異世界転生少女奮闘記

第１章「今の故郷」

第12話「説得ロール!!」

アスチルベ目線
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「私、やっぱり経験を積みたい!色々な事を今のうちに挑戦してみたいの!」

「でも、まだまだ貴方は11よ?」

「そうだぞ。しかもあの捻くれで有名なアシュレイの元だろう?絶対に駄目だ!」

「私だってようやくお母さんのチース(前世でいうチーズ)造りを手伝い始めたばかりなのよ?」


　家族総出で猛反発。どうすれば良いんだろう……。確かに私だって自身の11の子供がアシュレイの元に働くって言い始めたら、許さないしなぁ。

　正直に契約の内容を話そう……って何度も思ったけど、絶対怒られる。
　それだけは避けたい。多分これが知られたら今後親の元から離れないよう制限がかかってしまうかもしれない。

　ねぇグラデウス。もう一回連れて行ってくれる方式を取らないかい?

((断る。我の私生活がどうなっているか問だたされるであろう?ほぼ毎日お主の側に入れるほど暇人と思われ、信用が下がる。))

　で、ですよねー……アハハ……


　さて、どうしようかな!
　もう早速明日からアシュレイから集合命令がかかっているのだ。このままだと行けない。









__森にて___

「って事があったんだよねー。」

「それは難しいな。俺でさえ13でようやく一人街で降りれるようになったしなぁ。
　それにしてもよく意気揚々と契約書にサインしたなオチビちゃん。」

「うるさい!しょうが無いじゃん!」


　現在、ジャックと共に食べれそうな山菜を採取しに森にいる。
　ジャックならばと気に食わないけど今までの事情を全て話した。

　案の定馬鹿にしているのか肩を揺らして笑っている。


「そんな笑わないでよ!此方は真剣に悩んでるの!」

「ﾊﾊっいや、ごめんごめん。余りにも可笑しすぎて。」


　自分の中では結構強めのパンチをみぞおちに入れる。

「いっ!!ごめんってば。お詫びにそのお悩み。俺が解決させてやろうか?」

「え?!本当!?」

「ああ。その代わり余ったお釣りの恩で、そのステーキを食べさせてね?」

「お安い御用だよ!!」











　まさか、あんなに熱弁して家族を押し切るなんて恐れ入ったわ。
　反論の隙も与えず、ジャックお得意の話術を使ってありもしないことを並べてた。
　流石としか言いようがない。

「ありがとうございますジャック様!!」

「いいってことよ。それより送り迎えは俺がやる事になったから安心してね。」

「でも忙しいんじゃ……」

「全然。話してなかったか?俺最近街の傭兵ギルドに入ったんだ。だから殆ど村にいないぞ?」

「えー?!道理で村で見かけないと思った!それじゃあ安心だね。」

　怒ったようにひよこちゃんグラデウスが私の裾を引っ張っている。
　只今グラデウスと思考を遮断しているのけど何となく言いたいことが理解できた。
　恐らく『我もいるぞ』と言いたいらしい。


「はいはい。グラデウスもいるから安心安心!」

「……ひよこちゃんに変なおじさんの名前付けてるの?」

　ジャックの凄ーく嫌そうな表情頂きましたー。やっちまった。

「あ、いやその……そう、性格!性格が似てたからつけたの!」

「ふーん?性格ねぇ……。」

　訝しげにひよこちゃんを観察する。
ちょ、ちょっちー苦しい言い訳だったかな……

「確かにオーラが凄く似てるし、気に食わない顔立ちをしてる。」

　ウンウンと頷いたジャック。
納得してくれたー!もう駄目かと思ったー!


「とりあえず、今日は大人しく村仕事を手伝いな。それじゃあ行ってくるよ。」

「うん……。行ってらっしゃい!」

　ジャックの動きが一瞬止まったかと思いきや、いきなり頬を抓られた。

「いひゃいいひゃい!!にゃんへ?!」

「……何となく。」


　思う存分モチモチされたあと、彼は去っていった。いや、怖いよ謎だよ気色悪い!








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