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■第3章: 幼な妻

【 第8話: タロー王子誕生! 】

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 パイプオルガンのメロディが流れる中、両サイドの王族たちに迎えられながら、俺たちは正面のダガヤ王の待つ教会の壇上へと向かった。
 俺たちが壇上の前まで来ると、ダガヤ王が俺たちに向かってこう言った。

「昨夜は、『夫婦の契り』ご苦労じゃった。これで二人は正式に夫婦となる。そして、タロー王子よ。そなたは、わがニヤ国の第2859代の正式な王子となるのじゃ。ミャーのことをよろしく頼むぞ」
「は、はい。お父様……」

「それでは、これより『婚礼の儀』を始める」

 いよいよ、俺たちの婚礼の儀が始まってしまった。

「汝『タロー』は、新婦『ミャー』を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、『ニヤの神』に誓うか?」
「は、はい。誓います……」

「汝『ミャー』は、新郎『タロー』を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、『ニヤの神』に誓うか?」
「はい。誓いますにゃ……」

「うん。それでは、『』を」
「えっ? キ、キス……、ですか……」

「そうじゃ。お主たち、昨夜、済ませたのじゃろ?」
「い、いえ……、まだ……」
「お主は、腰抜けじゃのう。それでは、ここで『誓いのキス』をするのじゃ」

 俺だってしたかったさ……。
 でも、ミャーに血を吸い取られて、貧血になっちゃって、意識失っただけなんだよな……。

 俺はそんなことを考えながらも、ミャーの方を向くと、顔の前にある白い透き通ったベールを、震える手で持ち上げた。

「(い、いよいよだ……。うわっ、何だ……。よくよく見たら、めちゃくちゃかわいいな……。こいつ……)」

 ミャーはまた胸の前で猫ニャンニャンの手をワチャワチャして、顔を紅潮こうちょうさせていた。
 この合図は、ミャーが何かを欲している時にする仕草だ。

 ミャーは、確かに俺の、32歳のおっさんのキスを欲しがっている。
 俺は、ミャーの行動パターンを既に把握しつつあった。


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