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【第9部〜巨人の王国編〜】
第42話 友好使節団
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友好使節団のメンバーが発表された。
団長 天道神君
副団長 ルシフェル
副団長 ミカエル
副団長 ゼウス
副団長 梵天
副団長 大黒天
副団長 阿弥陀如来
副団長 帝釈天
以上、団長に加えて7人の副団長がメンバーである。
「ねぇ、巨人族は神々を皆殺しにしようと天界に攻めて来たけど、それで友好なんて築けると思う?」
麻里奈は改めて太上老君に聞いた。
「そこで天道神君様じゃよ。天道神君様は、ヤハウェ様とアシェラ様の血を引いておられる。両国の友好の架け橋となれる唯一の人物じゃ」
太上老君は、白い顎髭を撫でながら答えた。
「アシェラの恨みはどうなるのよ?」
「アシェラが恨んでおったのは、夫を殺されたからじゃ。今頃は生き返っておるじゃろうから、恨みもスッカリと忘れておるはずじゃろうて」
「なるほど、流石は老君ね」
太上老君は遠くを見つめながら言った。
「アシェラの本音は、夫が生き返った以上はもう恨みなど無い。問題はエルの方じゃ。自分を殺したヤハウェに、仕返しをしようと企てるのは自然な流れじゃろう?それにアシェラも長年、天界で暮らしておったのじゃ。情もあると言うもの。来いと言ったのは、此方の友好使節団の話を聞いてからでも、戦を仕掛けるのは遅く無いと、夫を説得する為じゃわぃ。じゃからまだ全面戦争回避の可能性は残っておるわぃ」
太上老君は、麻里奈が真剣に聞いて来るので、嬉しくなって力説していた。
「それもこれも辿り着けるかどうかが全てじゃがの。お主らには期待しておる。その為のメンバーじゃ」
そう言うと、太上老君は立ち去った。
「ミカ、ミカ~。こっち、こっち」
ミカとアナトに呼ばれて、一緒に楽しそうに追いかけっこして遊んでいるのは、ミカエルだ。
「子供に取り入るのが上手いわね?」
麻里奈は胸の奥がモヤモヤして、頬を膨らませた。
「何だ?自分と遊んでくれないからって嫉妬か?」
ルシフェルに、皮肉を込めた笑いでは無く、爽やかな笑顔で言われると、少しだけモヤモヤが薄らいだ。
「ミカエルもアナトと同じ歳くらいの頃、一緒にあの様にはしゃいでいたのだ」
とは言え、いくら何でもはしゃぎ過ぎだと思う。
「それを嗜めるのが兄の仕事でしょうよ?」
麻里奈はプイッとムクれて言った。その姿に、高もルシフェルも笑いを抑えられない。
「それはそうと、頼んだぞアナトを」
「ああ、任された」
高は真剣な表情に戻って、ルシフェルに答えた。麻里奈と高は、アナトの軍に編成されている。
友好使節団の体を取っているから、大所帯に出来ないのだが、結局はかなりのメンバーが付いて来る事となった。それぞれが率いる兵を少なくすれば、軍と見做されないだろうと踏んだ。その為、各軍100人程度に抑えられている。つまり800人の友好使節団で巨人の国に行くと言う事だ。
「我々に万が一の事があれば、迷わず門を破壊しろ!」
この友好使節団の実質的リーダーであるルシフェルは、天界側に残る者達に厳命した。
使節団が、いよいよ門に近づいた時である。1人の男が駆け寄って来た。
「勿論、ボクも連れて行ってくれるよね?」
それは、原初人類であった。多くの者が反対したが、今更1人増えても同じ事だと言って、麻里奈が許可した。
「有難う、キミはアナトに似ているけど、アナトじゃないね?」
「ええ、そうよ。アナトなら、あの娘よ」
アナトはミカエルと言う遊び相手から引き離されて、退屈そうに絵本を読んだり、お絵描きをしていた。
「遊んであげてね。一応念の為に言っておくけど、変な事をしようとしたら許さないからね?」
かつてアダムが、アナトを押し倒した事を嗜めた。
「分かってる。今のボクは、あの頃のボクじゃない」
「それなら良いけど…」
アダムはアナトと遊び始めると、直ぐに仲良くなってご機嫌を取った。
「ねぇ、高さん。今のアナトは幾つに見える?」
「う~ん、7、8歳くらいかな?」
「なら子供が産めるわね?」
「はぁ?何言って…」
「そう言う事よ。気を付けて見ててね。アダムは必ず、幼いアナトを襲うわよ」
確かに幼女趣味の者も少なからず存在するだろう。高は半信半疑で、配下のうち数名をアナトの護衛兵としてアダムを監視させた。
数日の間は、別におかしな事は無いと報告を受けたので、麻里奈は「もっと詳細に報告しろ」と求めた。すると、裸足で走り回るアナトの足を自ら洗い、そのまま風呂に入れて身体を洗っていると言う。
「こんな事は、侍女にさせなさい!」
麻里奈は怒ってアダムに、アナトの身体を触る事を禁じた。
「別におかしくないけどなぁ…」
高が呟いたので、人払いをして詰め寄った。
「私はアダムを監視して!って言ったよね?」
「いや、だから…」
「私が怒っている理由、分からないわよね?だって、それが正常だもの。でもね?幼女趣味の男からすれば、女の子の足を洗ったり、裸を好きに触ったりすれば性欲が満たされるのよ。そう言う人もいるのよ!」
「す、すまない…」
高は、麻里奈に本気で詰め寄られて反省した。
「確かにそうだ。もし今のアナトが、ボンキュッボンなら、年齢関係無く欲情するかもな?」
ふざけてんの?と、今度は本気で麻里奈から頬を打たれた。
「痛っ…。別にふざけてないんだが?ボンキュッボンが好きか、マナ板が好きかの違いでは?」
今度は麻里奈からグーパンされそうになって、高は赤く腫れた頬を押さえて逃げ回った。
「ははは、何をやってるんだ?アイツらは」
大黒天が指を差して笑うと、皆んなはそれにつられて笑った。
団長 天道神君
副団長 ルシフェル
副団長 ミカエル
副団長 ゼウス
副団長 梵天
副団長 大黒天
副団長 阿弥陀如来
副団長 帝釈天
以上、団長に加えて7人の副団長がメンバーである。
「ねぇ、巨人族は神々を皆殺しにしようと天界に攻めて来たけど、それで友好なんて築けると思う?」
麻里奈は改めて太上老君に聞いた。
「そこで天道神君様じゃよ。天道神君様は、ヤハウェ様とアシェラ様の血を引いておられる。両国の友好の架け橋となれる唯一の人物じゃ」
太上老君は、白い顎髭を撫でながら答えた。
「アシェラの恨みはどうなるのよ?」
「アシェラが恨んでおったのは、夫を殺されたからじゃ。今頃は生き返っておるじゃろうから、恨みもスッカリと忘れておるはずじゃろうて」
「なるほど、流石は老君ね」
太上老君は遠くを見つめながら言った。
「アシェラの本音は、夫が生き返った以上はもう恨みなど無い。問題はエルの方じゃ。自分を殺したヤハウェに、仕返しをしようと企てるのは自然な流れじゃろう?それにアシェラも長年、天界で暮らしておったのじゃ。情もあると言うもの。来いと言ったのは、此方の友好使節団の話を聞いてからでも、戦を仕掛けるのは遅く無いと、夫を説得する為じゃわぃ。じゃからまだ全面戦争回避の可能性は残っておるわぃ」
太上老君は、麻里奈が真剣に聞いて来るので、嬉しくなって力説していた。
「それもこれも辿り着けるかどうかが全てじゃがの。お主らには期待しておる。その為のメンバーじゃ」
そう言うと、太上老君は立ち去った。
「ミカ、ミカ~。こっち、こっち」
ミカとアナトに呼ばれて、一緒に楽しそうに追いかけっこして遊んでいるのは、ミカエルだ。
「子供に取り入るのが上手いわね?」
麻里奈は胸の奥がモヤモヤして、頬を膨らませた。
「何だ?自分と遊んでくれないからって嫉妬か?」
ルシフェルに、皮肉を込めた笑いでは無く、爽やかな笑顔で言われると、少しだけモヤモヤが薄らいだ。
「ミカエルもアナトと同じ歳くらいの頃、一緒にあの様にはしゃいでいたのだ」
とは言え、いくら何でもはしゃぎ過ぎだと思う。
「それを嗜めるのが兄の仕事でしょうよ?」
麻里奈はプイッとムクれて言った。その姿に、高もルシフェルも笑いを抑えられない。
「それはそうと、頼んだぞアナトを」
「ああ、任された」
高は真剣な表情に戻って、ルシフェルに答えた。麻里奈と高は、アナトの軍に編成されている。
友好使節団の体を取っているから、大所帯に出来ないのだが、結局はかなりのメンバーが付いて来る事となった。それぞれが率いる兵を少なくすれば、軍と見做されないだろうと踏んだ。その為、各軍100人程度に抑えられている。つまり800人の友好使節団で巨人の国に行くと言う事だ。
「我々に万が一の事があれば、迷わず門を破壊しろ!」
この友好使節団の実質的リーダーであるルシフェルは、天界側に残る者達に厳命した。
使節団が、いよいよ門に近づいた時である。1人の男が駆け寄って来た。
「勿論、ボクも連れて行ってくれるよね?」
それは、原初人類であった。多くの者が反対したが、今更1人増えても同じ事だと言って、麻里奈が許可した。
「有難う、キミはアナトに似ているけど、アナトじゃないね?」
「ええ、そうよ。アナトなら、あの娘よ」
アナトはミカエルと言う遊び相手から引き離されて、退屈そうに絵本を読んだり、お絵描きをしていた。
「遊んであげてね。一応念の為に言っておくけど、変な事をしようとしたら許さないからね?」
かつてアダムが、アナトを押し倒した事を嗜めた。
「分かってる。今のボクは、あの頃のボクじゃない」
「それなら良いけど…」
アダムはアナトと遊び始めると、直ぐに仲良くなってご機嫌を取った。
「ねぇ、高さん。今のアナトは幾つに見える?」
「う~ん、7、8歳くらいかな?」
「なら子供が産めるわね?」
「はぁ?何言って…」
「そう言う事よ。気を付けて見ててね。アダムは必ず、幼いアナトを襲うわよ」
確かに幼女趣味の者も少なからず存在するだろう。高は半信半疑で、配下のうち数名をアナトの護衛兵としてアダムを監視させた。
数日の間は、別におかしな事は無いと報告を受けたので、麻里奈は「もっと詳細に報告しろ」と求めた。すると、裸足で走り回るアナトの足を自ら洗い、そのまま風呂に入れて身体を洗っていると言う。
「こんな事は、侍女にさせなさい!」
麻里奈は怒ってアダムに、アナトの身体を触る事を禁じた。
「別におかしくないけどなぁ…」
高が呟いたので、人払いをして詰め寄った。
「私はアダムを監視して!って言ったよね?」
「いや、だから…」
「私が怒っている理由、分からないわよね?だって、それが正常だもの。でもね?幼女趣味の男からすれば、女の子の足を洗ったり、裸を好きに触ったりすれば性欲が満たされるのよ。そう言う人もいるのよ!」
「す、すまない…」
高は、麻里奈に本気で詰め寄られて反省した。
「確かにそうだ。もし今のアナトが、ボンキュッボンなら、年齢関係無く欲情するかもな?」
ふざけてんの?と、今度は本気で麻里奈から頬を打たれた。
「痛っ…。別にふざけてないんだが?ボンキュッボンが好きか、マナ板が好きかの違いでは?」
今度は麻里奈からグーパンされそうになって、高は赤く腫れた頬を押さえて逃げ回った。
「ははは、何をやってるんだ?アイツらは」
大黒天が指を差して笑うと、皆んなはそれにつられて笑った。
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