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【第9部〜巨人の王国編〜】
第16話 西楚の覇王と共に
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魔王達は私の様に、分厚い黒雲を抜けて影の世界から人間界に来る事は出来ない。だから、魔界から人間界に通じる門を目指した。
「遅かったな?待っていたぞ麻里奈!」
「阿籍…」
私が阿籍と呼んだ者は、瑞稀が虞美人だった時の夫である項籍、つまり西楚の覇王・項羽の事だ。瑞稀と別れた後、私の事も瑞稀だと言って、私と付き合い始めた。言わば元カレだ。
「どうして魔界にいるの?」
「元々、余はここの門を守っておったのだ。お前は必ず門を通ると思い、張っておったのよ」
そう言うと、手首を掴んで抱き寄せた。
「止めて!もう貴方とは終わったのよ!今、私には付き合っている人がいるの」
両手で引き離そうと拒むと、顔を真っ赤にして怒り出した。
「余の女に手を出した奴は何処のどいつだ!?斬り捨ててくれる!」
項羽は10魔王には入っていないが、その強さは魔界最強クラスだ。瑞稀以外には従わない為、好きにさせていた。他の魔王達も項羽の強さは知っている。
「その男を今から殺しに行くんだ!お前も来るか?」
ビゼルが声を掛けると、項羽は無言で承知した。余計な事をと思ったが、項羽に攫われて犯される恐れがある。だからそうなるくらいなら、大人しく付いて来てくれた方がマシだと考え直した。それに強くて頼りになるのは間違いない。
門が輝いて開かれると、吸い込まれる様に門を潜った。
「何処なんだ、ここは?」
「ここは日本よ」
「日本だと?」
項羽は何故、日本なんだ?と言う顔をした。
「瑞稀が日本人だから、地上に戻った時に都合が良い様に、中国から日本に座標を変更したのよ」
なるほど、と納得した。
「日本からは、影の世界を移動して行きましょう」
影の世界を移動して中国の国境を侵犯すると、警告音が鳴り響いた。そして影の世界の薄暗い東支那海から6隻の潜水艦が浮上し、更にこちらに向かってくる空母らしき船影が見える。
「はんっ、人間如きが!」
「ビゼル、人間の兵器を舐めないで!核ミサイルなら極大爆炎魔法並みの破壊力があるのよ」
「何だって!?」
「しかも恐らく全ての攻撃に、貫通魔法が施されているわよ」
「馬鹿な…それなら防御なんて紙では無いか!」
「だから舐め無いで、全力で叩き潰すのよ」
『光之神槍』
先制攻撃を仕掛けたのは、中国軍の方が早かった。影の世界から侵入を試みた時点で敵だと認識され、問答無用で攻撃をして来たのだ。潜水艦からミサイルが発射された。
「避けろ!」
反射的に躱わしたが、誘導ミサイルの直撃をミューズは受けて、暗い海面に落下した。
その直後に私の呪文が命中し、1隻撃沈させた。それとほぼ同時に、他の潜水艦からミサイル攻撃を受けた。それは目の前で爆ぜて炸裂し、その破片を避けられずに腹と胸を貫通して落下した。海面に叩きつけられると、全身の骨が砕ける音が聞こえ、内臓を潰して海の底に沈んだ。
意識が遠のきながら、「冷たい…、暗い…」と感じ、この暗い海にもサメがいて、食べられたら嫌だなと思い恐怖した。
するとスクリュー音を発して、回転しながら何かが向かって来るのが見えた。「魚雷だ!」ギリギリで避けて即死は回避した。だが浮上する力は残っておらず、呼吸が出来なくて苦しみもがいた。
不意に手を掴まれて抱き寄せられ、そのまま海面に浮上した。
「ぷはあっ…げほ、ごほ、ごほっ…」
死にかけたと思い、辺りを見回すとロードや項羽達があらかた敵を片付けていた。私を助けてくれた人は誰かと思ったら、ビゼルだった。
「有難う」
そう言うと、ビゼルは照れ臭そうに頬を染めて、顔を背けた。恩人だし、可愛い所があるなと感じて、お礼に首に手を回して頬に軽くキスをした。
「陛下、愛している」
その気にさせてしまったビゼルに口付けされ、濡れた下着の中に手を入れて直接胸を揉まれた。
「ちょっ、止めて!」
「お前から誘ったんだ」
そう言うと、スカートの中に手を入れられて、下着の上から敏感な部分を触れられた。
「キャッ!」
パンツも海で濡れており、肌に張り付いているから、その上から触られても直接触られた様な刺激を受ける。
「貴様!殺すぞ!」
項羽が鬼の形相でビゼルに斬りかかると、ビゼルは何とか躱して戟を受け、手が痺れた。
二撃目をお見舞いしようとしたので、私は起き上がって両手を広げて庇った。
「仲間同士で争わないで!」
「陛下、胸が見えてます!」
前が肌けて、下着を捲り上げられた為、胸が丸出し状態になっていた。
ロードの指摘に顔を赤らめて、右手で胸を隠して左手で衣服を整えた。
「ビゼル、マジで最低だよ。助けてくれたのは嬉しいけど、それにつけ込んだら最低だよ?」
ビゼルは力無く項垂れた。項羽は、ビゼルが私に怒られてしょんぼりしたので、ザマが良いと笑った。その間に、ミューズは回復して戦線復帰していた。
だが、中国軍の攻撃はこれでは終わらずに、更に向かって来た戦闘機からミサイルや銃撃を受けた。そのほとんどの攻撃を避ける事が出来ずに受け、回復呪文に追われた。
戦闘は約4時間も続き、侵入どころか最高指導部に我々の存在を知られてしまった。
「コソコソとするのは性に合わん。堂々と攻め入れば良い」
項羽らしい言葉だ。
『神眼』
項羽のステイタスを見ると、すでに神格が貯まり、種属は人間でも仙人でも無くて「神」となっていたが、驚いたのはテンダラース(S10ランク)になっていた事だ。
他の魔王達もレベルアップしているのが分かる。頼もしい味方だと感じながら、遂に中華の地に降り立った。
「遅かったな?待っていたぞ麻里奈!」
「阿籍…」
私が阿籍と呼んだ者は、瑞稀が虞美人だった時の夫である項籍、つまり西楚の覇王・項羽の事だ。瑞稀と別れた後、私の事も瑞稀だと言って、私と付き合い始めた。言わば元カレだ。
「どうして魔界にいるの?」
「元々、余はここの門を守っておったのだ。お前は必ず門を通ると思い、張っておったのよ」
そう言うと、手首を掴んで抱き寄せた。
「止めて!もう貴方とは終わったのよ!今、私には付き合っている人がいるの」
両手で引き離そうと拒むと、顔を真っ赤にして怒り出した。
「余の女に手を出した奴は何処のどいつだ!?斬り捨ててくれる!」
項羽は10魔王には入っていないが、その強さは魔界最強クラスだ。瑞稀以外には従わない為、好きにさせていた。他の魔王達も項羽の強さは知っている。
「その男を今から殺しに行くんだ!お前も来るか?」
ビゼルが声を掛けると、項羽は無言で承知した。余計な事をと思ったが、項羽に攫われて犯される恐れがある。だからそうなるくらいなら、大人しく付いて来てくれた方がマシだと考え直した。それに強くて頼りになるのは間違いない。
門が輝いて開かれると、吸い込まれる様に門を潜った。
「何処なんだ、ここは?」
「ここは日本よ」
「日本だと?」
項羽は何故、日本なんだ?と言う顔をした。
「瑞稀が日本人だから、地上に戻った時に都合が良い様に、中国から日本に座標を変更したのよ」
なるほど、と納得した。
「日本からは、影の世界を移動して行きましょう」
影の世界を移動して中国の国境を侵犯すると、警告音が鳴り響いた。そして影の世界の薄暗い東支那海から6隻の潜水艦が浮上し、更にこちらに向かってくる空母らしき船影が見える。
「はんっ、人間如きが!」
「ビゼル、人間の兵器を舐めないで!核ミサイルなら極大爆炎魔法並みの破壊力があるのよ」
「何だって!?」
「しかも恐らく全ての攻撃に、貫通魔法が施されているわよ」
「馬鹿な…それなら防御なんて紙では無いか!」
「だから舐め無いで、全力で叩き潰すのよ」
『光之神槍』
先制攻撃を仕掛けたのは、中国軍の方が早かった。影の世界から侵入を試みた時点で敵だと認識され、問答無用で攻撃をして来たのだ。潜水艦からミサイルが発射された。
「避けろ!」
反射的に躱わしたが、誘導ミサイルの直撃をミューズは受けて、暗い海面に落下した。
その直後に私の呪文が命中し、1隻撃沈させた。それとほぼ同時に、他の潜水艦からミサイル攻撃を受けた。それは目の前で爆ぜて炸裂し、その破片を避けられずに腹と胸を貫通して落下した。海面に叩きつけられると、全身の骨が砕ける音が聞こえ、内臓を潰して海の底に沈んだ。
意識が遠のきながら、「冷たい…、暗い…」と感じ、この暗い海にもサメがいて、食べられたら嫌だなと思い恐怖した。
するとスクリュー音を発して、回転しながら何かが向かって来るのが見えた。「魚雷だ!」ギリギリで避けて即死は回避した。だが浮上する力は残っておらず、呼吸が出来なくて苦しみもがいた。
不意に手を掴まれて抱き寄せられ、そのまま海面に浮上した。
「ぷはあっ…げほ、ごほ、ごほっ…」
死にかけたと思い、辺りを見回すとロードや項羽達があらかた敵を片付けていた。私を助けてくれた人は誰かと思ったら、ビゼルだった。
「有難う」
そう言うと、ビゼルは照れ臭そうに頬を染めて、顔を背けた。恩人だし、可愛い所があるなと感じて、お礼に首に手を回して頬に軽くキスをした。
「陛下、愛している」
その気にさせてしまったビゼルに口付けされ、濡れた下着の中に手を入れて直接胸を揉まれた。
「ちょっ、止めて!」
「お前から誘ったんだ」
そう言うと、スカートの中に手を入れられて、下着の上から敏感な部分を触れられた。
「キャッ!」
パンツも海で濡れており、肌に張り付いているから、その上から触られても直接触られた様な刺激を受ける。
「貴様!殺すぞ!」
項羽が鬼の形相でビゼルに斬りかかると、ビゼルは何とか躱して戟を受け、手が痺れた。
二撃目をお見舞いしようとしたので、私は起き上がって両手を広げて庇った。
「仲間同士で争わないで!」
「陛下、胸が見えてます!」
前が肌けて、下着を捲り上げられた為、胸が丸出し状態になっていた。
ロードの指摘に顔を赤らめて、右手で胸を隠して左手で衣服を整えた。
「ビゼル、マジで最低だよ。助けてくれたのは嬉しいけど、それにつけ込んだら最低だよ?」
ビゼルは力無く項垂れた。項羽は、ビゼルが私に怒られてしょんぼりしたので、ザマが良いと笑った。その間に、ミューズは回復して戦線復帰していた。
だが、中国軍の攻撃はこれでは終わらずに、更に向かって来た戦闘機からミサイルや銃撃を受けた。そのほとんどの攻撃を避ける事が出来ずに受け、回復呪文に追われた。
戦闘は約4時間も続き、侵入どころか最高指導部に我々の存在を知られてしまった。
「コソコソとするのは性に合わん。堂々と攻め入れば良い」
項羽らしい言葉だ。
『神眼』
項羽のステイタスを見ると、すでに神格が貯まり、種属は人間でも仙人でも無くて「神」となっていたが、驚いたのはテンダラース(S10ランク)になっていた事だ。
他の魔王達もレベルアップしているのが分かる。頼もしい味方だと感じながら、遂に中華の地に降り立った。
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