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■第7章: 雪上決戦!

【 第8話: 巨大な●● 】

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『ゾワワワワワーー……、ズルズルズルズルズル……』
『うわぁーーーーっ!!』

 そのロープは、城の壁の上に取り付けてある滑車を通り、城の外にあるヤーシブたちが立っている地面まで伸びていた。
 そして、ヤーシブの兵士たちは、馬ごと、台車ごと、降り積もった雪ごと、地面が抜けて、下のすべり台のようになっているところへと次々に落ちていった。


【作戦の構造】



 ロープが緩むことにより、木でできた巨大な床が抜ける仕組みだ。
 その斜めになっている滑り台から落ちた先は、大きな地下空間が掘ってあり、そこへ2千人ものヤーシブ隊が、降り積もった雪と共に滑り落ちたのだ。


 しかし……。

『ガゴンッ!! シュルシュルシュル……、ガンッ!!』

「マズイッ!! ロープが引っかかった!!」

 50本ものロープが一斉に切られたが、その内の何本かが、城壁の上の滑車に引っかかっていた。

「このままではマズイッ!! ヤーシブたちがまだ100人ぐらい落ちていない!!」

 このままでは、ヤーシブ全員を地下へ落とすことはできない。
 残っている者たちが、ロープなどを使い、助け始めれば、また2千人と戦わなくてはならなくなる。
 俺は、焦っていた……。

「タロー様!! ロープが絡まって、落ちません!!」
「く、くそっ……、このままでは、また振り出しに戻るぞ……。どうすればいいんだ……」

 すると、ミャーが突然、城から飛び出し、あの魔法を使ったんだ……。

「タロー!! 私に任せてにゃ!!」

 彼女は、胸に両手をあて、ゆっくりと目を閉じると、俯いた状態から、あの呪文を使った……。

「うううぅ……、『Mecchan Coめ っ ち ゃ ん こ----ッ♪』」

 彼女の放った魔法は、瞬く間に絡まったロープたちを次々に解いてゆき、緩んだロープは、城の外の木の床を地下へと落とした。

『シュルシュルシュルシュルシュル……、グガガガガガ……、ドサササササーーーーッ!!』

「う、うわぁーーーーっ!!」

 残っていた100人程のヤーシブの兵士たちも、次から次へと、地下へと滑り落ちていった。

 そして、全てのヤーシブ隊の姿が、城の外から消えた。
 残っていたのは、城の周りにできた大きな穴のみ……。

 またしても、俺はミャーに助けてもらったのだ……。



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