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■第6章: ニヤ国を守れ!
【 第9話: 完成・歓声 】
しおりを挟む俺が再び、目を開けると、既に翌日の朝になっていた。
隣には、まるで子猫のように丸まって、スヤスヤと眠るかわいらしいミャーがいた。
その顔は、何気に満足げだ……。
多分、久しぶりに俺の生き血をたんまり吸えて、満足して寝たのだろう……。
まあ、俺も久しぶりにじっくり眠ることだけはできたが……。
俺は、ミャーを起こさないように着替えると、またすぐに城の外へ向かい作業を開始した。
『カンカンカンカン……』
「おーい! もっと釘を持ってきてくれーっ!」
「分かりました! タロー様!」
『カンカンカンカン……』
「よし、これでいい! 君たちは、これと同じものをあと50個作ってくれないか!」
「分かりました。あと、50個ですね。よし、みんな! 取り掛かるぞ!!」
「オオーーッ!!」
皆は、必死に働いてくれた。
昼も夜もなく……。
――そして、遂に、クリスマスの前日、クリスマス・イブの日にそれは完成した。
「よし、これで最後だ!」
『ザザザザザッ、ザザザザザッ……』
「で、できた……。遂に完成したぞ……」
「やりましたね。タロー様」
「ああ、皆のおかげだ。今日は、クリスマス・イブだ。みんな久しぶりに家族とゆっくり聖なる夜を過ごしてくれ」
「分かりました、タロー様。ありがとうございます!」
「よぉーし! みんなーーっ! 今日は、クリスマス・イブを楽しむぞーーっ!!」
「おおーーーーっ!! やったぁーーっ!!」
皆は、とても嬉しそうだった。
無理もない。昼も夜も働きっぱなしだったのだから……。
今日くらいは、皆にいいクリスマス・イブを過ごしてもらいたかった。
皆の顔を見ていると、これが完成した喜びの笑顔と、長かった作業から解放された安堵の表情が入り混じっていた。
今日は、久しぶりに気分がいい。
最後の一人になるまで見送り、俺は城の中へと入って行こうとした。
すると、空から白いものがフワフワと、ゆっくり落ちてきていた……。
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