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第1章「今の故郷」
第14話「アシュレイの恋人(?)事件」
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アスチルベ目線
_______________________________________________
「うへぇ……いっぱい食べた。」
ぽっこりと膨れたお腹を抱え込み、アシュレイの経営するギルドの店に帰っている。
グラデウスは飽きたのか私の頭の上でうずくまり寝ている。
「ん?これ、、、ジャックが好きそう。」
帰り道の途中あった雑貨店のようなお店の窓辺に飾ってあったピアス。
買ってやろうかなドヤア……
そういえば、初めて男に贈り物するなぁと思った。何だっけ、アクセサリーの意味。………まあいいか。
先程購入したピアスを大事に鞄に入れ、ギルドへと先を急いだ。
「……。入りづらい……」
いつも脳内で会話してくれるグラデウスは只今熟睡中。だからこそ更に緊張する。
何故って?………。
「私、やっぱり婚約したくない。アシュレイ、どうしよう。」
「あ?知るかよ。」
店内には一人の女性以外客がいない。
美しいブロンドの女性はハラハラと真珠のような涙を流し、カウンターで泣き崩れている。
アシュレイは言い方こそ乱暴だけど、優しく女性の頭を撫でながら話に耳を傾けている。
うっわ……アシュレイのあんな優しげな顔初めてみた。まあ出会って一週間も経ってないけど…。
「昔に戻りたいわ…。あの頃は平和だったわね。アシュレイと私だけの世界。」
「……ああ。」
「あ、ごめんさない。もう、戻らないと……それじゃあお互いの人生に……祝福を。」
うわわ!こっち来る!やばい……あそこの茂みに隠れよう!
お店の横にあるちょっとした茂みに隠れ、女性がカランとドアを開けた音を聞いた。多分今顔出して見たら一発でバレる。
息を殺して女性が帰っていくのを待った。
「……まて。アイリス。」
ふぁ?!間違いなく今、アシュレイが女性もといアイリスさんを引き止めたよ!
「また、鬱憤ばらしにここに来いよ。
いつでも俺は待ってるぜ?」
甘く囁くような声。
「……ええ。ありがとう。アシュレイ。」
アイリスさんはその言葉に答えるようにお礼を言い、今度こそ去っていく。
ふう……ようやく行ったか。
これで後はアシュレイがお店に入っていって、私がさも『今帰ってきましたよ?』という雰囲気を醸しだせば完璧!
「おい。マセガキ。ここでなぁにしてんだぁ?」
あ、終わった………
「痛い痛い痛い!!!わーごめんなさい!
聞くつもりでは無かったんですぅ!!」
アシュレイが自慢の腕っぷしで顔面を捕まれ、軽々と持ち上げられている。
本気で痛い。
必死にアシュレイの腕に捕まって顔面で体重を支えないようにしているが、やはり痛みはある。
グラデウス!!起きろぉぉ!!
((やれやれ。我の人生でこんなくだらないことで我を起こす奴は会ったことがなかったぞ。))
不機嫌な声が脳内で響く。
わーん!グラデウス様助けてください!顔の皮膚が剥がれ落ちる前に早く!
((仕方がない。少々あれるぞ。))
そう呟いた瞬間に、身体が勝手に動きアシュレイの腕を掴んだかとおもうと……
「ウグッ!」
投げた。
もう一回言おう。投げたのだ。
背は170程だが服上からでも伝わる鍛えられた筋肉。
自分の体重の何倍であろう重りのような男性を11の幼女が投げたのだ。
「ふぇ?!」
((勝手に身体を使わせて貰ったぞ。))
「ぁに投げた本人が驚いてんだよあ"あ"?!?!?」
ちょ、状況が悪化したんですけどぉ?!
グラデウス様?しかも身体乗っ取れるとか初めて知ったんですけどぉ?!
結局その日はジャックが迎えにくるまで雑用をやらされた……。
To be continue⇨
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「うへぇ……いっぱい食べた。」
ぽっこりと膨れたお腹を抱え込み、アシュレイの経営するギルドの店に帰っている。
グラデウスは飽きたのか私の頭の上でうずくまり寝ている。
「ん?これ、、、ジャックが好きそう。」
帰り道の途中あった雑貨店のようなお店の窓辺に飾ってあったピアス。
買ってやろうかなドヤア……
そういえば、初めて男に贈り物するなぁと思った。何だっけ、アクセサリーの意味。………まあいいか。
先程購入したピアスを大事に鞄に入れ、ギルドへと先を急いだ。
「……。入りづらい……」
いつも脳内で会話してくれるグラデウスは只今熟睡中。だからこそ更に緊張する。
何故って?………。
「私、やっぱり婚約したくない。アシュレイ、どうしよう。」
「あ?知るかよ。」
店内には一人の女性以外客がいない。
美しいブロンドの女性はハラハラと真珠のような涙を流し、カウンターで泣き崩れている。
アシュレイは言い方こそ乱暴だけど、優しく女性の頭を撫でながら話に耳を傾けている。
うっわ……アシュレイのあんな優しげな顔初めてみた。まあ出会って一週間も経ってないけど…。
「昔に戻りたいわ…。あの頃は平和だったわね。アシュレイと私だけの世界。」
「……ああ。」
「あ、ごめんさない。もう、戻らないと……それじゃあお互いの人生に……祝福を。」
うわわ!こっち来る!やばい……あそこの茂みに隠れよう!
お店の横にあるちょっとした茂みに隠れ、女性がカランとドアを開けた音を聞いた。多分今顔出して見たら一発でバレる。
息を殺して女性が帰っていくのを待った。
「……まて。アイリス。」
ふぁ?!間違いなく今、アシュレイが女性もといアイリスさんを引き止めたよ!
「また、鬱憤ばらしにここに来いよ。
いつでも俺は待ってるぜ?」
甘く囁くような声。
「……ええ。ありがとう。アシュレイ。」
アイリスさんはその言葉に答えるようにお礼を言い、今度こそ去っていく。
ふう……ようやく行ったか。
これで後はアシュレイがお店に入っていって、私がさも『今帰ってきましたよ?』という雰囲気を醸しだせば完璧!
「おい。マセガキ。ここでなぁにしてんだぁ?」
あ、終わった………
「痛い痛い痛い!!!わーごめんなさい!
聞くつもりでは無かったんですぅ!!」
アシュレイが自慢の腕っぷしで顔面を捕まれ、軽々と持ち上げられている。
本気で痛い。
必死にアシュレイの腕に捕まって顔面で体重を支えないようにしているが、やはり痛みはある。
グラデウス!!起きろぉぉ!!
((やれやれ。我の人生でこんなくだらないことで我を起こす奴は会ったことがなかったぞ。))
不機嫌な声が脳内で響く。
わーん!グラデウス様助けてください!顔の皮膚が剥がれ落ちる前に早く!
((仕方がない。少々あれるぞ。))
そう呟いた瞬間に、身体が勝手に動きアシュレイの腕を掴んだかとおもうと……
「ウグッ!」
投げた。
もう一回言おう。投げたのだ。
背は170程だが服上からでも伝わる鍛えられた筋肉。
自分の体重の何倍であろう重りのような男性を11の幼女が投げたのだ。
「ふぇ?!」
((勝手に身体を使わせて貰ったぞ。))
「ぁに投げた本人が驚いてんだよあ"あ"?!?!?」
ちょ、状況が悪化したんですけどぉ?!
グラデウス様?しかも身体乗っ取れるとか初めて知ったんですけどぉ?!
結局その日はジャックが迎えにくるまで雑用をやらされた……。
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