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第5章「新人傭兵」
第73話「最終試験7」
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開幕のファンファーレが鳴り響く。
快晴ともいえる青空と夏が近づきつつある太陽光に照らされ、若き騎士候補生たちが輝く。
ここの学園で騎士志望するのは大半が庶民出身だったりする。ギルドで身分は騎士になれるかどうかに結構関わってくると言っていたが、庶民出身のジン騎士団長が統括しているお陰で出世を志す人たちが集まるようになっていた。
円形状の会場の座席からは学園の女子生徒でほぼ埋め尽くされており、将来自身の身を守る騎士となるものを見定めようと躍起になってオペラグラスから様子を覗いている。
しかし次第にとある一人の人物が女生徒たちの目線を集めた。
重装備をした騎士候補生は顔まで鎧で覆いつくしているため素性は分からない。しかし圧倒的な武力で他の候補生をなぎ倒していく。騎士候補生には似合わない独特な体術を駆使し、時折見せる涼しげな眼もとで女生徒を魅了していく。
「潜入成功。」
白熱している試合に紛れ、私たちは動き出す。
「遅くなった。状況はどうだ?」
「特に問題はないよ。」
支給品の一つに粗悪な移動用ポータルの石が入っていたものを使い、潜入したジン騎士団長の部屋にユウシャを呼び出した。相変わらず瞬間移動になれないのか眉を顰め、口元を手で覆っていた。
「ヴァドも上手くやっていたみたいだね。あの小学生男子が女の子に黄色い歓声を浴びせられるなんて、、、なんか感動しちゃったよ僕。」
「まあ、確かにあの野蛮人の動きは当初に比べてだいぶ形になってきていたな。俺も考え深いよ。」
皮肉な笑みを浮かべながらユウシャは隠し扉である本にそっと手をかざすと、難なく床が静かに開き地下へと続く階段が現れた。
階段の先を照らすかのように何十本もの蝋燭が壁沿いに設置され道筋を示す。
随分長い間掃除をしていないのか埃が宙に舞い、階段先から古本の独特な香りが漂ってくる。
「・・・。下がって。」
「うん。」
ゆらりと壁についていた蝋燭の火が風もないのにも関わらず大きく揺らめいた。
私とユウシャの階段まで伸びている影が大きくなり何かが正体を現した。
『面白い。面白いぞ。ジンにしてはなかなか面白い者どもをよこしたな。』
陰に紛れて正体を現したのは獣のようなものだった。
鋭い牙に鋭利な爪。男性一人ほどの背丈に加え、何よりも私の背筋を凍らせたのは闇の中に爛々と輝く黄金の瞳。
脳内に直接語り掛けてくるような声はきっと目の前の生物からだろう。
そしてどこかで聞き覚えのある声と見覚えのある瞳。
「貴方は、部屋で私の肩にかみついた、、、」
『ああ。あの時の小娘か。すぐに分かった。貴様はギフテッド・チルドレンだろう?』
っ、久しぶりに聞いたなその言葉。
精霊などの様々なモノとの波長が合いやすい体質の事を指す言葉である。この体質のお陰で黒龍であるグラデウスと仲良くなれた。
「君がこの子を・・・。」
彼の剣に手を掛けたかと思うと次の瞬間には私の隣からユウシャは姿を消し、目の前の獣に切りかかっていた。
獣は舐め腐った態度をしていたため予想外の俊敏な動きから繰り出される攻撃で怯み隙を作ってしまう。
絶好のチャンスを逃すことなく私は走り出し、獣が引き留めようとする攻撃を避け先に進む。
朝の話し合いで俊足かつ身軽な私が情報を盗む足となり、ユウシャとヴァドは妨害する存在をどかす手となろうと決めていた。少々突発的すぎるユウシャの攻撃にびっくりしたが結果がすべてである。過程はどうでもいい。とりあえず私はデータを盗み帰る途中でユウシャとヴァドと合流し帰ればいいのだ。
降りた階段先は本棚に囲まれた石板があった。
丁度空間の中心に位置している石板に近づくと見たことのなるくぼみがあった。
データを盗む道具として小さなICチップを渡されており、その形と極似している。
はめ込むと周囲にあった本から文字が浮かび上がりICチップに入り込んでいく。そのくらい耐えれば必要なデーターが入るのだろうと考えていると・・・鈍い衝撃とともに本棚にたたきつけられた。
「げほっがはっ!」
「やはり唯の女生徒じゃなかった。そうわかれば楽なもんだな。」
「ジン、騎士団長。もう来たのね」
「待機していた。こういう日に限って怪しい動きをする人を何人も見つけたのでね。」
恐らく同じく潜入していた同期のことだろう。
「動かないでくれ。一気に仕留めるから。」
恐ろしいセリフとともに重い剣を振り下ろされる。その瞬間を狙ってそばに落ちていた本を投げつけた。
煩わしそうに片手で制御されたがそのおかげで彼の下から脱出し一定の距離を作る。
「その身のこなし。本格的に戦闘技術を学んでいるな。誰に雇われた。」
「正直に話す人がいると思って?」
「いないな。だが、女性相手であれば男性よりも吐かせる手段は多い。」
「・・・っそんな人だとは思わなかったわ。」
こいつ、、、あんな初心な反応を見せておきながら最低なことを吐くな。
思わず過去の事を思いだしてしまい寒気が全身を走る。
「俺も、貴方にそんなことはしたくない。だからおとなしくしていてくれ。」
いやどっちにしろ地獄なのは変わりない。玩具にされるor死ぬの二択ということですね。
構えなおしたかと思うとあの巨体のくせに俊敏な動きな彼の攻撃が繰り出され、私はよけ続けることしかできなかった。空気を切り裂く音が逐一耳の横をかすめ冷汗をかく。このままよけ続けてもいいが体力勝負に持ち込ませれば確実に負ける。
必死の打開策を考えている中、彼の動きに変化が現れた。
私の目には見えない何かをはじいた彼は飛んできたのであろう方向に目を向けた。私もつられて見てみると、肩や腕から血を流したユウシャがそこに立っていた。
激しい戦闘を繰り広げたのか噛みつかれた跡や深く引っかかれた傷が目立つ。先ほどの謎の攻撃はおそらくユウシャお得意の水鉄砲だろう。
「はあ、はあ、、、。遅くなった。」
「ユウシャ!」
急いで駆け寄りたいが目の前の男に一瞬でも隙を与えると殺される。
じりじりと彼と距離を開きつつユウシャに近づく。
「手間取った。悔しいがあの獣は倒してない。逃げられた。」
「・・・あんなに痛めつけろとは言っていないはずだ。死んでしまったらどうする。」
『ついな。なかなか味わい深い奴だったぞ。それでこの後どうすればいいのだ?』
ジン騎士団長の手下?だったのか。いつの間にか戻ってきていた獣と話す様子を観察しつつユウシャの怪我の状況を把握する。
「回復魔法は使えるんだっけ?」
「無理だ。ポーションも使い切ってしまった。データはあとどれくらいだ?」
「まだまだだと思う。」
「糞、ヴァドはいったい何をやっているんだ。」
本来だったらもうヴァドと合流してもいいころ間というのに一向に来ないヴァド。彼の身に何かがあったのかもしれない。
「なんだ、もう一人仲間がいるのか?合流されると厄介だな、今のうちか。」
『やってしまおう。』
そう彼が呟くと一気に距離が詰められ、私はとっさに身体をひねり斬撃を避けた。
普通振り下ろした勢いがあるせいで体制はすぐに変えられないはずだが、ジン騎士団長の以上に発達した筋肉により次の斬撃の構えに入るのが早く、息をつく暇もなく攻撃が続く。
「ぐっ、、、重い、。」
ついに避けきれなく正面で受け止めてしまう。
彼の重い剣によって軋む私の武器。ミシミシと軋み力に負け体が徐々に壁際に追い詰められていく。
背後にあったICチップがよけているうちに横にまで来ていることに気づき焦り始める。
彼の後ろ側では見えないがユウシャと先ほどの獣が交戦しているのが聞こえてくる。
「ノエルさん、諦めてくれ。」
「い、や、、、」
少しづつ声を絞り出していく。
自身の本音をようやく言葉に出した。
「絶対に嫌だ!!私は、私はあそこしか居れないの!私らしく生きていくには、ここで絶対にあきらめちゃダメなの!!帰る場所になるかもしれない、ようやく傀儡人形とか成り代わりとかじゃなくて、私になれる場所になるかもしれない。」
今、まさに崖っぷちに立つ状態だ。
目の前にいる今にも私を殺そうと力を籠め続ける存在。この試験で死んでしまっては元も子もないと言えるが、奴隷として一生を過ごさなくてはならないならば、まだ死んだほうがましだと思えてくる。
前世、今世、散々な人生を歩んできた。
自分の力であがいた時期もあったけど結局破壊された。
今回もそうなるかもしれない。でも、諦めたくない。
なんの根拠もないけど、私の勘が今のギルドに居ろと囁いているからこうしてずっと訓練に意地汚く縋り付き、最終試験でトップを目指していた。そして今回の盗む情報はギルドの存続にかかわるレベルの情報だ。もし諦めてしまったら、あの場所自体がなくなってしまうかもしれない。
「私は、あそこに居たい!あそこに帰るんだあああああ!!」
自分でも訳が分からないまま言葉を発すると、なぜかジン騎士団長はひるんだ。
その瞬間見慣れた獄炎が彼の頭上をかすめた。
「アス!!ユウシャ!!わりぃ遅れた!!」
紅く輝く炎に包まれた彼が上から現れる。
三か月前と比べて堀が深くなった彼の筋肉には部族特有の刺青が施され動きに沿ってうねる。
彼の登場は後の事件の重要人物となったことはまだ誰も知らない。
快晴ともいえる青空と夏が近づきつつある太陽光に照らされ、若き騎士候補生たちが輝く。
ここの学園で騎士志望するのは大半が庶民出身だったりする。ギルドで身分は騎士になれるかどうかに結構関わってくると言っていたが、庶民出身のジン騎士団長が統括しているお陰で出世を志す人たちが集まるようになっていた。
円形状の会場の座席からは学園の女子生徒でほぼ埋め尽くされており、将来自身の身を守る騎士となるものを見定めようと躍起になってオペラグラスから様子を覗いている。
しかし次第にとある一人の人物が女生徒たちの目線を集めた。
重装備をした騎士候補生は顔まで鎧で覆いつくしているため素性は分からない。しかし圧倒的な武力で他の候補生をなぎ倒していく。騎士候補生には似合わない独特な体術を駆使し、時折見せる涼しげな眼もとで女生徒を魅了していく。
「潜入成功。」
白熱している試合に紛れ、私たちは動き出す。
「遅くなった。状況はどうだ?」
「特に問題はないよ。」
支給品の一つに粗悪な移動用ポータルの石が入っていたものを使い、潜入したジン騎士団長の部屋にユウシャを呼び出した。相変わらず瞬間移動になれないのか眉を顰め、口元を手で覆っていた。
「ヴァドも上手くやっていたみたいだね。あの小学生男子が女の子に黄色い歓声を浴びせられるなんて、、、なんか感動しちゃったよ僕。」
「まあ、確かにあの野蛮人の動きは当初に比べてだいぶ形になってきていたな。俺も考え深いよ。」
皮肉な笑みを浮かべながらユウシャは隠し扉である本にそっと手をかざすと、難なく床が静かに開き地下へと続く階段が現れた。
階段の先を照らすかのように何十本もの蝋燭が壁沿いに設置され道筋を示す。
随分長い間掃除をしていないのか埃が宙に舞い、階段先から古本の独特な香りが漂ってくる。
「・・・。下がって。」
「うん。」
ゆらりと壁についていた蝋燭の火が風もないのにも関わらず大きく揺らめいた。
私とユウシャの階段まで伸びている影が大きくなり何かが正体を現した。
『面白い。面白いぞ。ジンにしてはなかなか面白い者どもをよこしたな。』
陰に紛れて正体を現したのは獣のようなものだった。
鋭い牙に鋭利な爪。男性一人ほどの背丈に加え、何よりも私の背筋を凍らせたのは闇の中に爛々と輝く黄金の瞳。
脳内に直接語り掛けてくるような声はきっと目の前の生物からだろう。
そしてどこかで聞き覚えのある声と見覚えのある瞳。
「貴方は、部屋で私の肩にかみついた、、、」
『ああ。あの時の小娘か。すぐに分かった。貴様はギフテッド・チルドレンだろう?』
っ、久しぶりに聞いたなその言葉。
精霊などの様々なモノとの波長が合いやすい体質の事を指す言葉である。この体質のお陰で黒龍であるグラデウスと仲良くなれた。
「君がこの子を・・・。」
彼の剣に手を掛けたかと思うと次の瞬間には私の隣からユウシャは姿を消し、目の前の獣に切りかかっていた。
獣は舐め腐った態度をしていたため予想外の俊敏な動きから繰り出される攻撃で怯み隙を作ってしまう。
絶好のチャンスを逃すことなく私は走り出し、獣が引き留めようとする攻撃を避け先に進む。
朝の話し合いで俊足かつ身軽な私が情報を盗む足となり、ユウシャとヴァドは妨害する存在をどかす手となろうと決めていた。少々突発的すぎるユウシャの攻撃にびっくりしたが結果がすべてである。過程はどうでもいい。とりあえず私はデータを盗み帰る途中でユウシャとヴァドと合流し帰ればいいのだ。
降りた階段先は本棚に囲まれた石板があった。
丁度空間の中心に位置している石板に近づくと見たことのなるくぼみがあった。
データを盗む道具として小さなICチップを渡されており、その形と極似している。
はめ込むと周囲にあった本から文字が浮かび上がりICチップに入り込んでいく。そのくらい耐えれば必要なデーターが入るのだろうと考えていると・・・鈍い衝撃とともに本棚にたたきつけられた。
「げほっがはっ!」
「やはり唯の女生徒じゃなかった。そうわかれば楽なもんだな。」
「ジン、騎士団長。もう来たのね」
「待機していた。こういう日に限って怪しい動きをする人を何人も見つけたのでね。」
恐らく同じく潜入していた同期のことだろう。
「動かないでくれ。一気に仕留めるから。」
恐ろしいセリフとともに重い剣を振り下ろされる。その瞬間を狙ってそばに落ちていた本を投げつけた。
煩わしそうに片手で制御されたがそのおかげで彼の下から脱出し一定の距離を作る。
「その身のこなし。本格的に戦闘技術を学んでいるな。誰に雇われた。」
「正直に話す人がいると思って?」
「いないな。だが、女性相手であれば男性よりも吐かせる手段は多い。」
「・・・っそんな人だとは思わなかったわ。」
こいつ、、、あんな初心な反応を見せておきながら最低なことを吐くな。
思わず過去の事を思いだしてしまい寒気が全身を走る。
「俺も、貴方にそんなことはしたくない。だからおとなしくしていてくれ。」
いやどっちにしろ地獄なのは変わりない。玩具にされるor死ぬの二択ということですね。
構えなおしたかと思うとあの巨体のくせに俊敏な動きな彼の攻撃が繰り出され、私はよけ続けることしかできなかった。空気を切り裂く音が逐一耳の横をかすめ冷汗をかく。このままよけ続けてもいいが体力勝負に持ち込ませれば確実に負ける。
必死の打開策を考えている中、彼の動きに変化が現れた。
私の目には見えない何かをはじいた彼は飛んできたのであろう方向に目を向けた。私もつられて見てみると、肩や腕から血を流したユウシャがそこに立っていた。
激しい戦闘を繰り広げたのか噛みつかれた跡や深く引っかかれた傷が目立つ。先ほどの謎の攻撃はおそらくユウシャお得意の水鉄砲だろう。
「はあ、はあ、、、。遅くなった。」
「ユウシャ!」
急いで駆け寄りたいが目の前の男に一瞬でも隙を与えると殺される。
じりじりと彼と距離を開きつつユウシャに近づく。
「手間取った。悔しいがあの獣は倒してない。逃げられた。」
「・・・あんなに痛めつけろとは言っていないはずだ。死んでしまったらどうする。」
『ついな。なかなか味わい深い奴だったぞ。それでこの後どうすればいいのだ?』
ジン騎士団長の手下?だったのか。いつの間にか戻ってきていた獣と話す様子を観察しつつユウシャの怪我の状況を把握する。
「回復魔法は使えるんだっけ?」
「無理だ。ポーションも使い切ってしまった。データはあとどれくらいだ?」
「まだまだだと思う。」
「糞、ヴァドはいったい何をやっているんだ。」
本来だったらもうヴァドと合流してもいいころ間というのに一向に来ないヴァド。彼の身に何かがあったのかもしれない。
「なんだ、もう一人仲間がいるのか?合流されると厄介だな、今のうちか。」
『やってしまおう。』
そう彼が呟くと一気に距離が詰められ、私はとっさに身体をひねり斬撃を避けた。
普通振り下ろした勢いがあるせいで体制はすぐに変えられないはずだが、ジン騎士団長の以上に発達した筋肉により次の斬撃の構えに入るのが早く、息をつく暇もなく攻撃が続く。
「ぐっ、、、重い、。」
ついに避けきれなく正面で受け止めてしまう。
彼の重い剣によって軋む私の武器。ミシミシと軋み力に負け体が徐々に壁際に追い詰められていく。
背後にあったICチップがよけているうちに横にまで来ていることに気づき焦り始める。
彼の後ろ側では見えないがユウシャと先ほどの獣が交戦しているのが聞こえてくる。
「ノエルさん、諦めてくれ。」
「い、や、、、」
少しづつ声を絞り出していく。
自身の本音をようやく言葉に出した。
「絶対に嫌だ!!私は、私はあそこしか居れないの!私らしく生きていくには、ここで絶対にあきらめちゃダメなの!!帰る場所になるかもしれない、ようやく傀儡人形とか成り代わりとかじゃなくて、私になれる場所になるかもしれない。」
今、まさに崖っぷちに立つ状態だ。
目の前にいる今にも私を殺そうと力を籠め続ける存在。この試験で死んでしまっては元も子もないと言えるが、奴隷として一生を過ごさなくてはならないならば、まだ死んだほうがましだと思えてくる。
前世、今世、散々な人生を歩んできた。
自分の力であがいた時期もあったけど結局破壊された。
今回もそうなるかもしれない。でも、諦めたくない。
なんの根拠もないけど、私の勘が今のギルドに居ろと囁いているからこうしてずっと訓練に意地汚く縋り付き、最終試験でトップを目指していた。そして今回の盗む情報はギルドの存続にかかわるレベルの情報だ。もし諦めてしまったら、あの場所自体がなくなってしまうかもしれない。
「私は、あそこに居たい!あそこに帰るんだあああああ!!」
自分でも訳が分からないまま言葉を発すると、なぜかジン騎士団長はひるんだ。
その瞬間見慣れた獄炎が彼の頭上をかすめた。
「アス!!ユウシャ!!わりぃ遅れた!!」
紅く輝く炎に包まれた彼が上から現れる。
三か月前と比べて堀が深くなった彼の筋肉には部族特有の刺青が施され動きに沿ってうねる。
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