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■第5章: ライバル出現!

【 第6話: ニヤ国王子の誕生! 】

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「うわぁ~ん! タロー、ごめんにゃ~……」

 ミャーは、大声で泣いて、俺の胸に飛び込んできた。
 無理もない。ヤーシブ国との争いになるのだから……。

 だが、ミャーは、エイト公ではなく、俺を選んでくれた。
 俺が、ミャーを守ってあげなければ、この国は滅びてしまうかもしれない。
 だから、俺がミャーを、そして、このニヤ国を守っていかなければならないんだ……。

「わが息子、タローよ。これは、ニヤ国にとって最大の試練の時がきたようじゃ。お主は、どうする?」
「どうするとおっしゃいますと……?」
「このまま、名古屋国へ帰ってもよいのじゃか……」

 それは、ダガヤ王からの最大の俺に対する配慮だった。
 しかし、俺は、今、名古屋国へ一人逃げ帰って、ミャーやこの国の人たちを、このまま見捨てるわけにはいかない。
 俺の心は、決まっていた。

「俺は、名古屋国へは帰りません。ここに、このニヤ国に残って一緒に、ヤーシブのやつらと戦います! この国を一緒に守ります!」
「ありがとう。わが息子、タローよ。よくぞ言ってくれた。ヤーシブが攻め込んでくる前に、出来る限りの防御をしようぞ」
「はい! ダガヤ王!」


 ――そして、ダガヤ王は、騎士や民衆をお城の前に集結させた。
 俺たちは、3階のバルコニーから、彼らに向かってこう宣言する。

「皆の者、よくぞ集まってくれた。これから、ヤーシブ国のやつらがこの国を攻めにやってくる。皆の力を結集して、この国をヤーシブから守って欲しい」

『ザワザワザワザワ……』

「良いか! 皆の力で、このニヤ国をヤーシブから、全力で守るのじゃ!!」

『オオォーーーーーーッ!!』

 ダガヤ王の一言で、民衆は団結していた。
 この争いの発端は、俺とミャーが結婚をしたことだから、俺にも原因はある。
 そんな思いが俺の頭の片隅にはあった。
 この大勢の民衆の姿を見ていて、俺は居ても立ってもいられなくなった。

「お父様、俺にも一言、民衆に伝えたいことがあるんですが、いいでしょうか?」
「ああ、構わんよ。好きにすればいい」
「ありがとうございます」

 そして、俺は、民衆の前に立ち、こう叫んだ。

「皆の者ーーっ!! 必ずや、ヤーシブからこの国を守り、皆が平和に安心して暮らしていける、そんな国を一緒に作っていこうじゃないか!!」

『ワアァァーーーーーーッ!!』
『タローッ!! タローッ!! タローッ!! タローッ……!!』

 それは、俺のニヤ国、王子としての始まりでもあったんだ……。


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