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■第4章: キス! キス! キス!

【 第5話: 精力つけろ!? 】

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「タロー様、こちらが今日のメインディッシュとなります」
「あ、ありがとう……、グリフ……」

 な、何だ……。またこの得たいの知れない食べ物は……?
 上に赤いソースがかかっているが、この形には見覚えがある……。
 黒い丸みを帯びた胴体。そこから出ている毛の生えている8本の足。
 そして、小さな沢山の目……。これは、きっとやつに違いない……。

「あれっ? タロー、『タランチュラの血液ソースがけ』食べないのかにゃ?」

 やっぱり、そうだった……。
 こんなの食べる訳ない……。お前らには大好物なんだろうがな……。

「タロー、また『あ~ん』してあげるにゃ」
「(こ、こいつ……、また、余計なことを……)」

 俺は、参列者を見る。
 また、皆、急に動きを止めて俺たちを見ている……。

 これは、まずい……。
 またしても、逃げられないぞ……。
 どうする……? タローよ……。

「はい、タロー。おいしいにゃ。『あ~ん』するにゃ」
「あ、あ~ん……。パクッ……」

『モグモグモグ……』

「(あ~、何か汁みたいの出てきちゃてるし、足の毛が気持ち悪っ!)」

 俺は、皆の視線を浴びながら、一気にそれを飲み込む。

『ゴクリ……』

 そして、俺は一言こう言った……。

「ミャー、ありがとう。おいしいよ……」

 すると、参列者はそれを待っていたかのように、大きな歓声を上げて、俺たちを温かく祝ってくれた。

『ワ~ッ! パチパチパチパチパチ……』

 あれっ? これって、昨日も、同じようなことを経験したような気がする……。
 すると、ダガヤ王が俺の姿を見て、こんなことを言った。

「我息子、タローよ。それを食べれば、今晩の『新婚初夜しんこんしょや』は燃え上がること必至じゃの」

「(新婚初夜……?)」

 俺は、慌ててミャーを見る。

「(あぁ~、マジか……。やっぱり、赤い顔して、またモジモジっちゃってるじゃねぇかぁーーっ!!)」


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