まだ見ぬ未来へ駆け抜けて!

小林汐希

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39章 珠実園での緊急会議

第157話 なにか、悪い予感がする。

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 このところ、先生の様子がおかしい。

 それに気づいたのはもうすぐ冬休み、そしてクリスマスをあと数日に控えるという頃だった。


 放課後、帰りの時間を聞くために国語準備室に行っても不在のことが多かった。

 珠実園でお仕事をしていて、以前なら先生から帰る時間の連絡があって、それに合わせて帰る準備をしていたのだけど、その連絡もなかったり。

 仕方なくひとりでお家に帰って、お夕飯を作って帰りを待つことも多くなった。

 先生が帰ってくるのがずいぶん夜遅くになって、すごく疲れているようにみえる。

「先に寝ていてもいいんだぞ?」

「結花先生も、お夕食とお風呂の準備までは起きていると言ってましたし」

 もちろん、その異変を感じて生まれてきた不安を全てを一人で押し殺せる自信はない。

 先生を信じていないわけじゃない。もっと、何か大きなことが起きそうな不安。

 千景ちゃんや学校でも話すことはできなかったから、結花先生と茜音先生も相談をしていた。

 そうしたら、二人とも何かを知っている様子だったけれど、私には教えてくれなかった。

 きっと、学校でなにか問題が起きている。ただ、直接関係はなくても在籍する生徒である私に話せることではないものなのだと直感で悟った。

「まだ花菜ちゃんは知らないほうがいいと思う。先生も随分疲れているみたいだから、お家での様子はお願いね」

 結花先生は難しい表情を浮かべながらも、私に話せる言葉を選んで伝えてくれた。



「先生、疲れてるかもしれないけど、ごはんくらいちゃんと食べないと元気出ませんよ?」

「ごめんな花菜。心配させちゃってるよな」

「ううん、私は平気。もし大変で私が力になれることがあったら教えてね?」

「毎日心配をかけていることは知っている。大丈夫だ。花菜には迷惑をかけられない」

「こらぁ、学校ではそうですけど。このお部屋では私は妻なんですからね。旦那様の健康管理も大切なお仕事です」

「ありがとうな。学校じゃ他の生徒と変わらないのに」

「それは言わない約束ですよ。卒業式までですから」

 もう学校は受験期に入ってきているし、それで忙しいこともよく分かる。お家に帰ってきて、進学先の資料や一人ずつの成績表を調べたり、私に部屋に入らないように断って夜遅くまで内申書を書いていることも増えた。

 合格圏内にいる生徒もいれば、ギリギリだったり受験先を再検討しなければならなかった生徒もいる。

 特に先生は今年初めての高校3年生の担任。だからそのプレッシャーも大きいのかなって思う。それを疲れた顔の表向きの理由にもしていると思う。


 でも……、先生が私を一番近くで見ているのと同じで、先生を見ている私の直感はそれとは別のものだと告げていた。

 学校内でおさまらず、珠実園の先生が知っているということは、想像していることよりも、もっと重い何かが起きているのは事実だと私の中では少しずつ確信が深くなっていった。
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