15 / 42
15.ビッグボア解体
しおりを挟む
前回の更新から2週間経ってしまい、読んでくれている方にはすみませんでした。
ちょっと体調を崩してしまいまして…。
それと今回は最初に倒したビッグボアの解体シーンを書いています。
ネットで調べて書いたので異世界らしくない所もあるかもしれません。
あまり生々しく書かないように気を付けたつもりですが、苦手な方はスルーしても大丈夫です。
ル「え!? 僕、頑張ったのに?」
作「ごめんね~、読者様が優先だから」
ル「…あ~うん、わかった」
作「メンゴ。テヘペロ」
ル「………作者がそれやると、ちょっとウザいよね」
作「ひっ!?」
ル「な~んでビビってんのかな?」
作「……いや、なんでもないよ? (口は笑ってるけど、目が笑ってないんだよ)」
ル「ん?」
作「なんでもないです! じゃあ続きをどうぞ!」
━━━━━━━━━━
僕は別に仕事を頼むために喚んだわけじゃない、あくまで夜明けまで話し相手になって欲しかっただけだ。
なのにウィズに話したのがきっかけでそれぞれ仕事を見つけて出掛けてしまった。
さて…3体とも夜行性だから喚び出したわけだけど、他は眠ってるよなぁ? わざわざ起こしてまで喚ぶほどのことでもないし…。
「仕方ない、さっきのビッグボアを解体しよ」
ほどいたばかりの髪を纏めてアップにしてから崩れないように髪止めをつける。こうすると髪が邪魔にならなくて良いんだけど、前にコレをしたら「女みたいだな」と言われたんだよね…。
はぁ、思い出さなくて良いことまで思い出しちゃったよ…。
気を取り直して暖炉の火が消えないように薪を追加してから小屋を出て扉を閉めて、少し離れて《無限収納》からビッグボアを取り出す。
体長は僕よりもデカい…2mくらいかな? 毛皮が無事なら売れたのに、蜂の巣状態にしたんだから自業自得だよね。
あぁそうだ、先に結界を張って血の臭いが拡散しないようにしないと。
他にも戦える人が居ればそんなに気にする必要もないんだけどね。周囲の警戒と迎撃を分担することもできたんだけど、今は1人だし仕方ない。
「仇なすものから我等を護る盾となれ《結界陣》」
僕を中心にビッグボアをすっぽり囲えるくらいの広さの魔法陣を足元に展開して、そこからドーム状に包み込む。
これは結界魔法のひとつで、野営とか護衛対象がいた場合の戦闘中なんかに身を護るために使う場合が多い。だから本来の用途とは言えないけれど、こんな時には便利だしね~。
適当な布を取り出してマスク代わりに覆って結んで、ついでに解体用にナイフやら包丁やら得物も出しておく。
「さて、やるかな」
えーっと確か、まず血を抜く…そうだ! 血を抜くんだから何か容器が必要だよね。
んーっと、これでいっか。ちょうど手頃な金属製の盥みたいなのがあったので取り出して地面に置く。
「頸動脈か心臓…ね。心臓が動いてるなら頸動脈でも良かったけど、止まってるから大動脈めがけて…刺す!」
ナイフを逆手に持って体重を乗せて思い切り突き刺した。
血が溢れ出てきたので水魔法で血液の流れを操作して、風魔法で盥へと誘導して血が零れないように集めていく。
この血抜き作業が不十分だと臭くてクセが強い肉質になるから気を付けろって散々言われたな~。
「……うん、もう良いかな。で、次は汚れを落とす…と。《洗浄》《清潔》」
これは生活魔法を使ってさっさと済ましてしまう。
《洗浄》で体表の汚れを落として《清潔》で念入りにしておく。変な虫とかいたら嫌だし。
「それから内臓摘出か~……これが一番嫌だな…。正直グロい」
内臓を傷つけないように腹の表面だけを切るんだっけ。切り開いたら肋骨を広げて、さらに肛門まで切り開く。
あ、そう言えば猪は死ぬと肛門の筋肉が緩むから気を付けろって言ってたな。排泄物が食肉用の分に付かないように……うへぇ。
筋を切りながら内臓を取り出して、内臓は血の入った盥に一緒に入れておく。後は血が溜まってるから熱湯で軽く洗い流す。
「《水》《加熱》」
生活魔法で水を出して更に熱を加えて、それをさきほどの血抜きと同様に水魔法で操作して注ぎ入れる。
この水そのまま捨てたら、また辺りに《清潔》かけなきゃいけなくなるし…。取り敢えず壺にでも入れとこ。
次は…体温を下げるために冷水にさらす? …だったかな? 確か血が抜けて臭みが取れるとかなんとか…。
でも他の冒険者が解体する時に冷水にさらしてるの見たことないけどな。まぁ半日から1日って話だから時間かかりすぎるし、そこまでかけるくらいなら多少臭みがあっても食べるのかも。
僕は美味しい方が良いからやるけどね!
「《浮遊》からの《異次元空間》続けて《水》更に《冷却》」
風魔法で浮かせた状態を保ちつつ、時空魔術でビッグボアを立方体の透明の箱に閉じ込める。そこへ生活魔法で水を出して、先程とは逆に水温を一気に下げる。更に箱の中の時間の流れを加速させて時短する。
「こんなもんかな」
でもコレ、毎回するの面倒だな。と言うか、皆に色々と突っ込まれたら説明するのが面倒、と言った方が正しいか。
後で魔術として組み立ててみようかな~。
「冷えるまでの間どうしようかな」
まだテトもゼファーも帰ってこないし、どうやって時間を潰そうか。
あ、そう言えば食器って用意してくれたのかな?
昨夜はドライフルーツしか食べてなかったから必要無かったけど、これからはそうもいかないよね。
さっき確認すれば良かったけど、もう皆は眠ってるし…う~ん……「備えあれば憂い無し」だよね。
よし、作るか!
結界を出て近くにある手頃な木に向けて風魔法を放つ。
「《風刃》」
太い幹の方は輪切りに、枝に近い方は千切りにして加工しやすい形に切断し、音がしないように落下する前に全て《無限収納》に収納していく。
いや待てよ、作るって言っても12人分なんてさすがに時間足りないよな。
あ~竹みたいに空洞がある木? いや、植物ってなかったかな?
「【探索】空洞がある植物」
お? 反応があった! 群生地があるみたいだけど、ここからちょっと離れてるなぁ…。
全員分を木で作るよりも竹を切って加工した方が断然早いだろう。
一応3体にも連絡しておいた方が良いよね。大体の位置は従魔契約の関係でお互い把握できるけれど、余計な心配はかけたくないし。
『ウィズ、テト、ゼファー。僕はちょっと小屋から離れるから』
『ああ』
『わかった!』
『いってらっしゃい!』
【念話】を終了して切ると小屋へ向かい、一呼吸置いて体内の魔力を練り上げて詠唱する。
「あらゆるものの侵入を拒み我等を守護する盾となれ《防護陣》」
小屋の上空に魔法陣を展開して、そこから垂直に地面まで結界で円柱状に覆う。
これで魔獣はおろか獣だって小屋に入ることはできない。
「……あ、忘れてた。ビッグボア、このままじゃ目立つな」
結界の中とはいえ解体中のビッグボアが水に包まれて空中に浮いてたら、かなり不自然だよね。
結界に近付いて重ねるように、新しく詠唱して発動させる。
「偽りの姿で敵を欺け《蜃気楼》」
水と光の複合魔術で結界を周囲の風景と同化させる。
と言っても消したわけではなく、ただの幻影だ。だから詳しい人が見れば気付かれる。
まぁ僕が戻るまでの時間稼ぎには充分だろう。こんな夜中に移動する人なんて、そうそういないんだし。
ちょっと体調を崩してしまいまして…。
それと今回は最初に倒したビッグボアの解体シーンを書いています。
ネットで調べて書いたので異世界らしくない所もあるかもしれません。
あまり生々しく書かないように気を付けたつもりですが、苦手な方はスルーしても大丈夫です。
ル「え!? 僕、頑張ったのに?」
作「ごめんね~、読者様が優先だから」
ル「…あ~うん、わかった」
作「メンゴ。テヘペロ」
ル「………作者がそれやると、ちょっとウザいよね」
作「ひっ!?」
ル「な~んでビビってんのかな?」
作「……いや、なんでもないよ? (口は笑ってるけど、目が笑ってないんだよ)」
ル「ん?」
作「なんでもないです! じゃあ続きをどうぞ!」
━━━━━━━━━━
僕は別に仕事を頼むために喚んだわけじゃない、あくまで夜明けまで話し相手になって欲しかっただけだ。
なのにウィズに話したのがきっかけでそれぞれ仕事を見つけて出掛けてしまった。
さて…3体とも夜行性だから喚び出したわけだけど、他は眠ってるよなぁ? わざわざ起こしてまで喚ぶほどのことでもないし…。
「仕方ない、さっきのビッグボアを解体しよ」
ほどいたばかりの髪を纏めてアップにしてから崩れないように髪止めをつける。こうすると髪が邪魔にならなくて良いんだけど、前にコレをしたら「女みたいだな」と言われたんだよね…。
はぁ、思い出さなくて良いことまで思い出しちゃったよ…。
気を取り直して暖炉の火が消えないように薪を追加してから小屋を出て扉を閉めて、少し離れて《無限収納》からビッグボアを取り出す。
体長は僕よりもデカい…2mくらいかな? 毛皮が無事なら売れたのに、蜂の巣状態にしたんだから自業自得だよね。
あぁそうだ、先に結界を張って血の臭いが拡散しないようにしないと。
他にも戦える人が居ればそんなに気にする必要もないんだけどね。周囲の警戒と迎撃を分担することもできたんだけど、今は1人だし仕方ない。
「仇なすものから我等を護る盾となれ《結界陣》」
僕を中心にビッグボアをすっぽり囲えるくらいの広さの魔法陣を足元に展開して、そこからドーム状に包み込む。
これは結界魔法のひとつで、野営とか護衛対象がいた場合の戦闘中なんかに身を護るために使う場合が多い。だから本来の用途とは言えないけれど、こんな時には便利だしね~。
適当な布を取り出してマスク代わりに覆って結んで、ついでに解体用にナイフやら包丁やら得物も出しておく。
「さて、やるかな」
えーっと確か、まず血を抜く…そうだ! 血を抜くんだから何か容器が必要だよね。
んーっと、これでいっか。ちょうど手頃な金属製の盥みたいなのがあったので取り出して地面に置く。
「頸動脈か心臓…ね。心臓が動いてるなら頸動脈でも良かったけど、止まってるから大動脈めがけて…刺す!」
ナイフを逆手に持って体重を乗せて思い切り突き刺した。
血が溢れ出てきたので水魔法で血液の流れを操作して、風魔法で盥へと誘導して血が零れないように集めていく。
この血抜き作業が不十分だと臭くてクセが強い肉質になるから気を付けろって散々言われたな~。
「……うん、もう良いかな。で、次は汚れを落とす…と。《洗浄》《清潔》」
これは生活魔法を使ってさっさと済ましてしまう。
《洗浄》で体表の汚れを落として《清潔》で念入りにしておく。変な虫とかいたら嫌だし。
「それから内臓摘出か~……これが一番嫌だな…。正直グロい」
内臓を傷つけないように腹の表面だけを切るんだっけ。切り開いたら肋骨を広げて、さらに肛門まで切り開く。
あ、そう言えば猪は死ぬと肛門の筋肉が緩むから気を付けろって言ってたな。排泄物が食肉用の分に付かないように……うへぇ。
筋を切りながら内臓を取り出して、内臓は血の入った盥に一緒に入れておく。後は血が溜まってるから熱湯で軽く洗い流す。
「《水》《加熱》」
生活魔法で水を出して更に熱を加えて、それをさきほどの血抜きと同様に水魔法で操作して注ぎ入れる。
この水そのまま捨てたら、また辺りに《清潔》かけなきゃいけなくなるし…。取り敢えず壺にでも入れとこ。
次は…体温を下げるために冷水にさらす? …だったかな? 確か血が抜けて臭みが取れるとかなんとか…。
でも他の冒険者が解体する時に冷水にさらしてるの見たことないけどな。まぁ半日から1日って話だから時間かかりすぎるし、そこまでかけるくらいなら多少臭みがあっても食べるのかも。
僕は美味しい方が良いからやるけどね!
「《浮遊》からの《異次元空間》続けて《水》更に《冷却》」
風魔法で浮かせた状態を保ちつつ、時空魔術でビッグボアを立方体の透明の箱に閉じ込める。そこへ生活魔法で水を出して、先程とは逆に水温を一気に下げる。更に箱の中の時間の流れを加速させて時短する。
「こんなもんかな」
でもコレ、毎回するの面倒だな。と言うか、皆に色々と突っ込まれたら説明するのが面倒、と言った方が正しいか。
後で魔術として組み立ててみようかな~。
「冷えるまでの間どうしようかな」
まだテトもゼファーも帰ってこないし、どうやって時間を潰そうか。
あ、そう言えば食器って用意してくれたのかな?
昨夜はドライフルーツしか食べてなかったから必要無かったけど、これからはそうもいかないよね。
さっき確認すれば良かったけど、もう皆は眠ってるし…う~ん……「備えあれば憂い無し」だよね。
よし、作るか!
結界を出て近くにある手頃な木に向けて風魔法を放つ。
「《風刃》」
太い幹の方は輪切りに、枝に近い方は千切りにして加工しやすい形に切断し、音がしないように落下する前に全て《無限収納》に収納していく。
いや待てよ、作るって言っても12人分なんてさすがに時間足りないよな。
あ~竹みたいに空洞がある木? いや、植物ってなかったかな?
「【探索】空洞がある植物」
お? 反応があった! 群生地があるみたいだけど、ここからちょっと離れてるなぁ…。
全員分を木で作るよりも竹を切って加工した方が断然早いだろう。
一応3体にも連絡しておいた方が良いよね。大体の位置は従魔契約の関係でお互い把握できるけれど、余計な心配はかけたくないし。
『ウィズ、テト、ゼファー。僕はちょっと小屋から離れるから』
『ああ』
『わかった!』
『いってらっしゃい!』
【念話】を終了して切ると小屋へ向かい、一呼吸置いて体内の魔力を練り上げて詠唱する。
「あらゆるものの侵入を拒み我等を守護する盾となれ《防護陣》」
小屋の上空に魔法陣を展開して、そこから垂直に地面まで結界で円柱状に覆う。
これで魔獣はおろか獣だって小屋に入ることはできない。
「……あ、忘れてた。ビッグボア、このままじゃ目立つな」
結界の中とはいえ解体中のビッグボアが水に包まれて空中に浮いてたら、かなり不自然だよね。
結界に近付いて重ねるように、新しく詠唱して発動させる。
「偽りの姿で敵を欺け《蜃気楼》」
水と光の複合魔術で結界を周囲の風景と同化させる。
と言っても消したわけではなく、ただの幻影だ。だから詳しい人が見れば気付かれる。
まぁ僕が戻るまでの時間稼ぎには充分だろう。こんな夜中に移動する人なんて、そうそういないんだし。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる