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■第4章: キス! キス! キス!

【 第8話: 目覚めの一杯♪ 】

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 翌朝、俺はまたミャーの言葉と、体を揺らされる感覚で目を覚ました。

「タロー、おはようにゃ。起きてにゃ、ねぇ、タロー。ねぇってばぁ~」
「ん、んん……、あ、あれっ……、俺、またいつの間にか寝ちゃってたのか……」

 ミャーを見ると、そのかわいいほっぺをプクッと膨らませて、少し不機嫌そうだった。
 無理もない。新婚初夜に、俺は意識を失い、寝てしまったのだから……。
 俺は、精一杯の明るい声で、ミャーにこう声をかけた。

「ミャー、おはよう! き、君とこんな風に朝を迎えられるなんて、こ、こんな光栄なことはないよ……」
「何か、タロー、わざとらしいにゃ」
「そ、そんなことは、な、ないよ……。こんな素晴らしい妻をもらって俺は、最高に幸せ者だ……」
「ホントにゃ?」
「ああ、ホントにゃぞ……」

 ミャーは俺の顔をじーっと見つめ、すぐにいつものかわいらしい笑顔に戻って、俺に抱きついてきた。

「タロー、ありがとにゃ♪」
「あ、ああ……」

『チュ~、チュ~、チュ~……』

「(ああ~、こいつまた俺の血を吸ってやがる……。でも、耐えるんだ……。こいつの機嫌が直るなら……。踏ん張れ、タロー……)」

『チュポン!』

「あっ、ゴメンにゃ、タロー……。また、血ぃ吸っちゃったにゃ……」
「あ、ああ、いいんだよ、ミャー……。朝の一杯、おいしかったかい……?」
「うん♪ タローの血、大好き♪」
「そ、それは、良かった……。はははは……。グリフ、グリフ~? な、何か栄養になるもの持って来てくれないかぁ~……」

『バタッ……』

「タ、タローッ!!」

 俺は、またしても意識を失い、夢の中へ逆戻りしていった……。


 ――その後、再び目を覚ますと、いつの間にかダガヤ王が俺の枕元に来て、心配そうな顔をしていた。

「お、お父様……」
「タローよ、昨日は激しい新婚初夜だったのであろう……。よっぽど、疲れたのじゃな。今日は、ゆっくりと休むがよい」

「えっ……?(い、いや、違うんだけどさ……。俺、こいつに血ぃ吸われちゃったのさ……。あんたの吸血娘にさ……)」

 安心したダガヤ王は、それ以上何も言わず、黙って部屋から出て行った。

 まだ、ミャーとの新婚生活は始まったばかりだ。
 この先、どんなことが待ち受けているのか、俺は、それを考えると、末恐ろしくなった……。

「ちいとにゃあ、大人ししとらんと、ええころかげんに、やられちまうがや……(訳:少しの間、大人しくしていないと、いい加減に、やられてしまうよ)」


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