13 / 63
■第2章: 名古屋弁とニヤ国弁?
【 第4話: ちんちこちん? 】
しおりを挟む「さあ、皆、グラスを持って乾杯だ!」
何人かの召使いたちが、順番に参加者のワイングラスに、赤いワインらしきものを注いでいた。
そして、俺たちのところにも召使いがやってきて、大きなボトルからその赤い液体をグラスに注いだ。
んっ? 何やら違和感が……。
「(ワインにしては、少し粘り気があるな……。何でだ……?)」
「さあ、行き渡ったようなので、乾杯しよう!」
『かんぱーーい!!(かんぱーーい!!)」
俺はその赤ワインらしきものを飲むために、グラスに鼻を近づけた。
「(んっ? な、何だ……。この少し鉄のような生臭いにおいは……? こんなワインあるのか……?)」
俺は、皆が飲んでいるのを見て、俺だけ飲まないわけにはいかなった……。
思い切って、鼻を摘んで、ゴクリと飲んでみる……。
『ゴクッ……』
「!?……。うげげげげげげぇーーーーっ!! な、何だこれはぁーーーーっ!!」
すると、ミャーが心配そうに俺にこう言ってきた。
「タロー? ひょっとして、A型の血、口に合わなかったにゃ……? B型の血に変えるにゃ?」
「はぁ? A型の血ーーーーっ!! うげげげげげげぇ~~っ……」
「ねぇ、グリフ! どうもタローは冷たいのは苦手みたいだから、熱いのに変えて差し上げてにゃ!」
「はい。熱い血でございます。タロー様!」
グリフは、そう言うと、半ば強引に俺の口にその熱い血液を流し込んだ……。
「うわちちちちちーーーーっ!! これ、『ちんちん』だがや!!」
「タ、タロー……、ち、『ちんちん』だにゃんて……」
「おみゃー、こんな『ちんちこちん』の血液なんか飲めせんわーーーーっ!!」
「ち、『ちんちこちん』……にゃ……?」
「タロー様……、そのお言葉は、まだ姫には、刺激がお強いかと存知ます……」
「たーけっ!!(ばかやろう!) 『ちんちん』は名古屋弁で、標準語の『熱い』の意味!! そんで、『ちんちこちん』は『熱い』の最上級の意味だがや!! 勘ちぎゃーしとったら、だちかんぞ!!(勘違いしていたら、いけないよ)」
俺は、この熱い血液の飲み物に、思わず名古屋弁丸出しでしゃべっていた……。
『ちんちこちん……』(名古屋弁で熱いの最上級の意)
この言葉を、ニヤ国の人々が理解できる訳もなく、勘違いされても仕方なかったなと、今更ながらに思う俺だった……。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。


好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる