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【第8部〜龍戦争〜】
第16話 義妹
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特に夜襲なども無く、明け方を迎えた。3分の2の兵も休んではいたが、いつ夜襲を受けるか分からない為に、仮眠を取っても眠れない状態で、身体を休める事は出来なかった。
私も、うつらうつらとしながら朝を迎え、侍女達が起こしに来た。侍女は朝の支度の手伝いを行う。顔を洗う水桶を用意し、着替えの服の袖を通して着付をする。朝餉(朝食)が用意され、眠たい眼を半分閉じながら、黙々と流し込む様に食べた。
食事は、お粥とお漬物、それから汁物だけだ。およそ神魔の皇帝が食するには質素過ぎる食事は、私の命令によるものだ。戦時に於いては、下級兵と同じ食事をする。
上官だけが美味い物を食べていれば、兵士達に不満が出るからだ。これも人身掌握術の一環だ。
「早上好(おはようございます)、陛下!」
「早啊(おはよう)」
「早啊(おはようございます)、皇上(陛下)」
「早啊(おはよう)」
「早(おはよう)、妹妹(妹よ)」
「早(おはよう)、哥哥(義兄)!」
早上好は、畏まった言い方で、上司や目上の人に対して使う。なので、この挨拶をして来たのは、魔王ビゼルだ。そして早啊は、家族や友人に対して使う為、この挨拶をして来たのは魔王ロードだ。最後に早と、くだけた挨拶をしたのは、恋人に対して使う事が多い挨拶だ。だから、ルシフェルが相手だと言う事が挨拶から推測される。
結局ミカエルに邪魔をされたので、まだルシフェルとはHをしていない。でも元々好きだった事もあるし、知っている仲である為に、1度火が点くと止められない。気が付けば自然と、ルシフェルの姿を目で追っていた。視線を感じるのか、ルシフェルとよく目が合う。その度に微笑み掛けてくれて、卒倒しそうになる気持ちを抑えるのに必死だ。
ミカエルが物凄い形相で私を睨んでいる。心の中では申し訳なさもあるが、「あんた達は兄妹じゃないの」と反論して、自分を正当化している。近親相姦の間違った恋愛を、私が正してあげているのだ。
普通、自分が好きになった相手が、実の妹と毎晩Hしている仲だと知ったらどう思う?気持ち悪いと思うだろう。そんな男とは付き合えない、そう思うはずだ。私もそう思う。だけどルシフェルは、それを払拭する程のイケメンぶりなのと、私達は幼馴染だから、そんな事(2人が近親相姦の関係である事)は知っていたから許せるのだ。いや、許せないけど目を瞑るのだ。
ルシフェルは妹のミカエルと言い、幼馴染で実の妹の様に育った私と言い、絶対に妹萌えだろ、とか内心思うと笑いが溢れた。
「何か良い事でもございましたか?」
侍女が私の腕を支えながら聞いた。
「えっ?うぅん、何でも無いの」
「私はてっきり、ルシフェル様の事かと…」
「へぇ~?何でそう思ったの?」
「申し訳ございません、娘娘。どうかお許し下さい」
侍女は恐れて平伏して、地面に額をこすり付けて謝った。
「あー、別に怒ってないから、早く立って」
私が侍女を叱り付けてるなんて誤解されて、誰かに見られたくはない。特にルシフェルには。好きな人に、「この女、性格悪っ」とか思われたくない。
「で、どうしてそう思ったの?」
「いえ、ルシフェル様を見られる娘娘の目がお優しく輝いてらっしゃいますので…」
「なるほど…」
よく観察しているなぁ、と感心した。こう言う侍女は、細やかな配慮が出来る人に違いない。
「ふふふ、貴女は今日から、私の妹分にするわ」
「滅相も御座いません、恐れ多い事です。娘娘」
「私の妹分は嫌なの?」
「そ、そんな事は…御座いません。今生の喜びで御座います」
この侍女の名前は、雪英と言って、幼い頃、貧しい両親が後宮に売ったそうだ。妓楼に売られれば、身体を売る事になる。そうなれば悲惨な末路しかない人生だ。両親はせめてもの救いに、後宮に子供を差し出したのだ。
雪英は、世間的には可愛い顔をしていると思う。目はクリクリっとして、まつ毛も長くて、白い肌に浮かび上がるピンクの唇。絶世の美女の称号が無くとも、このレベルの女性がいるものだと驚く。
私の侍女だから表立って彼女に好意を寄せて来る者はいないが、時折私にでは無く、彼女に向けての熱い視線を感じる事がある。
私は雪英の手を取って、席に着かせてお菓子を用意させて食べた。戦時に於いては、更には侍女にはお菓子など贅沢品でしかない。
「私がルシフェルと上手く行く様に、応援してね?」
「勿論で御座います」
お菓子なんて賄賂を渡さなくても、私の侍女だから味方には違いないのだが、これは気持ちの問題だ。
支度が終わり、兵達の前に出ると高揚し指揮が高まった。私の「絶世の美女」スキルは、顔を見せなければ効果が無い。戦闘中は、敵も私の顔を満足に見られないので、スキル効果が発揮しない。なので鎧を着けず、着物のままで戦場に出ずに指揮に徹する事にした。勿論場合によるが。
私も、うつらうつらとしながら朝を迎え、侍女達が起こしに来た。侍女は朝の支度の手伝いを行う。顔を洗う水桶を用意し、着替えの服の袖を通して着付をする。朝餉(朝食)が用意され、眠たい眼を半分閉じながら、黙々と流し込む様に食べた。
食事は、お粥とお漬物、それから汁物だけだ。およそ神魔の皇帝が食するには質素過ぎる食事は、私の命令によるものだ。戦時に於いては、下級兵と同じ食事をする。
上官だけが美味い物を食べていれば、兵士達に不満が出るからだ。これも人身掌握術の一環だ。
「早上好(おはようございます)、陛下!」
「早啊(おはよう)」
「早啊(おはようございます)、皇上(陛下)」
「早啊(おはよう)」
「早(おはよう)、妹妹(妹よ)」
「早(おはよう)、哥哥(義兄)!」
早上好は、畏まった言い方で、上司や目上の人に対して使う。なので、この挨拶をして来たのは、魔王ビゼルだ。そして早啊は、家族や友人に対して使う為、この挨拶をして来たのは魔王ロードだ。最後に早と、くだけた挨拶をしたのは、恋人に対して使う事が多い挨拶だ。だから、ルシフェルが相手だと言う事が挨拶から推測される。
結局ミカエルに邪魔をされたので、まだルシフェルとはHをしていない。でも元々好きだった事もあるし、知っている仲である為に、1度火が点くと止められない。気が付けば自然と、ルシフェルの姿を目で追っていた。視線を感じるのか、ルシフェルとよく目が合う。その度に微笑み掛けてくれて、卒倒しそうになる気持ちを抑えるのに必死だ。
ミカエルが物凄い形相で私を睨んでいる。心の中では申し訳なさもあるが、「あんた達は兄妹じゃないの」と反論して、自分を正当化している。近親相姦の間違った恋愛を、私が正してあげているのだ。
普通、自分が好きになった相手が、実の妹と毎晩Hしている仲だと知ったらどう思う?気持ち悪いと思うだろう。そんな男とは付き合えない、そう思うはずだ。私もそう思う。だけどルシフェルは、それを払拭する程のイケメンぶりなのと、私達は幼馴染だから、そんな事(2人が近親相姦の関係である事)は知っていたから許せるのだ。いや、許せないけど目を瞑るのだ。
ルシフェルは妹のミカエルと言い、幼馴染で実の妹の様に育った私と言い、絶対に妹萌えだろ、とか内心思うと笑いが溢れた。
「何か良い事でもございましたか?」
侍女が私の腕を支えながら聞いた。
「えっ?うぅん、何でも無いの」
「私はてっきり、ルシフェル様の事かと…」
「へぇ~?何でそう思ったの?」
「申し訳ございません、娘娘。どうかお許し下さい」
侍女は恐れて平伏して、地面に額をこすり付けて謝った。
「あー、別に怒ってないから、早く立って」
私が侍女を叱り付けてるなんて誤解されて、誰かに見られたくはない。特にルシフェルには。好きな人に、「この女、性格悪っ」とか思われたくない。
「で、どうしてそう思ったの?」
「いえ、ルシフェル様を見られる娘娘の目がお優しく輝いてらっしゃいますので…」
「なるほど…」
よく観察しているなぁ、と感心した。こう言う侍女は、細やかな配慮が出来る人に違いない。
「ふふふ、貴女は今日から、私の妹分にするわ」
「滅相も御座いません、恐れ多い事です。娘娘」
「私の妹分は嫌なの?」
「そ、そんな事は…御座いません。今生の喜びで御座います」
この侍女の名前は、雪英と言って、幼い頃、貧しい両親が後宮に売ったそうだ。妓楼に売られれば、身体を売る事になる。そうなれば悲惨な末路しかない人生だ。両親はせめてもの救いに、後宮に子供を差し出したのだ。
雪英は、世間的には可愛い顔をしていると思う。目はクリクリっとして、まつ毛も長くて、白い肌に浮かび上がるピンクの唇。絶世の美女の称号が無くとも、このレベルの女性がいるものだと驚く。
私の侍女だから表立って彼女に好意を寄せて来る者はいないが、時折私にでは無く、彼女に向けての熱い視線を感じる事がある。
私は雪英の手を取って、席に着かせてお菓子を用意させて食べた。戦時に於いては、更には侍女にはお菓子など贅沢品でしかない。
「私がルシフェルと上手く行く様に、応援してね?」
「勿論で御座います」
お菓子なんて賄賂を渡さなくても、私の侍女だから味方には違いないのだが、これは気持ちの問題だ。
支度が終わり、兵達の前に出ると高揚し指揮が高まった。私の「絶世の美女」スキルは、顔を見せなければ効果が無い。戦闘中は、敵も私の顔を満足に見られないので、スキル効果が発揮しない。なので鎧を着けず、着物のままで戦場に出ずに指揮に徹する事にした。勿論場合によるが。
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