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学園編
13:招待*
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「服の上から見ても思ってたけど、いやぁ、リヴィ先輩やっぱり大っきいんね……」
肌蹴たシャツの下、鎖骨や肩にも薄茶のそばかす。
そしてグラマーなリヴィアンは胸や尻がどうやっても目立つ。
好奇の視線を集めてしまうことは半ば諦めていたが、ロキからも"そういう"目で見られていたことを明かされると流石に恥ずかしい。
この国のランジェリーは上下セパレートタイプ。
既に息苦しいコルセットが廃れ、比較的に締め付けの低く動きやすいビスチェとショーツが主流だった。
ただしブラよりも布面積が広いので、夏は熱がこもって蒸れるのが困りもの。
特にリヴィアンのように大きな胸ではアンダーバストから腹や背中に汗を掻きがち。
指なら根本まで易々と呑み込む深い谷間。
ビスチェの留め金を上から順に外せば、弾けるように二つの半球体に変わった。
骨が軋みそうな程いっぱいに広げてもリヴィアンの掌では全く足りずに溢れてしまう大きさ。
そのまま両手の指先を向かい合わせてドームを作り、やっと片方の乳房が収まるくらいか。
触れてきたロキに下から掬い上げられれば柔らかく形を変える。
ビスチェの中で汗ばんでいた所為もあって熱く、しっとりと吸い付きながら弾力が押し返す。
それにしても、ここに居る少年はただ可愛いだけでないと今更ながら。
幼いとばかり思っていたのに、初めて触れられた時から骨張った指の長さに気付いていた。
乳房を揉む手は広い甲に血管が浮き出て、しっかりと硬い男の物。
「こないだのブランマンジェ思い出すんね……白くて、モチモチしてて、すっごく良い匂いするわぁ」
顔を埋めて、歯を立てながらロキが独り言。
唇と同じコーラルピンクに色付いた先端は牙の先が当たる度に硬くなっていく。
「おっぱい吸いながら喋んないで……」
乳房はよく食べ物にも例えられるものだが、まさかこういうことになるとはお茶会の時に思ってもみなかった。
香りが似ているなんてそれもその筈、先日のブランマンジェはラベンダー風味。
リヴィアンが愛用するアロマミストのトップノートと同じ。
服を着る前に吹き付けるので、脱いだ時にこそ汗よりも強く香り立つ。
本人は激しく責め立てているつもりでも、不器用な男では飢えて母乳を求める赤ん坊のようにしかならず笑いそうになってしまうことは前世で何度もあった。
対してロキは好んで汗を舐めながら荒い息遣い、どことなく獣を思わせる。
かじり付いてでも逃さずに、そのまま柔らかい部分から喰い尽くされそうな雰囲気。
恐ろしさはあらず、むしろ、いっそ思い切り噛み付いてくれやしないかと期待すら。
欲望が生まれたことを自覚して息苦しくなる。
これもきっとロキに伝わっているかもしれない。
今しがた上げたリヴィアンの抗議は呆れを装ったようで、吐息混じりに掠れた声。
胸に顔を寄せられては、この心音など隠せやせず。
自分で弄ろうと腹部へ片手を伸ばしたら、再びロキに掴まれた。
ショーツに潜り込む時は指を絡め合いながら。
小さな薄布の下、不揃いな動きの十本が熱い泥濘を掻き回す。
「んん……ッ、ロキ君、やだ、待って……」
「これでお相子なんね」
緩く瞼を落として、艶めいた表情でロキが意地悪く。
訳も分からず達してしまった時の意趣返しか。
リヴィアンと同じようにキスして、唇も下腹部も水音を奏でる。
欲望に火種が点いては燃え尽きるまで止まれない。
待ち侘びた刺激に腰を揺らして、いやらしく貪るだけ。
実際にはまだ目にしたこともない未知の部分。
ロキも触れ方など分かるまいが、飽くまでも指先は丁寧で細やか。
快楽として受け入れるリヴィアンを愛しげに見つめる。
「あっ、そこ……イく、イッひゃ……っあぁ……!」
自慰では届かない奥まで達する長い指。
深く呑み込んだまま締め付けて、リヴィアンの身体が震える。
軽くながらもロキに昇りつめさせられてしまった。
ただ、言われた通りこれで同等。
「次……触りっこでもする?」
「その前に僕がパンツ脱がせたい」
「いや、ちょっと、それはダメっていうか……」
「何でもして良いし、お好きにどうぞって先輩が言ったんに」
約束を盾にショーツを引っ張ろうとするロキと、言い淀むリヴィアンの攻防。
結果はどちらでも同じことだというのに。
どうせ気の済むまで、見せて触って戯れ合う時間。
情欲の波が引けば、余韻が心地良い怠さ。
後悔しまいと決めたので多少の気まずさは無視して乱れた衣服を直す。
窓から吹き込んだ風に部屋の空気が洗い流される。
汗ばんだ肌を撫でて冷ましてはくれるが、どうにも脱ぎ捨てた下着が張り付いてしまう。
一度灼熱まで上がったからにはまだ足りない。
喉が渇いてコーヒーの存在を思い出したが、放置時間が長過ぎた。
もう氷が溶け切ってグラスの中ですっかり薄い色。
きっと食堂の物よりも水っぽい味だろう。
それでも構わず口を付けようとしたら、ロキに回収されてしまった。
「淹れ直しますね」
「ありがと……でも服着てからで良いわよ」
あちらは何とかベルトを締め直しているが、まだ上半身にはシャツを羽織っただけ。
まだ生硬く幼さの残る身体つきと色濃く残る情事の匂いがアンバランスで目に痛い。
割り切ったつもりでも罪悪感だけは棘を刺す。
二杯目は何故かミルクと砂糖を勝手に足されていた。
これはこれで美味いので文句は無いが。
ロキも同じ物を飲んでいるので、ただお揃いにしたかっただけだろうか。
自分の好みを共用したいというなら可愛らしい。
気が利くことで濡らしたタオルも渡された。
肌の火照りと体液を拭うが、キスする前のように元通りとはいかず。
確かに見た、触れた、味わった。
「これって結局"プレゼントは僕"ってことになるのかしらね」
思いがけない発言に、ロキが吹き出した。
小さな笑いが治まらず震えている。
ふと視線を落とせばサバランを入れていたケーキの箱とおまけのリボン。
夏らしいレモンイエロー、リヴィアンの髪と同系色。
手に取るとロキの背後へ回って「動くな」と指示し、戯れで一掴みの銀髪に蝶々結び。
「貰うわよ、それじゃ改めて宜しくね」
「えっ、先輩、付き合ってくれるってこと?本当?」
そう宣言すると"プレゼント"は丸い目で振り返った。
半ば無理やり事に及んでおいて、今更何なのだ。
「あらまぁ、何でそんな意外そうなのかしら……」
「リヴィ先輩が僕のこと好きなのか、よく分からなかったので」
「親愛とか友愛の意味なら、確かにロキ君のこと好きよ。性愛も加わったのは今さっきだけど」
「あっ、好きって今言うんね……」
またも思いがけない言葉を受けて、今度は照れる。
何だか今日はロキの知らない面を沢山見てしまった。
「僕も、リヴィ先輩が好きです……性愛込みで」
「そうね、思い知らされたわ」
既にリヴィアンは日頃の平静を取り戻し、何を考えているのか読めない目。
もう腹を括った後は揺るがず。
事実、好意自体はこちらも持っていたのだし。
現実的な視点で言えば、友達の延長線上での交際なんてよくある話。
学生同士ならば尚更であろう。
物語の世界で劇的な生死や色恋ばかりを重ねてきたので、すっかり麻痺していた。
惚れていた情夫に殺された前世だってある。
今までの経験と比べてみたら普通かもしれないが、こうした切っ掛けで始めるのも悪くない。
ただ、今生最初で最後の恋とも思っておらず。
いつかは手を離す覚悟の上。
「……で、どこでなら最後までして良えの?」
勿論、約束をロキは忘れてない。
「次」があること前提で条件を呑んだのだから。
飽くまでも場所の問題だというなら明確に答える必要があり、第一それもいつになるやら。
「だって先輩、明日から二週間も居なくなるし……次のこと約束しないと、寂しくて死にそうなんよ」
そう、田舎への旅立ちは明日の朝に迫っていた。
外泊申請も大体の荷造りも済んでおり、もう待つだけの自由時間。
予定を立てていた時は誕生日も一人で気楽に過ごすつもりだったので、夏休みが始まったらすぐ発つつもりだったのだが。
ロキからもう少し勉強に付き合って欲しいと申し出を受けて、例年よりも数日遅れ。
まさか告白を目論んでいたのが本当の理由とは。
「もしフッた後に二週間も離れてたら自然消滅してたかしらね、全部」
「あらまぁ、キッツいこと言うんね……」
「綺麗に忘れて次へ行った方が良いんだから、離れるのはむしろ優しいわよ。それで、私居なくても大丈夫かしら」
「ん……今日のこと思い出せば何日か乗り切れるかと思ったけど、なんか余計に苦しくなりそうだわぁ……」
尻尾を垂らす仔犬の顔で弱音を吐く。
置いて行かないで欲しいと、下がり眉なので悲しみは雄弁に。
こんなことの後では長い長いお預け。
ペットを飼うと旅行が出来ないとはよく言うものだ。
そもそもロキは自分のことなら自分で出来る訳で人として対等に扱うべきなのだが、つい思考の癖。
手紙ぐらいは書くし、土産も持って帰る。
喉の辺りまではそう言おうと準備していたのに。
「ロキ君、一緒に来る?」
気付いた時には、唇から滑り落ちていた誘い。
無意識で形を変えていた言葉にリヴィアン自身が一番驚いていたが、辛うじて動揺を呑む。
そんな虚勢で精一杯、取り消すという選択肢すら頭から抜けていた。
肌蹴たシャツの下、鎖骨や肩にも薄茶のそばかす。
そしてグラマーなリヴィアンは胸や尻がどうやっても目立つ。
好奇の視線を集めてしまうことは半ば諦めていたが、ロキからも"そういう"目で見られていたことを明かされると流石に恥ずかしい。
この国のランジェリーは上下セパレートタイプ。
既に息苦しいコルセットが廃れ、比較的に締め付けの低く動きやすいビスチェとショーツが主流だった。
ただしブラよりも布面積が広いので、夏は熱がこもって蒸れるのが困りもの。
特にリヴィアンのように大きな胸ではアンダーバストから腹や背中に汗を掻きがち。
指なら根本まで易々と呑み込む深い谷間。
ビスチェの留め金を上から順に外せば、弾けるように二つの半球体に変わった。
骨が軋みそうな程いっぱいに広げてもリヴィアンの掌では全く足りずに溢れてしまう大きさ。
そのまま両手の指先を向かい合わせてドームを作り、やっと片方の乳房が収まるくらいか。
触れてきたロキに下から掬い上げられれば柔らかく形を変える。
ビスチェの中で汗ばんでいた所為もあって熱く、しっとりと吸い付きながら弾力が押し返す。
それにしても、ここに居る少年はただ可愛いだけでないと今更ながら。
幼いとばかり思っていたのに、初めて触れられた時から骨張った指の長さに気付いていた。
乳房を揉む手は広い甲に血管が浮き出て、しっかりと硬い男の物。
「こないだのブランマンジェ思い出すんね……白くて、モチモチしてて、すっごく良い匂いするわぁ」
顔を埋めて、歯を立てながらロキが独り言。
唇と同じコーラルピンクに色付いた先端は牙の先が当たる度に硬くなっていく。
「おっぱい吸いながら喋んないで……」
乳房はよく食べ物にも例えられるものだが、まさかこういうことになるとはお茶会の時に思ってもみなかった。
香りが似ているなんてそれもその筈、先日のブランマンジェはラベンダー風味。
リヴィアンが愛用するアロマミストのトップノートと同じ。
服を着る前に吹き付けるので、脱いだ時にこそ汗よりも強く香り立つ。
本人は激しく責め立てているつもりでも、不器用な男では飢えて母乳を求める赤ん坊のようにしかならず笑いそうになってしまうことは前世で何度もあった。
対してロキは好んで汗を舐めながら荒い息遣い、どことなく獣を思わせる。
かじり付いてでも逃さずに、そのまま柔らかい部分から喰い尽くされそうな雰囲気。
恐ろしさはあらず、むしろ、いっそ思い切り噛み付いてくれやしないかと期待すら。
欲望が生まれたことを自覚して息苦しくなる。
これもきっとロキに伝わっているかもしれない。
今しがた上げたリヴィアンの抗議は呆れを装ったようで、吐息混じりに掠れた声。
胸に顔を寄せられては、この心音など隠せやせず。
自分で弄ろうと腹部へ片手を伸ばしたら、再びロキに掴まれた。
ショーツに潜り込む時は指を絡め合いながら。
小さな薄布の下、不揃いな動きの十本が熱い泥濘を掻き回す。
「んん……ッ、ロキ君、やだ、待って……」
「これでお相子なんね」
緩く瞼を落として、艶めいた表情でロキが意地悪く。
訳も分からず達してしまった時の意趣返しか。
リヴィアンと同じようにキスして、唇も下腹部も水音を奏でる。
欲望に火種が点いては燃え尽きるまで止まれない。
待ち侘びた刺激に腰を揺らして、いやらしく貪るだけ。
実際にはまだ目にしたこともない未知の部分。
ロキも触れ方など分かるまいが、飽くまでも指先は丁寧で細やか。
快楽として受け入れるリヴィアンを愛しげに見つめる。
「あっ、そこ……イく、イッひゃ……っあぁ……!」
自慰では届かない奥まで達する長い指。
深く呑み込んだまま締め付けて、リヴィアンの身体が震える。
軽くながらもロキに昇りつめさせられてしまった。
ただ、言われた通りこれで同等。
「次……触りっこでもする?」
「その前に僕がパンツ脱がせたい」
「いや、ちょっと、それはダメっていうか……」
「何でもして良いし、お好きにどうぞって先輩が言ったんに」
約束を盾にショーツを引っ張ろうとするロキと、言い淀むリヴィアンの攻防。
結果はどちらでも同じことだというのに。
どうせ気の済むまで、見せて触って戯れ合う時間。
情欲の波が引けば、余韻が心地良い怠さ。
後悔しまいと決めたので多少の気まずさは無視して乱れた衣服を直す。
窓から吹き込んだ風に部屋の空気が洗い流される。
汗ばんだ肌を撫でて冷ましてはくれるが、どうにも脱ぎ捨てた下着が張り付いてしまう。
一度灼熱まで上がったからにはまだ足りない。
喉が渇いてコーヒーの存在を思い出したが、放置時間が長過ぎた。
もう氷が溶け切ってグラスの中ですっかり薄い色。
きっと食堂の物よりも水っぽい味だろう。
それでも構わず口を付けようとしたら、ロキに回収されてしまった。
「淹れ直しますね」
「ありがと……でも服着てからで良いわよ」
あちらは何とかベルトを締め直しているが、まだ上半身にはシャツを羽織っただけ。
まだ生硬く幼さの残る身体つきと色濃く残る情事の匂いがアンバランスで目に痛い。
割り切ったつもりでも罪悪感だけは棘を刺す。
二杯目は何故かミルクと砂糖を勝手に足されていた。
これはこれで美味いので文句は無いが。
ロキも同じ物を飲んでいるので、ただお揃いにしたかっただけだろうか。
自分の好みを共用したいというなら可愛らしい。
気が利くことで濡らしたタオルも渡された。
肌の火照りと体液を拭うが、キスする前のように元通りとはいかず。
確かに見た、触れた、味わった。
「これって結局"プレゼントは僕"ってことになるのかしらね」
思いがけない発言に、ロキが吹き出した。
小さな笑いが治まらず震えている。
ふと視線を落とせばサバランを入れていたケーキの箱とおまけのリボン。
夏らしいレモンイエロー、リヴィアンの髪と同系色。
手に取るとロキの背後へ回って「動くな」と指示し、戯れで一掴みの銀髪に蝶々結び。
「貰うわよ、それじゃ改めて宜しくね」
「えっ、先輩、付き合ってくれるってこと?本当?」
そう宣言すると"プレゼント"は丸い目で振り返った。
半ば無理やり事に及んでおいて、今更何なのだ。
「あらまぁ、何でそんな意外そうなのかしら……」
「リヴィ先輩が僕のこと好きなのか、よく分からなかったので」
「親愛とか友愛の意味なら、確かにロキ君のこと好きよ。性愛も加わったのは今さっきだけど」
「あっ、好きって今言うんね……」
またも思いがけない言葉を受けて、今度は照れる。
何だか今日はロキの知らない面を沢山見てしまった。
「僕も、リヴィ先輩が好きです……性愛込みで」
「そうね、思い知らされたわ」
既にリヴィアンは日頃の平静を取り戻し、何を考えているのか読めない目。
もう腹を括った後は揺るがず。
事実、好意自体はこちらも持っていたのだし。
現実的な視点で言えば、友達の延長線上での交際なんてよくある話。
学生同士ならば尚更であろう。
物語の世界で劇的な生死や色恋ばかりを重ねてきたので、すっかり麻痺していた。
惚れていた情夫に殺された前世だってある。
今までの経験と比べてみたら普通かもしれないが、こうした切っ掛けで始めるのも悪くない。
ただ、今生最初で最後の恋とも思っておらず。
いつかは手を離す覚悟の上。
「……で、どこでなら最後までして良えの?」
勿論、約束をロキは忘れてない。
「次」があること前提で条件を呑んだのだから。
飽くまでも場所の問題だというなら明確に答える必要があり、第一それもいつになるやら。
「だって先輩、明日から二週間も居なくなるし……次のこと約束しないと、寂しくて死にそうなんよ」
そう、田舎への旅立ちは明日の朝に迫っていた。
外泊申請も大体の荷造りも済んでおり、もう待つだけの自由時間。
予定を立てていた時は誕生日も一人で気楽に過ごすつもりだったので、夏休みが始まったらすぐ発つつもりだったのだが。
ロキからもう少し勉強に付き合って欲しいと申し出を受けて、例年よりも数日遅れ。
まさか告白を目論んでいたのが本当の理由とは。
「もしフッた後に二週間も離れてたら自然消滅してたかしらね、全部」
「あらまぁ、キッツいこと言うんね……」
「綺麗に忘れて次へ行った方が良いんだから、離れるのはむしろ優しいわよ。それで、私居なくても大丈夫かしら」
「ん……今日のこと思い出せば何日か乗り切れるかと思ったけど、なんか余計に苦しくなりそうだわぁ……」
尻尾を垂らす仔犬の顔で弱音を吐く。
置いて行かないで欲しいと、下がり眉なので悲しみは雄弁に。
こんなことの後では長い長いお預け。
ペットを飼うと旅行が出来ないとはよく言うものだ。
そもそもロキは自分のことなら自分で出来る訳で人として対等に扱うべきなのだが、つい思考の癖。
手紙ぐらいは書くし、土産も持って帰る。
喉の辺りまではそう言おうと準備していたのに。
「ロキ君、一緒に来る?」
気付いた時には、唇から滑り落ちていた誘い。
無意識で形を変えていた言葉にリヴィアン自身が一番驚いていたが、辛うじて動揺を呑む。
そんな虚勢で精一杯、取り消すという選択肢すら頭から抜けていた。
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