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【第6部〜アイドル編〜】
第32話
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『光速飛翔』
文字通り光の速さでフランスまで飛んだ。1秒もせずに着いたが、麻里奈は既に居なかった。
「何処に行ったの?」
自動書込地図を唱えて麻里奈を検索したが、全く反応が無い。
「何で反応しないのよ?」
「なるほど…あれは、瑞稀の負の感情から生まれたのかと思っていたけど、それだけじゃないみたいね。生者ですら無い、と言う事ね」
「それは…まさか?」
「生ける屍よ」
「自動書込地図は、確かに死んでいる者には反応しないわ…でも…」
「アンデットの弱点は分かるわね?容赦なく焼き殺すのよ」
私は本当に麻里奈が、アンデットなのか疑問に思った。
ニュースを聞くと、麻里奈はアメリカに居て、チャックと交戦中だった。チャックはSSS(トリプルエス)ランクだ。即死無効のスキルを持っているので、死誘鎮魂歌は効かない。だが、チャック以外の国民は、恐らく全員死んでいるだろう。
「あのアメリカが…滅んだ?こんなに容易く…急ごう。麻里奈が私と同じ能力が使えるなら、チャックは私には勝てない」
私と来夢がアメリカに到着した時は、まさにチャックがトドメを刺される直前だった。
「Mizukiが2人…?」
チャックは無惨にも両手両足を斬り落とされた上に、腹を割かれて腸を引き摺り出されていた。
「何て酷い事を!」
「あら?ママ、久しぶりね?何しに来たのかしら?パパを取り戻しに来たの?」
「パパは無事なの?」
「無事に決まってるじゃない。だって、今は私の夫だもの。ふふふ、見て。私、ママにそっくりでしょう?パパは私とママの区別が付かなくなっているわ」
「何をしたのよ!?」
「パパを連れて、何処に行く所もなく彷徨っていると教団がね、私を女神様だと言って崇めて来たので、教団に匿ってもらっていたの。そこで毎晩パパとHしたわ。最初は激しく抵抗するから、頭に来て手足を引っこ抜いてやったわ。今は私のバイブ代わりに使ってあげてるのよ。キャハハ」
「麻里奈!!」
激昂してビンタを喰らわそうとすると、右手首を掴まれて握り潰された。そして膝蹴りをお腹に受けて前のめりになると、背中を回し蹴りされ、背骨が折れて吹き飛んだ。
「弱いわね?本当にこんなのが私のママなの?」
「うぐ…げほっ…『完全回復』…」
受けた傷が一瞬で治った。
「信じられない強さだわ…」
「瑞稀では無理よ、私がやるわ」
来夢が私を庇う様に前に出た。
「コイツはね、あなたの子の遺体を媒介して、あなたの闇の魔力を帯びて誕生したアンデットで、神である事を辞めて人間になった身体のあなたとは違って、コイツは半分神の身体なのよ。ヘラクレスやペルセウスと同じ、半神半人なのよ。あなたは絶対にコイツに勝てない」
そう言うと来夢は、私を飲み込んだ。物理攻撃完全無効のスライムの身体に包んで私を守った。
「へぇ、そんな事も出来ちゃうんだ?」
『闇神撃槍』
魔法で創られた闇を纏った槍は、来夢の身体を貫通すると、私の身体をも貫通した。
「ふふふ、ママのママなら、おばあちゃんね?あなたに物理攻撃は効かなくても、中に居るママには効くみたいね?」
「くっ…」
来夢は麻里奈を消化しようと、肉弾戦を行おうとした。
『練気剣』
来夢ごと私を真っ二つにした。
「塵になるまで切り刻んでも、生きていられるのかしら?」
来夢は堪らずに逃げた。
「あははは、世界を滅ぼしたらまた遊んであげるから、せいぜい逃げ回りなさい!あははは…」
完敗だった。麻里奈の強さは想像の遥か上だった。瑞稀が足手纏いになった感は否めないが、1対1でも勝てたかどうか分からない。
全宇宙のほとんどの生命体を喰らい尽くし、敵など存在しないと思っていた来夢が、初めて勝てないかも知れないと感じた。
「私は火炎魔法が使えない。アイツがアンデットなら必ず効果があるはずだ。それに闇で出来たアイツは、瑞稀と同じく使えるはずの光魔法を使って来なかった。光も弱点だからに違いない」
1戦して、そこまで見抜いた来夢は流石だったが、瑞稀の協力無しに勝てる相手ではない。
人間である瑞稀にも勝てる神などいないほど強い。それが半分神の身体を得て、その強さは尋常ではなくなっている。2人がかりでも勝てる算段はつかなかった。
「アイツを倒すには考える時間が必要だ。それに世界が滅びても瑞稀なら生き返らせられる」
そう思った。しかし、麻里奈の考えは、私達よりも賢かった。
『黄泉還反魂』
死者は全員生き返った。麻里奈の操り人形として。
黄泉還反魂は、生き返らせた術者に絶対服従して蘇る闇魔法だ。普通に生き返らせる光魔法の死者蘇生とは異なる。
麻里奈は世界の人間を皆殺しにして、自分の言う事を聞く人間だけの世界を構築しようとしているのだ。
「よく見ろ!コイツは私に似ているが私では無い!偽者である。女神の名前を騙る邪神だ!コイツを見つけ次第、殺せ!」
麻里奈は生き返らせた人間達を煽り、Mizuki狩りを命じた。
「あははは、あなたが大切にして来た人間達に追い詰められ、殺されるの。あなたには最高の死に様だわ。あははは」
教団の建物内に、麻里奈の笑い声が木霊した。
文字通り光の速さでフランスまで飛んだ。1秒もせずに着いたが、麻里奈は既に居なかった。
「何処に行ったの?」
自動書込地図を唱えて麻里奈を検索したが、全く反応が無い。
「何で反応しないのよ?」
「なるほど…あれは、瑞稀の負の感情から生まれたのかと思っていたけど、それだけじゃないみたいね。生者ですら無い、と言う事ね」
「それは…まさか?」
「生ける屍よ」
「自動書込地図は、確かに死んでいる者には反応しないわ…でも…」
「アンデットの弱点は分かるわね?容赦なく焼き殺すのよ」
私は本当に麻里奈が、アンデットなのか疑問に思った。
ニュースを聞くと、麻里奈はアメリカに居て、チャックと交戦中だった。チャックはSSS(トリプルエス)ランクだ。即死無効のスキルを持っているので、死誘鎮魂歌は効かない。だが、チャック以外の国民は、恐らく全員死んでいるだろう。
「あのアメリカが…滅んだ?こんなに容易く…急ごう。麻里奈が私と同じ能力が使えるなら、チャックは私には勝てない」
私と来夢がアメリカに到着した時は、まさにチャックがトドメを刺される直前だった。
「Mizukiが2人…?」
チャックは無惨にも両手両足を斬り落とされた上に、腹を割かれて腸を引き摺り出されていた。
「何て酷い事を!」
「あら?ママ、久しぶりね?何しに来たのかしら?パパを取り戻しに来たの?」
「パパは無事なの?」
「無事に決まってるじゃない。だって、今は私の夫だもの。ふふふ、見て。私、ママにそっくりでしょう?パパは私とママの区別が付かなくなっているわ」
「何をしたのよ!?」
「パパを連れて、何処に行く所もなく彷徨っていると教団がね、私を女神様だと言って崇めて来たので、教団に匿ってもらっていたの。そこで毎晩パパとHしたわ。最初は激しく抵抗するから、頭に来て手足を引っこ抜いてやったわ。今は私のバイブ代わりに使ってあげてるのよ。キャハハ」
「麻里奈!!」
激昂してビンタを喰らわそうとすると、右手首を掴まれて握り潰された。そして膝蹴りをお腹に受けて前のめりになると、背中を回し蹴りされ、背骨が折れて吹き飛んだ。
「弱いわね?本当にこんなのが私のママなの?」
「うぐ…げほっ…『完全回復』…」
受けた傷が一瞬で治った。
「信じられない強さだわ…」
「瑞稀では無理よ、私がやるわ」
来夢が私を庇う様に前に出た。
「コイツはね、あなたの子の遺体を媒介して、あなたの闇の魔力を帯びて誕生したアンデットで、神である事を辞めて人間になった身体のあなたとは違って、コイツは半分神の身体なのよ。ヘラクレスやペルセウスと同じ、半神半人なのよ。あなたは絶対にコイツに勝てない」
そう言うと来夢は、私を飲み込んだ。物理攻撃完全無効のスライムの身体に包んで私を守った。
「へぇ、そんな事も出来ちゃうんだ?」
『闇神撃槍』
魔法で創られた闇を纏った槍は、来夢の身体を貫通すると、私の身体をも貫通した。
「ふふふ、ママのママなら、おばあちゃんね?あなたに物理攻撃は効かなくても、中に居るママには効くみたいね?」
「くっ…」
来夢は麻里奈を消化しようと、肉弾戦を行おうとした。
『練気剣』
来夢ごと私を真っ二つにした。
「塵になるまで切り刻んでも、生きていられるのかしら?」
来夢は堪らずに逃げた。
「あははは、世界を滅ぼしたらまた遊んであげるから、せいぜい逃げ回りなさい!あははは…」
完敗だった。麻里奈の強さは想像の遥か上だった。瑞稀が足手纏いになった感は否めないが、1対1でも勝てたかどうか分からない。
全宇宙のほとんどの生命体を喰らい尽くし、敵など存在しないと思っていた来夢が、初めて勝てないかも知れないと感じた。
「私は火炎魔法が使えない。アイツがアンデットなら必ず効果があるはずだ。それに闇で出来たアイツは、瑞稀と同じく使えるはずの光魔法を使って来なかった。光も弱点だからに違いない」
1戦して、そこまで見抜いた来夢は流石だったが、瑞稀の協力無しに勝てる相手ではない。
人間である瑞稀にも勝てる神などいないほど強い。それが半分神の身体を得て、その強さは尋常ではなくなっている。2人がかりでも勝てる算段はつかなかった。
「アイツを倒すには考える時間が必要だ。それに世界が滅びても瑞稀なら生き返らせられる」
そう思った。しかし、麻里奈の考えは、私達よりも賢かった。
『黄泉還反魂』
死者は全員生き返った。麻里奈の操り人形として。
黄泉還反魂は、生き返らせた術者に絶対服従して蘇る闇魔法だ。普通に生き返らせる光魔法の死者蘇生とは異なる。
麻里奈は世界の人間を皆殺しにして、自分の言う事を聞く人間だけの世界を構築しようとしているのだ。
「よく見ろ!コイツは私に似ているが私では無い!偽者である。女神の名前を騙る邪神だ!コイツを見つけ次第、殺せ!」
麻里奈は生き返らせた人間達を煽り、Mizuki狩りを命じた。
「あははは、あなたが大切にして来た人間達に追い詰められ、殺されるの。あなたには最高の死に様だわ。あははは」
教団の建物内に、麻里奈の笑い声が木霊した。
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