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【第6部〜アイドル編〜】

第43話

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「あんた達、離婚したのに今度は男同士で付き合っているの?」
「うん。そうだよ」
「ははは、意味が分からない…。頭、どうかしちゃったの?離婚調停の時は、あんなに怒鳴りあって、いがみ合っていたじゃないの。何がどうして、こうなったのよ?」
 俺は付き合い始めた経緯を話した。
「へぇ、人間って本当に不思議な生き物ね」
 半ば呆れて、半ば感心した様に言った。
 今の俺達の仲は良好だ。ちゃんとHもしている。昨日は、綾瀬が初めて俺のモノを咥えてイかせてくれた。夫婦の時はよくやっていたが、69になってお互いのモノを舐め合った。
 ほとんど同時にイキ、こぼす事なく飲んだ。綾瀬は、「ごめん、瑞稀は飲んでくれてるのに、俺は無理だ」と言って、ティッシュに吐き出した。俺は少し残念だった。綾瀬にも飲んで欲しかった。
 その後は必ず後背位バックで、お尻を突き出して挿入してもらった。回数が増えて来ると、ちゃんと気持ち良い。お尻に入れられて、何で気持ち良いのか分からない。でも感じるのだから仕方がない。
 綾瀬は突き入れながら、俺のモノを手で擦り、先に射精してしまったが、綾瀬は自分がイクまで止めてくれず、擦り続けるので、綾瀬がイクまでに3回も射精させられた。
 久しぶりに来夢と生活していた自宅に戻った。来夢は俺が男に戻っていたので、喜んだ。俺は何の疑問もなく、女性になった来夢を何度も抱いた。俺を育ててくれた姿の来夢を抱くと、近親相姦している気がして、物凄く興奮した。
 綾瀬と麻里奈から着信があったが、電話に出ずに来夢を朝まで抱いた。
「はぁ、はぁ、はぁ…もう出ないよ…8発が限界だった…情けない…」
「ふふふ、瑞稀。ずっとそのままなら、私達が夫婦になろう。500年前の様に」
「それも良いね」
 でも男同士で綾瀬と付き合っているしなぁ、と思って悩んだ。
「あれ?」
 右手を見つめた。男に戻ってから感じる事が無かった魔力を感じたのだ。もしや、と思って唱えてみた。
『女性変化』
 すると、女性になっていた。女性になった頃は、あんなに嫌だったのに鏡の中の姿を見て、飛び上がって喜んだ。
 しかし喜びも束の間で、1時間もすると元の男性の姿に戻ったのだ。再び唱え様としたが、魔力が無くて無理だった。
「連続で唱えられないのか?」
 どのくらいのクールタイムが必要なのか検証すると、1時間変身して1時間のクールタイムが必要だと分かった。
「綾瀬、見て」
 目の前で女性になると、綾瀬は喜んで押し倒した。
「1時間しか時間が無いから、可愛がって」
 久しぶりの女性の私を、嬉しそうに堪能する様に抱いた。
「嬉しいよ瑞稀。雨降って地固まるだな?もう2度とお前以外の女に目移りなんてしない」
「俺…私も2度と浮気なんてしない。本当にごめんね…」
「お互い様だ…。もう2度とこの手を離さない」
 私達は、束の間の時間を楽しみ、愛し合った。

 Mizukiは復活した。ファンは歓喜して迎えてくれた。俺達は、再び綾瀬の事務所に戻り、仕事に復帰したからだ。
「ねぇ、大丈夫なの?」
「うん、あと10分くらいは…」
 俺は怪しまれない様に、女性変化が1時間経つ前に、多目的トイレに入る様にしている。勿論、入る所を見られない様にしている。俺に用事があって、トイレ前で待ち伏せなんかされたら、出て来るのは男の俺で、Mizukiはどうした?って事になる。だが、そもそもバレたとしても、Mizukiが性転換症で女性になった元男だと言うのは、有名な話であり、知らない者などいないのだから、堂々としていても良いのでは?とも思う。
 それを麻里奈に話すと、「人体実験で政府にさらわれるわよ?」と脅された。
「Mizukiー!」
 俺は舞台から去る時に、笑顔で手を振った。ファンだけでなく、離婚してからは本当に、男達が群がって来る様になった。連日の様に食事に誘われる。断り続けるのも悪いと思って行くと、肩を抱かれたり手を触られたりと、普通にセクハラを受ける。お酒を勧める回数も増え、酔い潰すつもりなのが見え見えだ。
 身体状態異常無効スキルのパッシブで、私には睡眠薬なんかは効かないから意味無いのだが、入れられているのは飲んだら分かる。頭の中で『◯◯を無効化しました』と響くのだ。イラッとして、思わず睨んでしまう。
 それにホテルに行っても、時間切れで男に戻ってしまうのだから、バレるのも怖い。飲みに行っても、具合が悪くなったと称して、途中で抜けて帰るのだ。帰る挨拶なんかしたら、ホテルで休もうと言われるか、送って行くとか言われるので、黙って帰り翌日に謝罪するのだ。
 具合が悪くて帰っているのだから、相手も怒れない。大抵は笑って許してくれる。腹の中では、俺を抱き損ねて残念がっているのだろうけども。
 女性になれる様にはなったが、タイムリミットがあるのは厳しい。ファンの夢を壊さない為に、男に戻るのをバレない様に、気を付けなくてはいけない。
 それは多大なストレスを感じた。
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