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傭兵ギルド
第76話「変化」
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青々とした空に高く積みあがっている雲。
小さな小さな魔物が活発に活動し、植物が意気揚々と茂っている。
訓練場では屈強な男どもが汗を流しながら戦いに向けて鍛錬をしている。
そんな中、私たち新人は緊張した様子で目の前の大きく壁に張り出された掲示板を見ている。
時間になり掲示板が表面へとひっくり返され、みんなが一斉に自身の所属先を見始める。
騒ぎはすぐ収まった。
自身の所属を見つけたのではない。上位三名の所属先が異質なものであったためである。
『ユウシャ・ヴァド・アス 一位
所属先 第13傭兵団 』
最終試験において一位を取ったのにも関わらず、三人は全員あの13傭兵団の所属を希望した。
一位が三人いることが異例なのに加え、13傭兵団を第一希望に出すものが出たことも稀に見ない出来事であり訓練生のみんなは驚きを隠せなかった。
「ええ?ユウシャとヴァド僕と同じところなの?」
私は強制的に13傭兵団だったためどうしようもないが、他の二人は一番人気のある第1傭兵団に所属することが出来たはずである。しかし二人は予想に反し13傭兵団へ入団していた。
「俺は正直どこでもよかったんだよなー。まあ、アスとユウシャさえいればいいかなって。」
「ヴァドが俺を誘ってきたからそうした。俺もどこでもよかったしな。」
ぼりぼりとほおを掻くヴァドと、心底どうでもいいのかさっさと新たな所属先で生活するために配布される日用品などを取りに行こうとするユウシャ。
そんなお手軽に決めていいことだったっけ?と思いつつ、本人たちが後悔してなさそうなのでほおっておくことにした。
ここの傭兵ギルドは寮生と外部生で生活する場所がちがう。
名前の通り寮生はギルドが管理する寮があり、そこで衣食住ともにしながら生活していく。
外部生は外に住む場所があり、通いでギルドで働いている。
寮生は定員が決まっており最終試験い合格した上位の者から選ぶ権利を与えられている。
私はもちろん生活する場所がないため寮生活。ヴァドとユウシャも同じく寮生を選んだみたいだった。
寮生は生活に必要なものが支給されるなど手厚い補助が約束されている。
しかし個室など贅沢なものはなく、風呂やトイレ就寝場所などは全て一緒であるため快適な生活とは言い切れない。
今回の最終試験合格者は30名。そのほとんどはゲルド教官出身者が多く顔見知りが多い。
一部屋15名なので上位組と下位組で分けられている。
さて、同室の者たちと顔合わせをしたが、予想斜め上の扱いをされてビビっている。
「お疲れ様です。若様。」
「あの、あの、尊敬してます!頑張ってください!」
「よう!見直したぜ愚図!いやアスだったな!」
なんとまあ、久々に見たワトさん筆頭に一部の人からは歓迎モードでありました。
普通腫れもの扱いされるか、恨み嫉妬を向けられると思ったが全くと言っていいほどそんな雰囲気を感じない。
後々分かったことだが、もう訓練中から私たち三人は異質な強さであり皆はもう恨み嫉妬のレベルは超えて、尊敬の念を後半向けていたらしい。また私を筆頭に例年とは違い、力の差があるはずなのに皆を対等な同級生として接し一喜一憂していたため恨むに恨めなかったらしい。少なくともともに戦ってきたゲルド教官出身の人たちは心優しく私たちを迎え入れてくれた。
「なんかゲルド教官って一番新人を落とす人だったんでしょ?なんでこんなに出身者が多いわけ?」
「さあな。だがあの訓練に耐えきれた人たちだからあの最終試験も無事クリアするだろう。」
ユウシャはさも当然のように言ってのける。
なんか雰囲気が変わったように感じた。今までどこか人を馬鹿にするような様子があったが今の彼には微塵も感じない。相変わらず皮肉屋の腹黒皇子だが、初めからひとを見下すようなことはしなくなっている。
心なしかまだ幼さの残る顔から静けさを持つ落ち着いた顔立ちになり雰囲気が変わった。
「ユウシャ、アス。そろそろ朝礼に向かおうぜ。」
「はーい。」
ヴァドも変わった。あの小学生男子が冷静に物事を判断するように動き、朝礼など絶対に行きたくないと駄々をこねるような人だったのが・・・。
最終試験中も思ったが本当に一番成長したなと感じる。時々見せる何かを覚悟したような表情が気になるが、今はまだ聞き出さないようにしておこう。
私含め皆新生活が待っているのだ。色々と心情に波が来る時期だから無理もない。
のちに彼が何を決心したのかを知ることになる。
小さな小さな魔物が活発に活動し、植物が意気揚々と茂っている。
訓練場では屈強な男どもが汗を流しながら戦いに向けて鍛錬をしている。
そんな中、私たち新人は緊張した様子で目の前の大きく壁に張り出された掲示板を見ている。
時間になり掲示板が表面へとひっくり返され、みんなが一斉に自身の所属先を見始める。
騒ぎはすぐ収まった。
自身の所属を見つけたのではない。上位三名の所属先が異質なものであったためである。
『ユウシャ・ヴァド・アス 一位
所属先 第13傭兵団 』
最終試験において一位を取ったのにも関わらず、三人は全員あの13傭兵団の所属を希望した。
一位が三人いることが異例なのに加え、13傭兵団を第一希望に出すものが出たことも稀に見ない出来事であり訓練生のみんなは驚きを隠せなかった。
「ええ?ユウシャとヴァド僕と同じところなの?」
私は強制的に13傭兵団だったためどうしようもないが、他の二人は一番人気のある第1傭兵団に所属することが出来たはずである。しかし二人は予想に反し13傭兵団へ入団していた。
「俺は正直どこでもよかったんだよなー。まあ、アスとユウシャさえいればいいかなって。」
「ヴァドが俺を誘ってきたからそうした。俺もどこでもよかったしな。」
ぼりぼりとほおを掻くヴァドと、心底どうでもいいのかさっさと新たな所属先で生活するために配布される日用品などを取りに行こうとするユウシャ。
そんなお手軽に決めていいことだったっけ?と思いつつ、本人たちが後悔してなさそうなのでほおっておくことにした。
ここの傭兵ギルドは寮生と外部生で生活する場所がちがう。
名前の通り寮生はギルドが管理する寮があり、そこで衣食住ともにしながら生活していく。
外部生は外に住む場所があり、通いでギルドで働いている。
寮生は定員が決まっており最終試験い合格した上位の者から選ぶ権利を与えられている。
私はもちろん生活する場所がないため寮生活。ヴァドとユウシャも同じく寮生を選んだみたいだった。
寮生は生活に必要なものが支給されるなど手厚い補助が約束されている。
しかし個室など贅沢なものはなく、風呂やトイレ就寝場所などは全て一緒であるため快適な生活とは言い切れない。
今回の最終試験合格者は30名。そのほとんどはゲルド教官出身者が多く顔見知りが多い。
一部屋15名なので上位組と下位組で分けられている。
さて、同室の者たちと顔合わせをしたが、予想斜め上の扱いをされてビビっている。
「お疲れ様です。若様。」
「あの、あの、尊敬してます!頑張ってください!」
「よう!見直したぜ愚図!いやアスだったな!」
なんとまあ、久々に見たワトさん筆頭に一部の人からは歓迎モードでありました。
普通腫れもの扱いされるか、恨み嫉妬を向けられると思ったが全くと言っていいほどそんな雰囲気を感じない。
後々分かったことだが、もう訓練中から私たち三人は異質な強さであり皆はもう恨み嫉妬のレベルは超えて、尊敬の念を後半向けていたらしい。また私を筆頭に例年とは違い、力の差があるはずなのに皆を対等な同級生として接し一喜一憂していたため恨むに恨めなかったらしい。少なくともともに戦ってきたゲルド教官出身の人たちは心優しく私たちを迎え入れてくれた。
「なんかゲルド教官って一番新人を落とす人だったんでしょ?なんでこんなに出身者が多いわけ?」
「さあな。だがあの訓練に耐えきれた人たちだからあの最終試験も無事クリアするだろう。」
ユウシャはさも当然のように言ってのける。
なんか雰囲気が変わったように感じた。今までどこか人を馬鹿にするような様子があったが今の彼には微塵も感じない。相変わらず皮肉屋の腹黒皇子だが、初めからひとを見下すようなことはしなくなっている。
心なしかまだ幼さの残る顔から静けさを持つ落ち着いた顔立ちになり雰囲気が変わった。
「ユウシャ、アス。そろそろ朝礼に向かおうぜ。」
「はーい。」
ヴァドも変わった。あの小学生男子が冷静に物事を判断するように動き、朝礼など絶対に行きたくないと駄々をこねるような人だったのが・・・。
最終試験中も思ったが本当に一番成長したなと感じる。時々見せる何かを覚悟したような表情が気になるが、今はまだ聞き出さないようにしておこう。
私含め皆新生活が待っているのだ。色々と心情に波が来る時期だから無理もない。
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