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■第6章: ニヤ国を守れ!

【 第8話: 久しぶり、ミャー 】

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 俺は、城へ入ると、すぐにシャワーを浴び、汚れを落とした。
 そして、急いでミャーの待つ寝室へと向かった。
 久しぶりに、この寝室の扉を開ける。

『ガチャ……』

 そこには、ピンク色のうさちゃんのガウンを着た、ミャーが待っていた……。
 俺が部屋へ入ってきたことに気付くと、ベッドから裸足で降りて駆け寄った。

「タロー……」

 ミャーは、扉を閉めるのと同時に、いきなり俺に抱きついた。
 ミャーの大きなブルーの瞳からは、大粒の涙が溢れ出していた。

 久しぶりに見る、ミャー……。
 しばらく会っていない間に、少し大人の女性になっているように見える。

 俺は、ミャーの肩を両手でやさしく持つと、ミャーの顔を覗き込んだ。
 相変わらず、かわいい……。まるで、子猫のようだ。
 俺は、思わず口から、この言葉が漏れた。

「久しぶり、ミャー……」

 ミャーは、益々ますます目に涙を浮かべて、かわいい八重歯をグッと下唇に噛み締めている。
 そして、そっと目を閉じると、大粒の涙が両目から頬を2つ伝って、零れ落ちた。

 ミャーは、少し顔を上げ、俺の顔の方へ、その柔らかそうなかわいいプルンとした唇を差し出してくる。
 距離にして、あと10cm……。
 ミャーの吐息が、すぐ近くに感じられる。
 やさしいミルクのような、甘い香りが漂っている。
 今日はいける……。

『カプッ……』

 そう、カプッと……。
 んっ? 『カプッ?』……。

「ぎゃぁぁぁーーーーっ!!」

 俺は、またミャーに生き血を吸われた……。
 疲れ切った体に、とどめをさしたのだ……。

『バタンッ!』

「タ、タローーーーッ!!」

 俺は、またしてもミャーと何も出来ず、白目をむいて、力なく床に倒れたのは、言うまでもない……。


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