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■第3章: 幼な妻
【 第3話: 『Mecchan Co』? 】
しおりを挟む「チュ~、チュ~、チュウ~……」
「痛ててててて……!! な、何しとるだぁーーっ!!(何してるのだ)」
俺は、ミャーを突き飛ばすと、円形のベッドの隅へと逃げた。
すると、俺の声を聞きつけたグリフが、慌てた様子で部屋に入ってきて、俺たちのいるベッドへ駆け寄った。
「タロー様、どうかなされましたか!?」
「ど、どうもこうもない!! ミャーがいきなり、俺の首に噛み付いて、チュ~チュ~と血を吸いやがったんだ!!」
すると、グリフは、やさしい笑顔でニヤリと笑い、俺にこう言った。
「タロー様、ミャー様、おめでとうございます」
「お、おめでとうじゃねぇだろ!!」
俺はグリフにツッコむ。
「タロー様、ミャー様、これでお二人は、正式な『夫婦の契り』を交わされました」
「な、何っ? 夫婦の契りって……、まさか、これ……?」
「はい。タロー様、これでお二人は、結ばれたのです」
「結ばれた……?」
「はい。ミャー様は、今夜初めて生きた人間から、『生き血』をお吸いになられたんです」
「はぁ? 何言ってんの……?」
「わがニヤ国の古くからの掟で、王女は15歳成人になられると、生きた人間の血を吸った相手を次の王候補とすることができるのです。そして、人間の生き血を吸った王女は、新たに『魔法の力』を手に入れることができるのです」
「王候補……? 魔法の力……?」
「はい。これで、ミャー様は、『魔法の力』を手に入れたのです。ミャー様、そのお力を、タロー様に見せてあげて下さい」
「わ、分かったにゃ。グリフ」
ミャーは、そう言うと、ベッドの上で立ち上がり、俺の方を見てこう叫んだ。
「『Mecchan Co~♪』、タローの右手よ上が~れにゃ♪」
すると、俺の右手は、自分の意思に反し、勝手に上がっていくではないか……。
「う、うわぁ~!? な、なんだこれ~!? 勝手に右手が上がっていく~!?」
「タロー様、これがミャー様が得た『魔法の力』、『Mecchan Co』の威力です」
「め、めっちゃんこ……? それは、名古屋弁で『すごく』とか『非常に』とかに使うやつだがや!」
「名古屋国では、そういう意味があるのですね。タロー様」
「ああ~、何だか、めっちゃんこややこしいがや……」
俺は、こうしてミャーに血を吸われて、ニヤ国でいうところの『夫婦の契り』というやつと、『カプッ』というプレイを初体験したのだ……。
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