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■第4章: キス! キス! キス!

【 第1話: お披露目だにゃ♪ 】

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『パンパカパパパパパーーーーンッ!♪』

「ワァーーーーッ!」

 婚礼の儀が終了すると、何やら外が騒がしくなっていた。
 大勢の人たちが、このお城の周りに集まってきているようだ。
 一体、何が始まるのか……。

 すると、グリフが俺たちの元へ現れ、膝を付くとこんなことを口にする。

「タロー様、ミャー様、只今から、民衆に向けて、お二人のご結婚の報告を致します。そろそろ、3階のバルコニーへ参りましょう」
「民衆に結婚の報告を?」
「はい。お二人は、正式に次期王と王妃候補になられたのです。ですから、民衆に結婚のご報告を」
「わ、分かった……。(もう、後に引けないぞ……。観念するしかないな……)」

 俺は、もう覚悟を決めるしかなかった……。
 何故か知らないが、2日の内に、俺はニヤ国の王子として迎えられてしまったのだ。
 こんなことが、トントン拍子に行っちゃってもいいんだろうか……。
 俺は、そんな不安を抱えながらも、ミャーと一緒に、民衆の待つバルコニーへ向かった。

 お城の3階のバルコニーへ出てみると、城の周りに何百、いや、何千という民衆が既に集まっていた。
 そして、俺たち二人の姿を見ると、一段と大きな歓声が上がる。

「ワァーーーーーーッ!! おめでとうございます! タロー様、ミャー様!」

 俺は、その人数の多さに圧倒された。
 お城をぐるりと囲むように、人々が押し寄せていたのだ。

 とりあえず、俺は、民衆に向かって手を振ってみた。
 すると、一段と大きな歓声が上がった。

「ワァァーーーーーーーーーーッ!!」

 俺とミャーがバルコニーの中央へ到着すると、ダガヤ王がこう宣言した。

「皆の者! 本日先ほど、タロー王子とミャー王女、二人の婚礼の儀が無事終了した! ここに、二人が正式に結婚したことを報告する!」

『パンパカパパパパパーーーーンッ!♪』
「ワァーーーーーーッ!! おめでとうございます! タロー様、ミャー様!」

「(これで、俺はこのニヤ国の王子になっちゃったのか……。名古屋の父ちゃんと母ちゃんに、なんて報告したらいいんだ……)」

 俺は、訳も分からず、顔を引きつらせながら、ただただ、ありんこのような民衆に手を振り続けていた……。


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