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第5章「新人傭兵」
第75話「最終試験9」
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「説明しろてめえら。これは最終試験だ。辞退もできたはずだ。誰がこんな大事件にしろと命令した。」
「「「・・・。」」」
各傭兵隊長が集まる中央会議の真ん中で帆織り出された訓練兵三人。
今回の蒼の事件の中心核となった三人、アス・ユウシャ・ヴァドである。事件翌日の早朝ろくな治療も施されず無理やり起こされ、並ばされている。
「答えろ。」
「・・・諦めたくなかったからです。」
「あ?」
ようやく口を開いたのはアスであった。
「全て、僕のせいです。二人を僕のわがままに付き合わせてしまった。」
「ちげっ!」
「うるせえ。こいつ以外は黙れ。・・・続けろ。」
青筋を立てて静かに命令したバロウ団長。
彼の弟子がしでかしたことだとお叱りを受けた彼はひどく不機嫌であった。
「僕はここしか帰れる場所がない。故郷としようとしているところを守りたかっただけです!」
疲れ果ててた彼女は思ったことすべてが口から出てしまった。
「だから、辞退できなかった。辞退したらギルドの存続を危機にさらすような秘密が盗まれちゃうんでしょ?」
「・・・・。」
次第にバロウ団長はにやけ始め、ついには大声で笑い始めた。
片手で目を覆い隠し大きく首をのけぞり、想像できないほど高らかに笑った。
なぜ笑われているのか分からない。
しかし幹部たちは知っているのか沈黙を守っている。
「おいおい、さすがに新人にギルドで重要な役目を背負わせるほど腐っちゃいねえよ!おい出てこい!」
ぱちんと指を鳴らした彼の背後から例の精鋭騎士団長が出てきた。
「まったく。貴方方には肝を冷やした。もう少しでやめるところではあったがまだやり足りていない仕事があったのに・・・。」
「「「はあ??」」」
物陰から颯爽と姿を現したのは昨日命を掛けてまで戦っていたジン騎士団長であった。
「なんで敵がいんだよ!」
「こいつはもともと味方だ。潜入捜査してもらっていたのさ。長年のお勤めご苦労。」
「いえ。貴方様のお役に立てたなら光栄です。しかし予想以上の反撃を食らいつい少々向きになってしまいました。申し訳ございません。」
「まさか僕たち、味方を殺しちゃった?」
「いや。味方はこいつだけだ。他の部下は全員敵だ。五年間潜入捜査をしてもらい団長まで成り上がってもらっていた。ほとんどの仕事は終わっていたから追加任務として最終試験に出てもらった。情報をわざとてめーらに渡して辞退するつもりだったがまさかこのような形で終わるとはな。」
「不覚にも・・・。」
まさか命を張る必要がなかったとは・・・。
完全に三人は意気消沈していた。ならなぜあんなに殺す勢いで襲ってきたのか。意味が分からなかった。
でも確かに私が帰りたいと言い放った瞬間躊躇した様子が見られたのは同じギルドに所属していたためなのかもしれない。
「ククっ、そうか帰る場所なのかここは。」
いつの間にか三人の目の前に立ったバロウ団長はユウシャとヴァドの頭に手を置いた。
覚えているだろうか。バロウ団長の治療は荒業。あまりの激痛に二人は防衛反応なのか意識を失い倒れこんだ。
「あっ、、やめて、僕は大丈夫です。全然ケガしてません!」
「一番の重傷者が何をいう。」
顎をつかまれ無理やり顔を突き合わされる。
「気に入った。正式に俺の弟子にしてやる。ようこそ、俺の第13傭兵団へ。」
彼女の体に治療魔法が駆け巡る。
内側から外側へ熱が放出されるような感覚に襲われる。
「カヒュ・・・・っ!」
「・・・おいまさかてめえ、」
「あ、ああ、・・・い、やっ。」
彼女の最後の記憶は異様に焦った団長の表情であった。
________________________
月明かりに照らされた夜道。
トラックに身を預け、鼻をすする。冬の寒さで肌が赤くなり、何度も指先に熱を伝えようと息を吹きかける。
「・・・今日も連れて行ってくれないんですか?」
サイドミラーに映る男は私の声掛けに反応を示さないまま、煙草の煙を吐き出す。
出会った時から寡黙な人だった。
必要以上しゃべらず、手も出さない。
最近毎日この男が乗るトラックを見つけては挨拶をし、しばらく一人語りする。
この風景は、、、そうだ、きっと前世の記憶だ。シオンによって人生を狂わされる前の。
両親はろくでもない人たちであった。特に私に興味を示さずパチンコの近くの公園に朝早く連れて行ったあとは夜遅くまでそこで時間をつぶさなくてはならない。
いつも暗くなる時間帯になると遊んでくれる人はいなくなる。何度も警察に補導され両親が呼び出され叱られているが、その時になってようやく両親は私に関心を向け手を出してくる。
体が成長していくにつれて夜公園にいると変な人が声をかけてくるようになった。
襲い掛かれそうなとき、救ってくれたのが紫苑であった。
まだ中学二年だった私を優しく抱きしめ、家に招き入れご飯をおごってくれるようになったのはそのころだった。
当時の私はまだ善悪がつかずただ彼は優しい人だと信じ切っていた。
そして中学三年生の頃、珍しく紫苑が迎えに来なかった日トラック運転手の彼に出会った。
大型のトラックは遠いところから私の家の近くの倉庫まで運ぶトラックであり、長時間運転しなければならない過酷な労働化で働いている運転手。
それからは毎日同じ時間帯になると彼はトラックの窓から腕を出し煙を吹かすようになった。特に互いの存在を意識するようなことはなく数か月たった。
そのころから私の家は誰もいなくなっており、両親はそれぞれ別の恋人を作り家を出ていった。私は高校にも行けず中学を卒業したあとの就職先を探していた時期だった。段々と紫苑の異質さに気づき始める。
彼は家に住み着くようになり自身の経営する会社の窓口に就職しないかと頻繁に言い寄ってくるようになってきた。自身の着る服も光熱費も彼が勝手に負担するようになり、勝手だとは言え実際助かっている場面もあるため離れられない。
ほおっておいたことが彼の行動を助長させてしまったのか、友達関係すらも彼が管理するようになり、段々と友達との連絡がなくなってしまった。育てていた動物もいつの間にか消えている。
彼の仕業だと直感的に分かっていた。全てを監視されるようになり、彼の機嫌を損ねないよう自身を押し殺しいい子になる日常。
そんな日常に耐えれなくなりついとある日にトラックの運転手にしゃべりかけてしまう。
どこか遠くへ連れて行って。
うつろだがどこか凄みのあるまなざしを私に向けたあと、失笑しながら断られた。
何夢見てんだ、ガキ。
そこから奇妙な関係が始まり、紫苑の目を盗んではトラック運転手の元へ駆け寄りこうして一人語りをしているのだった。
ただサイドミラー越しに見える彼の眼はいつも伏しているが、私が泣き出すと決まってこっそりのぞき込んでいるのを当時の私は知っており、そのたびにうれしくなっていた。
自身の人生で唯一何も言わず、じっと自分の話を聞いてくれる。
ろくに彼の事を知らないくせに勝手に好意を抱いてしまい、彼の行動や言動に一喜一憂するようになっていった。
とある日、紫苑にトラック運転手のことがバレ、ひどく怒られた。
それ以降外に出ることが難しくなり監禁状態となってしまった。
久々に外に出れたのは紫苑が買い物行くときに必死に甘えるふりをして鍵を閉めるのを辞めさせたときであった。この機会を作るために数週間彼に恋をした振りをし、彼の期待に応えられるよう働いた。
さっそうと牢獄から抜け出しいつものトラック運転手がいた元へ向かう。
いない。
一世一代の勇気を振り絞り、失敗したらきっと一生外に出られないと分かっていたため絶望にシズム。
「おい、ガキ。お前しばらくどこへっ・・・」
聞きなれた声に理性は飛び彼に思いっきり抱き着きキスをする。
ひどく驚いたのか彼の手に持っていた缶コーヒーが地面に転がる。とっさに私の体を引き寄せバランスを取った。
「っねえ、お願い。私を連れてって。」
いつもの調子ではなく切羽詰まった私の声と、長い監禁状態だったため手足の筋肉が衰え痩せてしまった私の姿を見て察した彼は、初めてトラックの横に乗せてくれる。
其のまま無言でエンジンを回し走り始めた。
見慣れた街並みが後ろに流れていく。解放はされていないはずなのに、彼が隣にいて一緒に逃亡してくれている。そんあ錯覚に襲われるほど私は疲れ切っていた。
「おじさん、有難う。突然ごめんね、あのね。」
状況を説明しようとしたがいきなり目の間が暗くなり、煙草とミントの香りがした。
彼の作業服の上着をかぶせられたと気づいたのは数十秒だった。
「もう何もしゃべらなくていい。寝ていろ。」
コートの隙間から見えた彼の横顔。そこには初めて見る慈愛に満ちた表情。
人生で初めて安心する場所を見つけ、眠りについたんだ。
でも、顔がはっきり思いだせない。彼の目線はこんなに覚えているのに、、、。
あと少し、あと少しで分かりそうなのに。
_________________________
あれ、ここどこだ?
知らない天井と知らない香り。だかどこか安心する。
うん?なんか隣に温かいものがあるな。
「よう。ガキ。」
「・・・おはようございます。」
やけに聞いたことある声が隣からしてくる。恐る恐る見上げると、上半身をはだけたバロウ団長がニヒルな笑みを浮かべて私を見下ろしていた。
しばらく脳が情報を処理しきれず固まってしまう。
「なんだ、名残惜しいか?俺の寝床は。」
腰に来るバリトンボイスで耳元でささやかれ、思わず彼の目をまじまじ見てしまった。
顔に熱が集まるのを感じる。
「・・・っは。よく今まで野郎どもに襲われなかったなてめえ。」
「襲われっ?ええ?」
今気づいた。私全裸だ。やけに風が当たるなと思ったら何も着ていない。
「あまりにも色気がねえから誰も気づかなかったっつーのもあるな。あのハジメが男って認定しちまったから俺も信じていた。あいつが誤認するなんて珍しい。」
「なんで?なんで裸??」
「覚えてねぇのかよ。、、、昨日の事、思い出させてやろうか?」
よっこいせと私にのしかかってきた。両手の自由が奪われ密着度が高まる。
そして頭の片隅に追いやられていた記憶がよみがえってきてさらに顔に熱が集まり爆発しそうになる。
「お、思い出しました!!ええはっきりと!!」
そうだ。回復魔法とは他の魔法と比べ大量の魔力を流す必要がある。そのため魔力に耐性がない私は魔力過多症になりバロウ団長の魔力が暴走し始めたのだ。
魔力不足症と魔力過多症の症状は似ており、「発情」という形で出てくる。
その症状を治すには魔力を中和させる必要がある。
つまりバロウ団長と魔力を交わすことが必要になるのだ。
どうやって?
「おい、ガキ。・・・そう盛んな落ち着けよ、・・・っ。」
「だ、んちょ。も、と、もっと・・・っん!」
「糞、ったくどうやって今まで無事に生活してきたんだ?おい。」
「もっと、来て?触って?ねえ」
「っ、、、恨むなよ。」
濃厚なキスを何度も繰り返し唾液を交わらせる。
自身の唾液とは違い少し甘い彼の物に夢中になりどんどんと奥へ舌を伸ばす。
とぷんっと彼が前のめりになったかと思った瞬間にはすでに押し倒され、彼の舌が私の物をからめとり口内の奥を蹂躙し始める。形成が逆転したと同時に、私は着ていた衣服を脱ぎすて彼の体にさらに密着する。
「あ?、お前女か?」
「そんなのどうでもいい、いいから早く頂戴?」
「・・・なるほど、な。冷静になった時じっくり聞くとするか。」
ぼそっと呟いた彼の言葉が煩わしくはやく刺激が欲しかったのか私は若干大きくなった彼のモノに触れる。
深くため息をついた団長はずるずると私の体を自身の方に引き寄せ首に噛みついてきた。
発情している中でも自身の甘く響いた喘ぎを覚えている。ようやく与えられた甘美な刺激に喜び体を震わした。
そのあとはお察しの通り。
獣のように交じり合った結果、現在腰が非常に重い感覚がする。
手首や首のあたりに彼に絞められた跡が残り噛まれた痕跡も見える。
「まさかここでギフテッド・チルドレン様とヤれる機会を頂けるとは、、、」
「・・・?」
「その様子だとこの存在の貴重さを分かってねぇな。」
呆れた顔で私を眺める。
さらりと彼の肩から白い髪の毛が落ちた。前世でいう北国特有の顔立ちをし、目は珍しい深翠色で引き込まれる。鍛え上げられた体にはいくつもの斬撃の傷跡が残っており打たれた形跡も見られる。最近できたであろう噛まれたような傷は誰がつけたのか。そこまで考え、思考を放棄する。できれば昨晩の事は闇に穂無理去りたい。
慌てて思考のかなたに飛んで行った自身の意識を目の前の男の話に集中させた。
「ギフテッド・チルドレンは精霊など特別な存在に気に入られる特性は知っているよな?」
「はい。」
「それが世間一般に伝わる情報だ。ただそれだけじゃない。その存在は唾液や血液など魔力の源となるものを他人に分けることで様々な祝福を与えられるとされている。まあ、実際にそれができる奴は伝説上でしか現れないがな。ほぼほぼ神話的な話だ。今現在確認されているギフテッド達は一つの事に秀でていて貴重な存在となり、国の宝物として扱われる。」
あれれ。雲行きが怪しいぞ。その話に乗っかれば私って随分伝説的な存在なのでは??
私の特技めっちゃ当てはまってない?
徐に腰に手をまわされ彼の体へと引き寄せられ密着する形になる。
シラフな状態で素肌を触れ合うなんざ恥ずかしい以外の何物でもない。
分厚い胸板が目の前にきてどぎまぎしてしまう。
「なあ、ガキ。お前ってその神話的存在なんじゃねえか?」
「え?いや、まさか」
腰に回された手に力がこもっていき、苦しくなる。
「今朝から俺の魔力が暴走しそうだ。俺もギフテッドだったからどうにかなっていたものの、もし凡人がお前と交わったら生命が尽きるまで盛り続けるぞ。」
「はあ?」
「なんの理由かわからねえが俺らの性器は特上ものになるようできているらしい。少しでも有能な子孫を残したかったのかもな。」
何の呪いだろうか。
その噂口調からして歴代のギフテッド達の扱いが垣間見えてしまう。国の宝とされるのは保護と名目上しているが生殖のためにしているのではないか。
「寝起きから最悪なこと聞きました。」
「いや、逆に今教えてもらってよかったと思え。少しは自覚を持った方がいい。自身の身は結局自分が一番いたわれる。俺相手にあんな条件を飲み込ませたからには奴隷に成り下がるな。」
「・・・奴隷に成り下がるな。、、、え、僕合格ってことですか?!」
奴隷ではないと彼に遠回しに伝えられたと気づく。
「最終試験お前ら三人はトップで合格だ。あんな糞面倒な事件を起こしたが盗んだデーターは完ぺきだったのに加えあのジンの本気から生き延びれたからな。」
私たちの苦労は決して無駄にならなかったのだ。
目頭が思わず熱くなり指で押さえる。怒涛の一週間に加え最後には命の危機にさらされたのだ。心身ともに疲労がたまっていたせいで涙もろくなってしまう。
「ありがとう、ございます。あの、最後に聞いてもいいですか?どうして私を助けてくれたんですか?」
「あ?」
少しの疑問だった。
だって出会った時から彼から好意はゼロに等しい。
たとえ欲求不足であったとしても中和ができるまでそばにいるのはおかしい。
お互い魔力を交換し合えれば目的は達成できる。説明も後でできる。わざわざ私が起きるまで残るのは優しさからなのだろうか。
ぐるぐると思考が巡り答えが出なかったから彼に聞いたのだった。
しかしどの予想よりもはるか斜め上な回答が帰ってきた。
「・・・ここが、てめえの帰る場所、なんだろ?」
密着していた状態を解除し彼は徐半身を起こす。
さらりと前髪を掬われた。
掬われた髪の毛がするりと彼の手からおちる。彼の瞳は探るように私を見つめていた。
訓練の三か月、バロウ団長と会う機会はほとんどなくこうしてまじかに見るのも例の入団試験以来だ。
金が混じった白髪に凛々しく吊り上がった眉毛。堀が深く造形が整っており妖美な色気が醸し出されている。
「俺はてめえをちゃんと人間の弟子として迎え入れることに決めた。覚悟しておけよ?」
にやりと片頬を上げた後。ぱっと目線が外れ彼が立ち上がり床に散乱した服を拾い始めた。
そして肩にかけると顔だけ私に向けて言い放った。
「くれぐれも死ぬな。」
やっと人として生きていられることに安心したり、彼にどんなことをされるのか不安だったり。
そんなこんなで最終試験は無事生還することが出来た。人生で一番くらい長い一週間であったと私は考えている。
「「「・・・。」」」
各傭兵隊長が集まる中央会議の真ん中で帆織り出された訓練兵三人。
今回の蒼の事件の中心核となった三人、アス・ユウシャ・ヴァドである。事件翌日の早朝ろくな治療も施されず無理やり起こされ、並ばされている。
「答えろ。」
「・・・諦めたくなかったからです。」
「あ?」
ようやく口を開いたのはアスであった。
「全て、僕のせいです。二人を僕のわがままに付き合わせてしまった。」
「ちげっ!」
「うるせえ。こいつ以外は黙れ。・・・続けろ。」
青筋を立てて静かに命令したバロウ団長。
彼の弟子がしでかしたことだとお叱りを受けた彼はひどく不機嫌であった。
「僕はここしか帰れる場所がない。故郷としようとしているところを守りたかっただけです!」
疲れ果ててた彼女は思ったことすべてが口から出てしまった。
「だから、辞退できなかった。辞退したらギルドの存続を危機にさらすような秘密が盗まれちゃうんでしょ?」
「・・・・。」
次第にバロウ団長はにやけ始め、ついには大声で笑い始めた。
片手で目を覆い隠し大きく首をのけぞり、想像できないほど高らかに笑った。
なぜ笑われているのか分からない。
しかし幹部たちは知っているのか沈黙を守っている。
「おいおい、さすがに新人にギルドで重要な役目を背負わせるほど腐っちゃいねえよ!おい出てこい!」
ぱちんと指を鳴らした彼の背後から例の精鋭騎士団長が出てきた。
「まったく。貴方方には肝を冷やした。もう少しでやめるところではあったがまだやり足りていない仕事があったのに・・・。」
「「「はあ??」」」
物陰から颯爽と姿を現したのは昨日命を掛けてまで戦っていたジン騎士団長であった。
「なんで敵がいんだよ!」
「こいつはもともと味方だ。潜入捜査してもらっていたのさ。長年のお勤めご苦労。」
「いえ。貴方様のお役に立てたなら光栄です。しかし予想以上の反撃を食らいつい少々向きになってしまいました。申し訳ございません。」
「まさか僕たち、味方を殺しちゃった?」
「いや。味方はこいつだけだ。他の部下は全員敵だ。五年間潜入捜査をしてもらい団長まで成り上がってもらっていた。ほとんどの仕事は終わっていたから追加任務として最終試験に出てもらった。情報をわざとてめーらに渡して辞退するつもりだったがまさかこのような形で終わるとはな。」
「不覚にも・・・。」
まさか命を張る必要がなかったとは・・・。
完全に三人は意気消沈していた。ならなぜあんなに殺す勢いで襲ってきたのか。意味が分からなかった。
でも確かに私が帰りたいと言い放った瞬間躊躇した様子が見られたのは同じギルドに所属していたためなのかもしれない。
「ククっ、そうか帰る場所なのかここは。」
いつの間にか三人の目の前に立ったバロウ団長はユウシャとヴァドの頭に手を置いた。
覚えているだろうか。バロウ団長の治療は荒業。あまりの激痛に二人は防衛反応なのか意識を失い倒れこんだ。
「あっ、、やめて、僕は大丈夫です。全然ケガしてません!」
「一番の重傷者が何をいう。」
顎をつかまれ無理やり顔を突き合わされる。
「気に入った。正式に俺の弟子にしてやる。ようこそ、俺の第13傭兵団へ。」
彼女の体に治療魔法が駆け巡る。
内側から外側へ熱が放出されるような感覚に襲われる。
「カヒュ・・・・っ!」
「・・・おいまさかてめえ、」
「あ、ああ、・・・い、やっ。」
彼女の最後の記憶は異様に焦った団長の表情であった。
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月明かりに照らされた夜道。
トラックに身を預け、鼻をすする。冬の寒さで肌が赤くなり、何度も指先に熱を伝えようと息を吹きかける。
「・・・今日も連れて行ってくれないんですか?」
サイドミラーに映る男は私の声掛けに反応を示さないまま、煙草の煙を吐き出す。
出会った時から寡黙な人だった。
必要以上しゃべらず、手も出さない。
最近毎日この男が乗るトラックを見つけては挨拶をし、しばらく一人語りする。
この風景は、、、そうだ、きっと前世の記憶だ。シオンによって人生を狂わされる前の。
両親はろくでもない人たちであった。特に私に興味を示さずパチンコの近くの公園に朝早く連れて行ったあとは夜遅くまでそこで時間をつぶさなくてはならない。
いつも暗くなる時間帯になると遊んでくれる人はいなくなる。何度も警察に補導され両親が呼び出され叱られているが、その時になってようやく両親は私に関心を向け手を出してくる。
体が成長していくにつれて夜公園にいると変な人が声をかけてくるようになった。
襲い掛かれそうなとき、救ってくれたのが紫苑であった。
まだ中学二年だった私を優しく抱きしめ、家に招き入れご飯をおごってくれるようになったのはそのころだった。
当時の私はまだ善悪がつかずただ彼は優しい人だと信じ切っていた。
そして中学三年生の頃、珍しく紫苑が迎えに来なかった日トラック運転手の彼に出会った。
大型のトラックは遠いところから私の家の近くの倉庫まで運ぶトラックであり、長時間運転しなければならない過酷な労働化で働いている運転手。
それからは毎日同じ時間帯になると彼はトラックの窓から腕を出し煙を吹かすようになった。特に互いの存在を意識するようなことはなく数か月たった。
そのころから私の家は誰もいなくなっており、両親はそれぞれ別の恋人を作り家を出ていった。私は高校にも行けず中学を卒業したあとの就職先を探していた時期だった。段々と紫苑の異質さに気づき始める。
彼は家に住み着くようになり自身の経営する会社の窓口に就職しないかと頻繁に言い寄ってくるようになってきた。自身の着る服も光熱費も彼が勝手に負担するようになり、勝手だとは言え実際助かっている場面もあるため離れられない。
ほおっておいたことが彼の行動を助長させてしまったのか、友達関係すらも彼が管理するようになり、段々と友達との連絡がなくなってしまった。育てていた動物もいつの間にか消えている。
彼の仕業だと直感的に分かっていた。全てを監視されるようになり、彼の機嫌を損ねないよう自身を押し殺しいい子になる日常。
そんな日常に耐えれなくなりついとある日にトラックの運転手にしゃべりかけてしまう。
どこか遠くへ連れて行って。
うつろだがどこか凄みのあるまなざしを私に向けたあと、失笑しながら断られた。
何夢見てんだ、ガキ。
そこから奇妙な関係が始まり、紫苑の目を盗んではトラック運転手の元へ駆け寄りこうして一人語りをしているのだった。
ただサイドミラー越しに見える彼の眼はいつも伏しているが、私が泣き出すと決まってこっそりのぞき込んでいるのを当時の私は知っており、そのたびにうれしくなっていた。
自身の人生で唯一何も言わず、じっと自分の話を聞いてくれる。
ろくに彼の事を知らないくせに勝手に好意を抱いてしまい、彼の行動や言動に一喜一憂するようになっていった。
とある日、紫苑にトラック運転手のことがバレ、ひどく怒られた。
それ以降外に出ることが難しくなり監禁状態となってしまった。
久々に外に出れたのは紫苑が買い物行くときに必死に甘えるふりをして鍵を閉めるのを辞めさせたときであった。この機会を作るために数週間彼に恋をした振りをし、彼の期待に応えられるよう働いた。
さっそうと牢獄から抜け出しいつものトラック運転手がいた元へ向かう。
いない。
一世一代の勇気を振り絞り、失敗したらきっと一生外に出られないと分かっていたため絶望にシズム。
「おい、ガキ。お前しばらくどこへっ・・・」
聞きなれた声に理性は飛び彼に思いっきり抱き着きキスをする。
ひどく驚いたのか彼の手に持っていた缶コーヒーが地面に転がる。とっさに私の体を引き寄せバランスを取った。
「っねえ、お願い。私を連れてって。」
いつもの調子ではなく切羽詰まった私の声と、長い監禁状態だったため手足の筋肉が衰え痩せてしまった私の姿を見て察した彼は、初めてトラックの横に乗せてくれる。
其のまま無言でエンジンを回し走り始めた。
見慣れた街並みが後ろに流れていく。解放はされていないはずなのに、彼が隣にいて一緒に逃亡してくれている。そんあ錯覚に襲われるほど私は疲れ切っていた。
「おじさん、有難う。突然ごめんね、あのね。」
状況を説明しようとしたがいきなり目の間が暗くなり、煙草とミントの香りがした。
彼の作業服の上着をかぶせられたと気づいたのは数十秒だった。
「もう何もしゃべらなくていい。寝ていろ。」
コートの隙間から見えた彼の横顔。そこには初めて見る慈愛に満ちた表情。
人生で初めて安心する場所を見つけ、眠りについたんだ。
でも、顔がはっきり思いだせない。彼の目線はこんなに覚えているのに、、、。
あと少し、あと少しで分かりそうなのに。
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あれ、ここどこだ?
知らない天井と知らない香り。だかどこか安心する。
うん?なんか隣に温かいものがあるな。
「よう。ガキ。」
「・・・おはようございます。」
やけに聞いたことある声が隣からしてくる。恐る恐る見上げると、上半身をはだけたバロウ団長がニヒルな笑みを浮かべて私を見下ろしていた。
しばらく脳が情報を処理しきれず固まってしまう。
「なんだ、名残惜しいか?俺の寝床は。」
腰に来るバリトンボイスで耳元でささやかれ、思わず彼の目をまじまじ見てしまった。
顔に熱が集まるのを感じる。
「・・・っは。よく今まで野郎どもに襲われなかったなてめえ。」
「襲われっ?ええ?」
今気づいた。私全裸だ。やけに風が当たるなと思ったら何も着ていない。
「あまりにも色気がねえから誰も気づかなかったっつーのもあるな。あのハジメが男って認定しちまったから俺も信じていた。あいつが誤認するなんて珍しい。」
「なんで?なんで裸??」
「覚えてねぇのかよ。、、、昨日の事、思い出させてやろうか?」
よっこいせと私にのしかかってきた。両手の自由が奪われ密着度が高まる。
そして頭の片隅に追いやられていた記憶がよみがえってきてさらに顔に熱が集まり爆発しそうになる。
「お、思い出しました!!ええはっきりと!!」
そうだ。回復魔法とは他の魔法と比べ大量の魔力を流す必要がある。そのため魔力に耐性がない私は魔力過多症になりバロウ団長の魔力が暴走し始めたのだ。
魔力不足症と魔力過多症の症状は似ており、「発情」という形で出てくる。
その症状を治すには魔力を中和させる必要がある。
つまりバロウ団長と魔力を交わすことが必要になるのだ。
どうやって?
「おい、ガキ。・・・そう盛んな落ち着けよ、・・・っ。」
「だ、んちょ。も、と、もっと・・・っん!」
「糞、ったくどうやって今まで無事に生活してきたんだ?おい。」
「もっと、来て?触って?ねえ」
「っ、、、恨むなよ。」
濃厚なキスを何度も繰り返し唾液を交わらせる。
自身の唾液とは違い少し甘い彼の物に夢中になりどんどんと奥へ舌を伸ばす。
とぷんっと彼が前のめりになったかと思った瞬間にはすでに押し倒され、彼の舌が私の物をからめとり口内の奥を蹂躙し始める。形成が逆転したと同時に、私は着ていた衣服を脱ぎすて彼の体にさらに密着する。
「あ?、お前女か?」
「そんなのどうでもいい、いいから早く頂戴?」
「・・・なるほど、な。冷静になった時じっくり聞くとするか。」
ぼそっと呟いた彼の言葉が煩わしくはやく刺激が欲しかったのか私は若干大きくなった彼のモノに触れる。
深くため息をついた団長はずるずると私の体を自身の方に引き寄せ首に噛みついてきた。
発情している中でも自身の甘く響いた喘ぎを覚えている。ようやく与えられた甘美な刺激に喜び体を震わした。
そのあとはお察しの通り。
獣のように交じり合った結果、現在腰が非常に重い感覚がする。
手首や首のあたりに彼に絞められた跡が残り噛まれた痕跡も見える。
「まさかここでギフテッド・チルドレン様とヤれる機会を頂けるとは、、、」
「・・・?」
「その様子だとこの存在の貴重さを分かってねぇな。」
呆れた顔で私を眺める。
さらりと彼の肩から白い髪の毛が落ちた。前世でいう北国特有の顔立ちをし、目は珍しい深翠色で引き込まれる。鍛え上げられた体にはいくつもの斬撃の傷跡が残っており打たれた形跡も見られる。最近できたであろう噛まれたような傷は誰がつけたのか。そこまで考え、思考を放棄する。できれば昨晩の事は闇に穂無理去りたい。
慌てて思考のかなたに飛んで行った自身の意識を目の前の男の話に集中させた。
「ギフテッド・チルドレンは精霊など特別な存在に気に入られる特性は知っているよな?」
「はい。」
「それが世間一般に伝わる情報だ。ただそれだけじゃない。その存在は唾液や血液など魔力の源となるものを他人に分けることで様々な祝福を与えられるとされている。まあ、実際にそれができる奴は伝説上でしか現れないがな。ほぼほぼ神話的な話だ。今現在確認されているギフテッド達は一つの事に秀でていて貴重な存在となり、国の宝物として扱われる。」
あれれ。雲行きが怪しいぞ。その話に乗っかれば私って随分伝説的な存在なのでは??
私の特技めっちゃ当てはまってない?
徐に腰に手をまわされ彼の体へと引き寄せられ密着する形になる。
シラフな状態で素肌を触れ合うなんざ恥ずかしい以外の何物でもない。
分厚い胸板が目の前にきてどぎまぎしてしまう。
「なあ、ガキ。お前ってその神話的存在なんじゃねえか?」
「え?いや、まさか」
腰に回された手に力がこもっていき、苦しくなる。
「今朝から俺の魔力が暴走しそうだ。俺もギフテッドだったからどうにかなっていたものの、もし凡人がお前と交わったら生命が尽きるまで盛り続けるぞ。」
「はあ?」
「なんの理由かわからねえが俺らの性器は特上ものになるようできているらしい。少しでも有能な子孫を残したかったのかもな。」
何の呪いだろうか。
その噂口調からして歴代のギフテッド達の扱いが垣間見えてしまう。国の宝とされるのは保護と名目上しているが生殖のためにしているのではないか。
「寝起きから最悪なこと聞きました。」
「いや、逆に今教えてもらってよかったと思え。少しは自覚を持った方がいい。自身の身は結局自分が一番いたわれる。俺相手にあんな条件を飲み込ませたからには奴隷に成り下がるな。」
「・・・奴隷に成り下がるな。、、、え、僕合格ってことですか?!」
奴隷ではないと彼に遠回しに伝えられたと気づく。
「最終試験お前ら三人はトップで合格だ。あんな糞面倒な事件を起こしたが盗んだデーターは完ぺきだったのに加えあのジンの本気から生き延びれたからな。」
私たちの苦労は決して無駄にならなかったのだ。
目頭が思わず熱くなり指で押さえる。怒涛の一週間に加え最後には命の危機にさらされたのだ。心身ともに疲労がたまっていたせいで涙もろくなってしまう。
「ありがとう、ございます。あの、最後に聞いてもいいですか?どうして私を助けてくれたんですか?」
「あ?」
少しの疑問だった。
だって出会った時から彼から好意はゼロに等しい。
たとえ欲求不足であったとしても中和ができるまでそばにいるのはおかしい。
お互い魔力を交換し合えれば目的は達成できる。説明も後でできる。わざわざ私が起きるまで残るのは優しさからなのだろうか。
ぐるぐると思考が巡り答えが出なかったから彼に聞いたのだった。
しかしどの予想よりもはるか斜め上な回答が帰ってきた。
「・・・ここが、てめえの帰る場所、なんだろ?」
密着していた状態を解除し彼は徐半身を起こす。
さらりと前髪を掬われた。
掬われた髪の毛がするりと彼の手からおちる。彼の瞳は探るように私を見つめていた。
訓練の三か月、バロウ団長と会う機会はほとんどなくこうしてまじかに見るのも例の入団試験以来だ。
金が混じった白髪に凛々しく吊り上がった眉毛。堀が深く造形が整っており妖美な色気が醸し出されている。
「俺はてめえをちゃんと人間の弟子として迎え入れることに決めた。覚悟しておけよ?」
にやりと片頬を上げた後。ぱっと目線が外れ彼が立ち上がり床に散乱した服を拾い始めた。
そして肩にかけると顔だけ私に向けて言い放った。
「くれぐれも死ぬな。」
やっと人として生きていられることに安心したり、彼にどんなことをされるのか不安だったり。
そんなこんなで最終試験は無事生還することが出来た。人生で一番くらい長い一週間であったと私は考えている。
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