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【第6部〜アイドル編〜】
第42話
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それからも全く女性化する事も無く、数日が過ぎた。
「瑞稀!瑞稀だろ?」
声を掛けられて振り返ると、綾瀬だった。
「はい、あっ。綾瀬さん、おはようございます」
離婚したばかりの相手だ。思わず緊張して身構えてしまう。胸が飛び出そうなほどドキドキする。この場を何とか凌ぎたい。
「瑞稀、どうして男になってるんだ?」
「えっ?い、意味が分かりません。男に生まれて来たから、男になってるんです。い、忙しいので失礼します」
「待てよ」
去ろうとしたら、手首を掴まれた。
「俺達はずっと夫婦だったんだ。俺の目を誤魔化せると思うなよ?俺がお前に惚れていたのは、見た目だけだったとでも思っているのか?最初はそうだった。でも俺は、お前そのものに惹かれたんだ」
そう言うと、今は男の姿の俺に口付けをした。
「愛してるんだ、瑞稀。離婚してもお前の事が忘れられない。困ってるなら、話してもらえないか?」
耳元で言われると、心が弱っていた俺は泣いて綾瀬を抱きしめた。そして、自分に何が起こったのか全て話した。
「心を強く持てよ。今まで出来たんだ。そのうち女性になれるさ。俺がお前の力になりたいんだ。また、ヨリを戻したい」
「…俺、今は男だよ?」
「さっき、言っただろう?お前の魂に惹かれたんだ。俺はお前そのものを愛している」
急に女性から男性に戻り混乱していた。16歳から25歳まで女性として過ごしたのだ。仕草や心は女性になっていたのに、突然男性に戻らされても、困惑する。
綾瀬の言葉に心が揺さぶられた。今の俺は男だ。でも綾瀬は、俺そのものに惚れていると言ってくれた。俺はこんなにも元旦那から愛されていたんだ、と再確認した。
気がつくと何度も口付けを交わしていた。舌も絡めた。今の見た目は男同士だ。離婚して、離れてこそ分かる事もある。俺は、綾瀬の事が好きだ。
綾瀬は男の姿の俺でも構わないと言い、俺はそれを嬉しく思い、受け入れた。また女性に戻れたら再婚しようと約束した。
唇を重ね合わせていると、綾瀬の手が股間に伸びて、俺のモノを取り出すと、慣れた手つきでしごかれて射精した。俺も綾瀬のモノを取り出すと、口に含んで口淫した。綾瀬は口の中に射精したので、それを飲んであげた。お掃除して舐めてあげていると、「我慢出来ない」と言われて、パンツを下ろされて後背位で突かれた。
女性の時も既に経験済みだったので、受け入れた。何とも言えない快感に、触れられてもいないのに俺は射精した。その後直ぐに綾瀬も中に出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…。ふふふ、今は男と男なのに、こんな事をして…。でも、綾瀬の事、こんなに好きだったんだって再確認出来たよ」
「良かった。俺のお前への愛を信じてくれたか?お前がいなくなってから、俺はボロボロになった。俺にはお前が必要なんだ。浮気なんて、本命がいるからしてしまうものなんだ。お前がいなくなって、全員と縁を切ったよ。俺が悪かった。もう2度としないから、もう一度俺と付き合って下さい」
綾瀬は泣きながら土下座して頼んだ。
「今は男だけど…それでも良いなら…」
手を差し伸べると、手を取って泣いて喜んだ。それから何度もハグとキスを繰り返した。今は男同士なのに、と心の中で何度も問いかけたが、好きな気持ちを偽る事は出来なかった。
今は男女ではない。それでも愛し合えるのは、これこそが真実の愛では?と思った。現在カップルの2人が、何かの病気で同じ性別になったとして、それでも付き合えるのか?それでも愛し合えるのなら、それは真実の愛と言っても良いのでは無いか。
肉体の愛を超え、魂を愛する。これが本当の愛だろう。昨今、LGBTQへの理解が少しずつ高まって来たが、日本はまだまだ後進国だ。俺達は、自分がそうなって初めてその意味を理解する事が出来た。
男の俺が、男を愛する事が出来た。そんな事になる訳が無いだろう?と、ずっと思ってたし、偏見もあったし、理解なんて到底出来なかった。
でもそれは間違いだった。これが、これこそが真実の愛だと悟る事が出来たのは、綾瀬のお陰だ。日本はまだ同性婚は出来ない。
もし、また女性になる事が出来たら、綾瀬と再婚して、今度こそ育んだ愛を大切にしよう。
「瑞稀!瑞稀だろ?」
声を掛けられて振り返ると、綾瀬だった。
「はい、あっ。綾瀬さん、おはようございます」
離婚したばかりの相手だ。思わず緊張して身構えてしまう。胸が飛び出そうなほどドキドキする。この場を何とか凌ぎたい。
「瑞稀、どうして男になってるんだ?」
「えっ?い、意味が分かりません。男に生まれて来たから、男になってるんです。い、忙しいので失礼します」
「待てよ」
去ろうとしたら、手首を掴まれた。
「俺達はずっと夫婦だったんだ。俺の目を誤魔化せると思うなよ?俺がお前に惚れていたのは、見た目だけだったとでも思っているのか?最初はそうだった。でも俺は、お前そのものに惹かれたんだ」
そう言うと、今は男の姿の俺に口付けをした。
「愛してるんだ、瑞稀。離婚してもお前の事が忘れられない。困ってるなら、話してもらえないか?」
耳元で言われると、心が弱っていた俺は泣いて綾瀬を抱きしめた。そして、自分に何が起こったのか全て話した。
「心を強く持てよ。今まで出来たんだ。そのうち女性になれるさ。俺がお前の力になりたいんだ。また、ヨリを戻したい」
「…俺、今は男だよ?」
「さっき、言っただろう?お前の魂に惹かれたんだ。俺はお前そのものを愛している」
急に女性から男性に戻り混乱していた。16歳から25歳まで女性として過ごしたのだ。仕草や心は女性になっていたのに、突然男性に戻らされても、困惑する。
綾瀬の言葉に心が揺さぶられた。今の俺は男だ。でも綾瀬は、俺そのものに惚れていると言ってくれた。俺はこんなにも元旦那から愛されていたんだ、と再確認した。
気がつくと何度も口付けを交わしていた。舌も絡めた。今の見た目は男同士だ。離婚して、離れてこそ分かる事もある。俺は、綾瀬の事が好きだ。
綾瀬は男の姿の俺でも構わないと言い、俺はそれを嬉しく思い、受け入れた。また女性に戻れたら再婚しようと約束した。
唇を重ね合わせていると、綾瀬の手が股間に伸びて、俺のモノを取り出すと、慣れた手つきでしごかれて射精した。俺も綾瀬のモノを取り出すと、口に含んで口淫した。綾瀬は口の中に射精したので、それを飲んであげた。お掃除して舐めてあげていると、「我慢出来ない」と言われて、パンツを下ろされて後背位で突かれた。
女性の時も既に経験済みだったので、受け入れた。何とも言えない快感に、触れられてもいないのに俺は射精した。その後直ぐに綾瀬も中に出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…。ふふふ、今は男と男なのに、こんな事をして…。でも、綾瀬の事、こんなに好きだったんだって再確認出来たよ」
「良かった。俺のお前への愛を信じてくれたか?お前がいなくなってから、俺はボロボロになった。俺にはお前が必要なんだ。浮気なんて、本命がいるからしてしまうものなんだ。お前がいなくなって、全員と縁を切ったよ。俺が悪かった。もう2度としないから、もう一度俺と付き合って下さい」
綾瀬は泣きながら土下座して頼んだ。
「今は男だけど…それでも良いなら…」
手を差し伸べると、手を取って泣いて喜んだ。それから何度もハグとキスを繰り返した。今は男同士なのに、と心の中で何度も問いかけたが、好きな気持ちを偽る事は出来なかった。
今は男女ではない。それでも愛し合えるのは、これこそが真実の愛では?と思った。現在カップルの2人が、何かの病気で同じ性別になったとして、それでも付き合えるのか?それでも愛し合えるのなら、それは真実の愛と言っても良いのでは無いか。
肉体の愛を超え、魂を愛する。これが本当の愛だろう。昨今、LGBTQへの理解が少しずつ高まって来たが、日本はまだまだ後進国だ。俺達は、自分がそうなって初めてその意味を理解する事が出来た。
男の俺が、男を愛する事が出来た。そんな事になる訳が無いだろう?と、ずっと思ってたし、偏見もあったし、理解なんて到底出来なかった。
でもそれは間違いだった。これが、これこそが真実の愛だと悟る事が出来たのは、綾瀬のお陰だ。日本はまだ同性婚は出来ない。
もし、また女性になる事が出来たら、綾瀬と再婚して、今度こそ育んだ愛を大切にしよう。
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