきの夜着は凄かったなぁ。どうしたんだ」
とドラガル様は夜着について問い掛けてきた。私は驚きのあまりミルフィーユを吐きだしそうになったがなんとか耐え
「あれはソフィアが一緒に選んでくれて・・」
と返答した。するとさらに問われ
「じゃあ、他にも持っているのか」
「はい、一応」
と返答すると
「夕食後に是非見たいのだが」
とドラガル様は言った。私は恥ずかしかったがドラガル様が見たいのであればドラガル様に見せるために購入したものだったので見せてもいいかと思い頷いた。何も考えずに・・
その後、明日はどこへ行こうかなど相談をした。明日は天気がいいので昼ご飯を持って歩いて湖へピクニックに行くことにした。そうして話しているといつの間にか夕食の時間になっていた。私たちは着替えると一緒にダイニングへと向かった。ダイニングの扉を開けると中にはみんなが集まっていて口々に
「ご婚約おめでとうございます」
と言ってくれた。そうしてやはりハンカチで涙を拭っているのだ。マルクは酷いもので
「坊ちゃま、本当に良かったです。こんな綺麗で優しいご令嬢がお相手で・・マルクは嬉しくて嬉しくて・・あぁ」
と鼻水まで啜っている状態だった。また、しばらくみんなが泣き止むのを待ってからみんな一緒に席についた。テーブルには驚くばかりの料理が並んでいた。一皿に盛ってあるものやオードブル形式にしてあるものなど種類も多かったが彩りが華やかだった。所々に綺麗な花がいくつも飾ってあったのだ。食事をしながらどういった経緯で婚約に至ったのか、いつ結婚式になるのかなど色々な質問があったがそれら全てにドラガル様は丁寧に返答していた。その姿とを見ていると幸せそうに見え羨ましくなった。私がそう思いながら見つめていると今度は私への質問が始まった。どうも今までは遠慮していたみたいで・・私の仕事や家族、趣味や好きな食べ物までドラガル様への質問同様多くの事を尋ねられた。私は質問されたことが嬉しくドラガル様と同じように丁寧に返答した。そうしている間に夕食は終了となった。デザートもあるみたいだったが部屋に運ぶと言われたのでマルクに言われるまま私が使用している部屋で待った。するとエマとケイトがカートを押してやってくるとテーブルにデザートと紅茶を準備してくれた。そうして壁にかかっているカーテンに寄って行った。ドラガル様が
「あんなところにカーテンなんてあったかなぁ」
と不思議そうに見ていた。私も今まで気づかなかったなぁと思っているとエマがカーテンを開けるとそこにはドアがあり
「ジャジャーン」
と言ってマルクがそこから飛び出してきた。私が驚いていると
「マルク・・・」
とドラガル様が額を押さえながら俯いていた。そうしてエマは申し訳なさそうに俯いていた。私はこの場を何とかするのは私の役目だと思い
「マルクさん、その扉はどこに繋がっているんですか」
と近寄りながら尋ねた。すると
「坊ちゃまの部屋です」
と返答があったのだ。私はドアの前で立ち止まってしまった。
「マルクー!誰が改装したんだ」
「えーと、業者に頼みました。予算は大丈夫です。ここの使用人で準備をしたので」
とマルクさんは笑顔で返答した。それを聞いたドラガル様は
「そうか、みんなにありがとうと伝えておいてくれ」
と笑顔で言った。私もみんなの気持ちが嬉しかったので
「私もお礼を言っていたとみなさんに伝えておいてください」
と笑顔で言った。三人はそれを聞いて笑顔で部屋から出て行った。
「エリーゼ、すまない。決して悪気はないのだ」
とドラガル様は私に謝ってきた。私はドラガル様の横に座ると
「謝らないでください。みんな私たちの事を考えてしてくれたことですし、本当に嬉しいんです。だってベランダに行かなくてもこれからはドラガル様に会えるんですよ」
と笑顔で言った。そうして私たちは準備してもらったデザートを食べることにした。デザートは小さなカップに入ったチョコレートケーキだった。私が頬張っていると急にドラガル様が
「ところでエリーゼ、いつ夜着を見せてくれるんだ」
と言ってきた。私はまた吹き出しそうになるのを耐え
「じゃあ、デザートを食べ終わったらで」
と返答した。するとドラガル様は嬉しそうにデザートを頬張っていた。そんなに見るのが楽しいのだろうかと思ったがドラガル様のために選んだものだったのでまぁいいかと思いデザートを頬張った。デザートが終わったので私は鞄の中から夜着を持ってきてソファーの上に並べた。黒色のさっき身につけていた前に大きなリボンが付いているもの、赤色で前にはフリルがたくさんついていた背中にいくつもボタンが付いているもの、白色で胸を隠す布は付いているがお腹を隠す生地はなく後ろがひだのようになっているものだった。ドラガル様は夜着に触れながら
「凄いなぁ、こんなに薄いのか。さっき布の上から触っても肌に触れているように感じたのはこのせいか。それにこの仕掛けも凄いな。リボンをほどくと前が自然にはだけるのか。どうしてこれはこんなにボタンがあるんだ」
と手で触れながら言っていた。私はそれを横で赤くなりながら聞いていた。すると急にドラガル様は私の方を向くと
「エリーゼ、お願いがあるのだが・・」
と言ってきたのだ。私は嫌な予感はしたが
「何ですか」
と尋ねてみた。するとドラガル様は赤色の夜着を手に取ると
「ちょっと、着てみてくれないか」
と言ってきたのだ。私はやっぱり・・と思ったが心なしか目を輝かしているドラガル様を見ていると断れず・・
「じゃあ、軽く湯あみをしてから着てもいいですか」
と返答した。するとドラガル様は嬉しそうに
「待っている」
と言うと他の夜着を見ながら何か考えていた。私はドラガル様から夜着を受け取ると湯あみのため場所を移動した。湯あみをしながらこの後の展開を考えた。「これってまずくないかしら・・今は夜だしデザートも食べ終わったし後は寝るだけだから、昼間の続きになるわよね、あぁどうしよう」しかし、今の状況から逃げる手段はなく・・「もう、婚約したのだから覚悟を決めないと」と自分を振るい立たせ夜着を着ると上にガウンを羽織ってドラガル様の元へと戻った。
「お待たせしました」
私は顔に熱が溜まるのを感じながらドラガル様が座るソファーの横に立った。するとドラガル様は立ち上がり私のガウンに手を掛けた。私は勇気を振り絞り
「ドラガル様、やっぱり恥ずかしいので部屋の明かりを暗くしてもらえないでしょうか」
と言った。するとドラガル様は何も言わず部屋の明かりをお互いの顔が確認できる程度にまで落としてくれた。そうして
「エリーゼ、いいだろうか」
と言って私のガウンに手をかけてきた。私は
「あのー、申し訳ないのですが後ろのボタンが全部は留められなくて、できれば留めていただきたいのですが・・」
と言って後ろを向いた。するとドラガル様はガウンをずらすとボタンを留めて私を自分の正面に向かせた。そうしてガウンの前を外すとガウンを床へと落とした。私は恥ずかしく身を捩りながらドラガル様の視線を一身に受けた。
「エリーゼ、これは興奮する」
ドラガル様はそう言うと私に口づけてきた。私は私を見て興奮しているドラガル様が嬉しく口づけに応え続けた。そうしているうちに徐々に私の体温は上がっていくのを感じた。ドラガル様は口づけをしながら両手で腰のあたりに触れていたがその手は徐々に下がり私のお尻へと触れてきた。私は何とも言えない高揚感に包まれ思わず
「ドラガル様」
と口づけの合間に呟いた。するとドラガル様は少し私から距離を取ると
「エリーゼ、頼むから目を開けたままでいてくれ」
と言い、私の事を見つめながら今度は両手で乳房に触れてきた。直接ではなかったが生地が薄いせいかドラガル様の手の熱を強く感じた。そうして両方の乳房を捏ねるように触れながら時々乳頭をかすめるように触れるのだ。
「・・あぁっ・・あぁっ」
「エリーゼ、たまらない」
ドラガル様はそう言うと私を見つめながら今度は身を屈めると夜着の上から乳頭を口にくわえた。
「あぁー、ドラガル様、熱い、いや・・」
そうして口に含むと飴玉を舐めるかのように口に中で転がし反対側の手では乳頭を捏ねたり摘まんだりを繰り返すのだ。
「あぁ、だめです。苦しい・・あぁ・・はぁ」
私がだんだん下肢に力が入らず膝を小刻みに揺らしているとドラガル様が私を抱き上げると寝台へと運んだ。そうして大事そうに私を寝台に寝かせると着ていたシャツを脱いだのだ。私は初めて見るドラガル様の裸に釘付けになった。やはり騎士なのである。胸には均等よく筋肉が付いていてお腹も私とは違い引き締まりいくつにも割れているのだ。そして所々に傷がありその傷がさらに男らしさを強調していたのだ。私は見ているとどうしても触れたくなり無意識にドラガル様へと片手を伸ばしていた。するとその手を取りドラガル様が自分の胸へと触れさせた。私は嬉しくなり鎖骨のあたりから触れ、胸・お腹へと手を動かしていった。ドラガル様の体は私の体とは違い固く温かかった。私はもっとドラガル様に触れたくなり両手をドラガル様に伸ばした。するとドラガル様は体を屈めると私に口づけてきた。そうして
「エリーゼ、もっと触れてもいいだろうか」
と問い掛けてきた。私は笑顔で頷いた。するとドラガル様は微笑むと私に覆いかぶさりながら口づけ体に触れてきた。今度は夜着の中に手を入れて・・直接触れたドラガル様の手はやはり熱く私の体温はそれに釣られるように上がっていった。
「ドラガル様、熱いです」
私がそう言うと私を起こすと首の後ろに手を回して後ろのボタンを外しだした。しかし、思い通りにボタンを外すことができず
「あぁ、さっき留めなければよかった・・こういう仕掛けなのか・・これはかなり焦らされるなぁ」
と呟きながら背中のボタンと格闘していた。私は俯きながら静かに待った。ドラガル様が後ろに手を回しているのでドラガル様の体が時々私の胸の先端に触れるのだ・・私は耐えていたがふいに声が漏れてしまった。
「あぁっ」
私が急に声を出したのでドラガル様は手を止め私の顔を覗き込んできた。そうして私の顔を見ると
「くそー」
と呟くと再びボタンとの格闘を再開した。そして何とかボタンを外し終えると私の夜着をずらすと私を座らした状態で自分は下へとずれて乳頭を口に含んだ。
「あぁっードラガル様、いきなりは駄目ですー」
私がそう言うと私の顔を見上げながら舌先で乳頭を舐めるのだ。私はその光景がひどく卑猥に感じ目を逸らそうとした。すると
「エリーゼ、目を逸らしては駄目だ」
と言われた。私は苦しかったがそのままドラガル様が私の乳頭を口淫する姿を見続けた。
「あぁっードラガル様、もう駄目ですーあぁあぁ」
私がそう言うとドラガル様は私を横にして自分は添い寝をするかのように横になった。私が終わったのかと安堵していると今度はドラガル様の左手が私の太ももに触れてきたのだ。
「エリーゼ、この先に進んでもいいか」
私の気持ちは限界だったが・・静かに頷いた。その手は私の太ももを右へ左上へ下へと縦横無尽に動き回った。私はその手の動きに合わすかのように体が揺れていることに気が付いていなかった。そうして触れながら口で乳頭を愛撫してくるのだ。
「あぁっー、あぁーくすぐったいです」
私がそう言うとドラガル様が私を見つめながら
「エリーゼ、気持ちいいの間違いだろう」
と言ってきたのだ。私はその言葉を聞いた直後、ドラガル様の手を異常に意識してしまいそれまで感じたことがない体の奥から込上げてくるような何とも言えない気持ちになってしまった。そうしてドラガル様の手が下着の上から私の秘所に触れてきたのだ。
「ドラガル様、駄目です。そこは汚いですから・・あぁー」
「エリーゼのここが汚いはずがないだろう」
ドラガル様はそう言うと一本の指で秘所の中央をゆっくりと撫でるかのように上下させた。
「あぁーだめー」
私がそう言っても聞いてくれず・・その行為は続いた。そうして私が触れられることに耐えていると今度は秘所の一カ所を指先でやや強めに刺激してきたのだ。
「きゃぁっ、だめーあぁああぁぁー」
私はあまりに強い刺激に耐えられず喘ぐように上を向きながら両手で顔を覆い、頭を左右に振った。するとドラガル様が私の両手を自分の首へと掛けさせた。
「エリーゼ、俺の方を見て・・今触っているのは俺だから・・自然に任せてそのままを受け入れるんだ」
と言った。私は訳が分からなかったが体の奥から込上げてくるような気分に身を投じることにした。すると何ともいえない浮遊感が体の中から沸き起こってきた。
「あぁだめ、ドラガル様、おかしいの、なんかどこかへいっちゃうーあぁー」
「エリーゼ」
ドラガル様は私の名前を呼ぶと一層強く刺激した。
「あぁあぁあぁーー」
私は声を上げながら大きく背中を逸らすと自然に体がビクつき、その後一気に全身の力が抜けるのを感じた。私の両手はドラガル様から離れ寝台へと落ちた。私が胸を上下させるぐらい息を荒げながら横たわっていると
「エリーゼ、凄くよかった。俺の手でいってくれたんだな」
と言うと優しく口づけ抱き締めてくれた。私は何がなんだかさっぱり分からなかったがドラガル様が喜んでくれているが嬉しかった。
「ドラガル様に喜んでいただけて良かったです」
と笑顔で言った。するとドラガル様が
「エリーゼ、もう終わりにしようか」
と言ったのだ。私はその言葉を聞いて・・
「えっ、これで終わりじゃないんですか」
とドラガル様に問い掛けた。すると
「まだ、始まっていないに等しいのだが・・」
と言ってきたのだ。
「嘘」
私は驚きのあまり呟いた。
「今、エリーゼは快感を味わい絶頂を極めた。それは前段階というか、そのあとの行為をやりやすくするための行為なんだが・・」
私はその説明を聞いて驚きのあまり起き上がった。すると・・また股に滑るような感じがあった。私が
「あっ」
と声を上げ股を擦り合わせる動作をしたのをドラガル様は見て
「エリーゼの準備が整いつつあるって証拠だよ。その違和感は」
と言った。
「出血ではないのですか」
「違う、愛液だよ」
「愛液?」
「エリーゼが気持ちいいと体の中から溢れ出てくるんだ。愛液が潤滑油のかわりになりその後の行為をしやすくするんだ。だから多く出る方がいい」
「どうしたら、いっぱい出るんですか」
「エリーゼが俺の行為に感じてくれればいい」
そう言うとドラガル様は私の頬に口づけてきた。
「エリーゼが許してくれるのならもう少しエリーゼに触れたいのだが・・」
ドラガル様にそう言われると拒否できず私は頷いてしまった。するとドラガル様は座っている私の後ろに回ると足を広げて座り私を自分の股の間に座らせる形にした。そうして後ろから抱き締めるようにしながら右手を私の下着の中へとゆっくり入れていったのだ。そして先程触れていた場所よりさらに下の場所まで手を入れると一本の指でそこに触れた。
「あぁー」
私は触れられた瞬間、おなかの奥に熱が溜まるような感じを受けた。ドラガル様の指はなおも動き続けそこを上下にこすりだした。すると徐々に動きは滑らかとなりくちゅくちゅと音が聞こえだしたのだ。私は必死になって声を押し殺していたがその光景は卑猥すぎて耐えられず目を閉じた。すると開けている時以上に指を意識してしまい、さらに声を押さえるのが辛くなった。
「エリーゼ、できれば声は堪えずに出してもらった方が嬉しいしできれば目は開けていてほしい。誰に今触れて感じているかを」
ドラガル様はそう言うと振り向いた私に口づけてきた。そうして自分の手が入っている私の秘所へと視線を移した。私も釣られるように視線を移した途端、ドラガル様がさらに強くその場所を円を描くかのように触りだしたのだ。
「あぁだめーあぁあぁー」
そうしてどこかに指を軽く差し込んだ。
「あぁーいやー怖い」
私がそう言うと指は止まりと
「エリーゼ、ここに俺を受け入れるんだ。エリーゼの蜜壺は準備が整いつつある。後は俺のを受け入れることができるようここを広げればいい」
とドラガル様は耳元で囁くと蜜壺から指を引き抜いた。そうして秘所に軽く触れると下着の中から手を出して私の目の前で広げて見せた。
「これがエリーゼの愛液だ」
ドラガル様の指には透明な液が纏わりついていた。
「こんなにたくさん愛液をだしてくれて嬉しいよ」
ドラガル様はそう言うと私に口づけ
「ちょっと、トイレに行ってくる」
と言って足早に自室へと戻って行った。私はしばらく放心状態で天井を見上げていたがドラガル様が喜んでくれていたため問題はなかっただろうと思い起きて夜着を整えた。しかし下着が濡れていたので私も急いでトイレへと行った。トイレから戻ると寝台に入りドラガル様を待った。すると急に眠気が襲ってきていつの間にか眠ってしまっていた。気付くとドラガル様が私を抱えるようにして眠っていた。残念なことに上半身にはシャツを着ていた。私はさっきドラガル様と肌を合わせたのが気持ちよかったので少し残念に思いながらドラガル様の胸元に顔を埋め再度眠りについた。
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