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■第6章: ニヤ国を守れ!
【 第5話: ニヤ国を俺が守る! 】
しおりを挟むそれでも、俺は食い下がるように、エイト公へお願いをした。
俺には『プライド』なんていらない。
今、欲しいのは、ニヤ国とヤーシブ国との平和的解決のみだ。
「エイト公、俺の命と引き換えに、ニヤ国の人たちを殺さないでもらえないか!?」
「私の心は傷ついたのだ。そんなミャー姫を寝取った貴様の命だけでは、私のこの傷ついた心は癒せぬ。必ず全員抹殺する!!」
エイト公のその鬼気迫る顔は、完全に憎しみに満ちている。
俺は、エイト公のその表情から、もう止められないことを悟った。
「エイト公、俺はまだミャーを寝取ってはいないよ。ミャーと俺は何もまだ関係はない……」
「なぬっ? 貴様、面白いことを言い出すな。この期に及んで。そんなことを私が信じるとでも思っているのか?」
「いや、それは本当だ。結婚はしたが、まだ、その……、体の関係は何もない……」
「はっはっはっはっ、そうだったのか。まあ、身の固いミャー姫らしいが、貴様はまだミャーとは何も関係がないのだな?」
「ああ、残念ながらそうだ……。何もミャーとはない……」
「ふふふ……、それは面白いことを聞いた。後は、ミャー姫次第ということなんだな?」
「ああ、そうだ……。だから、どうかニヤ国を攻めるのはやめてもらえないか」
「それとこれとは、話は別だ! 私はもう決めたのだ! ニヤ国を滅ぼし、私はミャー姫だけを手に入れるとな!!」
エイト公の意思は固そうだ。
このままでは、エイト公を止められない……。
そこで俺は、出来る限り時間を稼ぐため、エイト公にこう提案を持ちかける。
「エイト公、あと2週間後に、世間ではクリスマスを迎える。せめて、ニヤ国の人たちに最後のクリスマスを彼らの家族と過ごさせてやってはもらえないか!」
「ほう、面白い。『ラスト・クリスマス』という訳だな。ふふふ……、まあいいだろう。貴様の顔を立てて、そこまでは待ってやろう。私もそこまで鬼ではないからな。但し、クリスマスが終わったら、貴様たちの首をもらいに行くぞ。はははははは……」
俺は、エイト公の気持ちを変えることはできなかったが、幸いにも時間稼ぎをすることはできた。
それが、俺の唯一の救いだった……。
俺は、ジョセフにまたがると、急いでニヤ国へと向かった。
期限は、『2週間』。
俺たちに残された時間はあまりない。
俺はジョセフに無理を頼んで、休みなく帰路を急いだ。
「ジョセフ! すまないな! 時間との勝負だ! 全力で頼んだぞ!!」
「へぇへぇ、しょうがないな! ミャー姫とあんたのためだ! 俺様の脚力を見縊るんじゃねぇぞ! しっかりと掴まってな! それぇーーっ!!」
俺たちは、脱兎のごとく駆け出し、ニヤ国へと戻っていった。
みんなを守るために……。
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