異世界転生少女奮闘記

第2章「慌ただしい日常」

第27話「雪まつり②」

アスチルベ目線
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「「レディースアンドジェントルメン!!皆さんの興奮は途絶えることもなく、誰もが待ちわびていた!!
　マルガリータ雪まつりが始まるぞぉぉおおおぉぉぉお!!!!!!!」」

　爆音で野太い声のアナウンスと共に観客から歓声湧き上がった。
　体が震えるほど音が響き、耳の鼓膜が限界を迎えそう……。でも胸の奥で燃えている闘志を擽られ、自然と心が踊る。

「「面倒くせぇ前置きは無しだ!!さぁ花形の第一試合で争う選手を紹介するぜ!!」」

　おいおい、大丈夫かこの司会者…。まぁ確かに前置きが短いほうが楽でいいけどね。

「「オレ様最推しの美人。ぜひ、お茶に誘いた~い!『アスチルベ』エエエエェェ!!!!!」」

　いや、初耳だしその紹介は個人の意見じゃない?恥ずかしいし。


「「そしてそして、そんな人と組める羨ましいラッキーマンはこの男『グラデウス』!!!」」

　今度は黄色い歓声が多くなった気がする。グラデウスって案外人気?

　客席が円状に並んでおり、真ん中にぽっかりとした広場がある。
　前世でいうローマの有名な建築物そっくりで、歓声と共にを手を降って入場した。

「す、凄い歓声…何で?」
「さぁな。我も分からぬ。」

　大きな声が会場に響き渡り、一つの音になっている感覚がする。少なくとも歓迎していることはわかった。




「「そしてぇ!!!そんな二人だからこそ与えられた不幸・・なのだろか!?この世界で名を轟かすのは2つの方法がある…名誉か不名誉だ。
　対戦相手となるこの男はどちらかをやって名を轟かせたのか?
　否!!彼は、どちらもやってのけたぁ!!!
　サウスの国々は彼を『神』だと栄光を称え、ノウスの国々は彼を『悪魔』だと批判する………。そう、彼の名は……『シヴァル』ゥゥウウウウ!!!
　」」


　　
　会場の壁からホコリが落ちてくる。一瞬地震かと思ったが違う。
　人々の声だ。
　
　彼を歓迎する人、彼を批判している人、興奮でただ叫び声を上げている人などが一緒になって会場に声を注ぐ。
　向こう側の出場口に目線を向けると、誰かが出てきているのが見える。

　釣り上がった瞳が太陽に照らされ煌めいた。こちらを面白い玩具と見ているのか、楽しげな表情。
　四肢にはジャラジャラと高級感ある装飾品をぶら下げ、長い髪の毛は三編みに編み込み後ろに流している。
　白と紫のターバンを頭に巻きつけ、彼の褐色肌を引き立たせる。

　私達が会場の真ん中で向かい合うように立つと、周りが急に静まり返った。
　謎の人物シヴァルをよく観察しようと目を見ていると、彼が突然言い放った。
　






「ヨウ!初めまして。いや、、、お久しぶりカナ?


　　お客サン・・・・」







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　実はアスチルベはこの人に会ってます。さて、誰でしょうか?


　ヒント……もう一度『第9話』を読んでみよう