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【第9部〜巨人の王国編〜】

第14話 女同士の営み

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 私は侍女達に連れられて沐浴し、汚れた身体を綺麗に洗い流した。それから晩餐会に招待され、見た事もないご馳走攻めにあった。
陛下ビーシャア、これまでの非礼お詫び致します」
 そう言って赤ワインを注いだのは、魔王ビゼルだった。私は震える手でグラスを支え、一息に飲み干した。
「良い飲みっぷりで」
 ビゼルは笑いながら立ち去った。私は安堵でため息を吐いた。
皇上ホワンシィァン、ビゼルも悪い者では無いのです。彼は心の底からアナト様を恋慕っておりました故、貴女様を偽物と決め付けてあの様な態度に出たのです。今、貴女様が皇上ホワンシィァンも同然だと知り、戸惑っているのです」
 ロードに話しかけられ、私は困った笑みを浮かべて頷いた。それから酔いを醒ます為に、ベランダに出て風に当たっていると、「風邪をひきますよ」と言われて、ロードに誘われるままに寝室へと向かった。
 部屋に入るなりロードに引き寄せられて、不意打ちで口付けをされた。私は驚いて、目をクルクル回した。
皇上ホワンシィァン…やっと2人きりになれましたね…」
 ベッドに押し倒されて、服を脱がされていると、「2人だけで楽しもうと言うの?」と、魔王フレイアと魔王クラスタ、丞相である魔王ルシエラまでもがやって来た。
 ロードは輝く様な金の髪に、透き通る様な蒼い瞳。薄ピンク色の唇はぷっくらとして柔らかく、玉のようにスベスベで雪よりも白い肌は羨ましく、私もバスト88㎝の自慢の美乳だが、ロードはそれよりも大きいのに垂れる事も無く、張りがあって形の良いバストは、同じ女性目線から見てもウットリするほどの美女だった。
 女性だけの5Pが始まって、外が明るくなるまで快楽を貪った。
皇上ホワンシィァン、女同士ってのも悪く無いでしょう?」
 上に乗られて唇を重ね、舌を絡められた。瑞稀アナトは、いつも彼女達とこんな事をしていたのかと思った。
「本当に、君臣以上の関係じゃないの」
 魔王ロードは瑞稀アナトと同じく、『絶世の美女』の称号を持っているが、そんなもの知らなくても誰が見てもロードは絶世の美女だった。ただ惜しい事に、彼女は大の男嫌いであり、百合なのだ。それだけでも世の男達は可哀想だ。
 他にも、魔王フレイアも魔王ルシエラも『絶世の美女』の称号持ちだ。魔王クラスタは持っていないが、少し大人びた可愛いらしい少女の様にも見える姿で、パッと見は15、6歳ほどに見える。その可愛らしさからは想像も出来ないほどの怪力で、自分の体重の5倍はある戦斧を片手で軽々と振り回す。可愛いらしい姿を舐められない為に、普段は漆黒の鎧に身を包んでいるから、初めは男だと思っていた。
 あれ?何で私がこんな事を知っているのだろう?そうか…これは、瑞稀アナトの記憶なのだ。確かに私の中には、瑞稀アナトがいる…、それにしても眠い。
「疲れたわ、少しだけ眠らせて…」
 寝付きの良い私は、目を閉じると直ぐに寝息を立てた。
「ふふふ、可愛いわね。実はまだ半信半疑だった。でもこれで確信したわね?身も心も完全に皇上ホワンシィァンだわ。まるで記憶を失くした皇上ホワンシィァンね…」
 フレイアもクラスタも、うっとりした目でロードと麻里奈を見て頷いた。
「本当ね。もう誰にも反論させないわ。麻里奈は、魔族である我々以上に邪悪だった。でも今の麻里奈は、まるで初めて会った頃の陛下ビーシャアみたいだわ」
 フレイアが麻里奈の髪の毛を撫で、クラスタもルシエラも同意した。
「麻里奈を守らないとね…」
「誰から?」
 クラスタがキョトンとして尋ねた。
陛下ビーシャアを力づくでも手に入れたい者は多いのよ?特にビゼルからは守らないと。決して1人にしてはダメよ」
 フレイアがキセルの様なパイプを取り出して、煙を吐き出した。
「確かにな。あいつ、陛下ビーシャアをイヤラしい目でずっと見ていたからな」
「ちっ、全く吐き気がする。男など魔王に不要なんだが…」
「ふふふ、私は義姉さんと違って、男ともHするからなぁ。気持ち良いのよ、特にアレが大きいと」
「あははは、可愛い顔して淫乱ねクラスタは」
「はぁ…」
 ルシエラはフレイアとクラスタの会話に、呆れ気味に溜息を吐き、ロードは露骨に嫌そうな表情をした。

 お昼過ぎに目を覚ますと、左腕に絡み付いてロードが眠っており、右腕にはルシエラがくっ付いていた。腕に当たる2人の柔らかい胸の感触が心地良く、身動きが取れない為、そのまま微睡まどろみタイムで、ぼーっと天井を見ていた。
「あっ!はぁ、はぁ、はぁ…うっ、うぁ…」
 足に絡み付いて眠っていたクラスタが目覚めて、私の性器に舌をわせて来た。動けない状態での責めに耐えられず、敏感な部分は反応すると、クラスタはわざとイヤらしく音を立てて舐めたり、すすった。
「あっ!もう…うっ、ダメ…イっ、イク…イク、イク、イっちゃう…」
 足の指先がった様にピンと張り、身体が強張って全身に力が入って痙攣けいれんすると、脱力して頭の中が幸福感で満たされた。
「ふふふ、イっちゃった?」
 今度は指を2本、れたり抜いたりを緩急付けて繰り返され、直ぐに2度目の高揚感に達した。
「あっ!ダメ…イったばかりで敏感だから…あっ、あんっ、はぁ、はぁ、うっ…」
 再び絶頂に達すると、意識を失っていたみたいだ。目を覚ますと、4人はすでに着替えが終わって起きていた。
陛下ビーシャア、昼食になってしまいましたね」
 私はお昼ご飯を食べに行くからと、シャワーを浴びにかされた。
 (ガオさん、ごめんなさい。新たな扉を開かれてしまったわ。でも男では無いから浮気にはならないよね?)
 自分に言い訳しながら、髪を洗った。シャワーから上がり身支度をしていると、クラスタが遅いとかすので、『衣装替チェンジ』と生活魔法を唱えて支度を終わらせた。
 昼食は私好みに合わせてくれたのだろう、和食テイストだった。心遣いが有り難い。来た時には憎しみの目で見られたが、今は羨望の眼差しで私を見て来る。麻里奈としてでは無く、瑞稀アナトとして接して来るからだ。「お前アナトが羨ましいよ」と心の中でつぶやいた。
 昼食が終わると、ロードに案内されて城内を歩いた。来た事が無いはずなのに見覚えがあり、懐かしさを感じた。これは瑞稀アナトの記憶なんだと気付いて身震いした。私の中に瑞稀アナトがいる。今の私は、いつ消えてもおかしくない状態にある。ヤン主席をこの手で倒せなくとも、瑞稀アナトが目覚めれば自分でやれば良い。でも私の存在が消える前に、ガオさんともう一度会って別れを告げたい。
 そう考えると、切なさと自身が消えてしまう恐怖で涙を流していた。

 
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