ふわふわ雲 と ほかほかパン

星野 未来

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■第1章: 春

【 いい香り 】

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 ピューっと、いいかおりのする青い屋根のお家まで運んでくれる。

「わぁ~、何ていいにおいなんだろう」
「これは、パンの焼けたにおいだよ。くもちゃん」

 春風くんが、教えてくれる。

「パンの焼けたにおい?」
「うん、ほら見てごらん。あの青い屋根のパン屋さんに焼きたてのパンが並んでいるよ」

 ガラスの向こうに、おいしそうなパンがたくさん並んでる。

 くんくん、くんくん。

「いいにおい」

 パン屋のお父さんも笑顔でパンを運んでる。

 大きくて、長~い、フランスパン。
 クルクルまいた、クロワッサン。
 かわいいお耳の、ねこ耳食パン。
 ころもがサクサク、カレーパン。

 ホカホカ、ホカホカ、おいしそう。


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