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【第6部〜アイドル編〜】

第2話

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「おはよう」
「おはようございます」
 見知った顔が登校している時間帯だ。俺は、なるべく今の自分の姿を見られたく無くて、母に車で学校まで送ってもらい、先生への挨拶と簡単に症状の説明をしてもらった。
「じゃ、お母さんは帰るから…頑張ってね」
 母は手を振って帰って行った。俺は先生に連れられて教室に向かった。教室に入るとシーンと静まり返り、視線が集中したので緊張した。
「誰あの子、転校生?」
「でも男子の制服じゃね?」
「あー、いわゆるジェンダーってやつか?」
「ジェンダーレスな」
 皆んな俺に興味津々で、好奇の目を向けていた。
「あー、こほんっ。昨日のニュースでも見て知っている人もいるかも知れないが、この女の子は青山瑞稀くんだ」
「青山ー!?」
「嘘っ!」
「性転換しちゃったの?」
「あー、静かに、静かに!青山くんは、原因不明の性転換症にかかり、現在は治療中だ。移ったりはしないから、今まで通り仲良くする事!では、青山くん、席へ」
「はい…」
 俺はそそくさと早歩きで、自分の席に着いた。
 休憩時間になると、クラスメイトが俺の席を取り囲んだ。
「やっべー、めっちゃ可愛い」
「なぁ、青山、1発ヤらせてくれよ?」
「何言ってんの、男子って…変態!」
「誰が変態だ!」
 俺を中心にガヤガヤと騒がしくなった。俺はヒエラルキーの中の上と言う感じだが、カースト上位のグラドルや読モなど芸能人で構成される美女軍団もやって来た。
 俺が女になっていなければ、口を聞くどころか、視界に入る事さえ許さないくらい立ち位置に格差がある人達だ。テレビで見る彼女達の姿は営業用で、素の彼女達には不良ヤンキーの彼氏がいるし、平然とテレビに出る為にプロデューサーと寝たとか、話しているのを聞いた事がある。
 彼女達のモラル概念はどこか欠如していて、自分が綺麗とか可愛いといったステイタスは、何人の男と寝たのか?と言う数らしい。それも彼女達の中で価値のある男とだ。
 この日から、俺は彼女達に構われ続けた。俺としても美女軍団と一緒にいられるのは、目の保養になって嬉しいし、カースト上位の見る景色は、こんなに違うのか?と思って満足した。
「スカウト?」
 俺は、彼女達の事務所からスカウトされた。まぁ確かに、性転換症なんて言う話題性バツグンの俺が、アイドルになんかになったら注目を浴びるに違いない。
「で、でも俺は…男なんです。なのにユニットアイドルって…」
「気にしない、気にしない。それにお金持ちになれるよ?」
 お金が入ったら、母を楽にさせてあげられるかと思って承諾した。
「はい、じゃあ、ここにサインお願いね」
「はい」
 私は言われるがままにサインをした。
「やったね、瑞稀。これでウチら正式に仲間だね」
 俺は彼女達とユニットアイドルを組む事になった。芸能人になった事によって、先生や他の生徒達の態度が明らかに変わった。チヤホヤされ、時には腫れ物に触る様な扱いを受けた。
「瑞稀も女子の制服に変えなくっちゃ。1人だけ浮いちゃうじゃない?」
 半ば強引に女子の制服を着せられた。嫌とは言えない雰囲気に流された。
 こうしてカースト上位になった俺は、いつしか男であった事を皆んなに忘れられ、連日の様に告られていた。

「ねぇ?事務所にあのオヤジと寝て来いって言われたんだけどさ、持ち回りだと次はあの子になるんじゃない?どうするの?」
瑞稀あいつをウチらのグループに入れた目的は、この汚れをやらせる為じゃん?これからはずっとやって貰おうよ」
「あははは、さゆりんってば、ひど~い」
「1人だけバージン気取ってて、調子こいてくれちゃって、前から気に入らなかったのよ?私」
「そうだね。どうせ身体売るなら金にならないと。私らがヤリコンで稼いでる間に、瑞稀には金にならないプロデューサーと寝て貰って、私らの為に仕事を取って来てもらおう」
 キャハハハと甲高い声で笑った。
「乾杯!」
「乾杯~!」
 ドラッグを一錠、舌に乗せるとアルコールで流し込んだ。ドラッグとアルコールのコンビネーションが、性的快楽を限界まで高めると常にハイの状態、つまり絶頂のまま絶頂を迎える。これを繰り返すと、意識は飛び続け、ヨダレを垂らしたままヨガリ続ける。
※未成年はアルコールはダメよ!ドラッグもダメ、ダメ!
 男達は代わる代わる彼女達を好き放題に抱き、動画を撮影していたが、ハイになり意識が飛んでいる彼女達に気付かれる事は無かった。
 朝、目が覚めると頭がガンガンする。二日酔いの症状だ。目を横に向けると、意識のない由美子の身体を男3人がむさぼっていた。男達の数を数えると10人だった。
「10人?何よ、いつもより多いじゃん!」
「まぁまぁ、そう怒るなよ?いつもより多目に入っているからな」
 そう言って全裸の男は、小百合に分厚い封筒を渡すと、肩を叩いた。
「ほら、由美子、起きて!帰るよ」
 小百合達がシャワーを浴びていると、男が入って来て、「まだ足りない」と言って求めて来たので、3人で代わり番こに男のモノを咥え、順番に入れさせてやった。
「あぁ、さゆりん、さゆりん、イクっ、イク、イク、イクよぉぉぉ!!」
 男は絶叫しながら、膣内なかに出した。
「はい、はい、はい。もう終わりね。私ら帰るんだから」
「ごめん、ごめん。足代に色を足しとくから、許して!」
 タクシー代と称して1人、10万ずつ受け取って部屋を出た。
「はぁ~マジ最悪。アイツら何発、膣内なかに出したんだよ?」
「アフピル飲んだ?」
「勿論よ」
「うぇ~、妊娠してたらどうしよう…」
「ねぇ?瑞稀の奴、上手くヤったかな?」
「さぁ、どうかしらね?」
「ちゃんと寝てたら、今度はヤリコンに参加させてやろうか?」
「はい、皆んな今回のギャラの分け前よ」
「10、20…40万か…足代と合わせて50なら、まぁまぁね」
「ふー、でもまだ狙ってるブランドのバックに届かないのよねぇ」
「ヤリコンの回数を増やすのも限度があるのよねぇ。最近、彼氏が浮気してんじゃ無いのか?とか、まさか枕なんてやって無いだろうな?とか五月蝿いのよねー。お前の稼ぎが少ないから、こっちはヤりまくって稼いでんだろうがっての」
 彼女達ほどの美少女でも業界での知名度は低く、今のうちなら金の力で抱く事も出来る。売れて来ると、自分を売らなくなるだろうし、その必要が無くなる。だからこそ今の彼女達を抱きたいと、業界の人間達の間では人気が高い。
 順番が早いほど金額が高くなるシステムで、最初の頃は彼女達も元気で、口淫したり色々な体位に付き合ってくれるが、終わりに近づくと疲れて眠ってしまっている為、動かない彼女達を抱く事になるのだ。それでもアイドルで美少女JKの彼女達を抱く事に価値があり、大金を払ってヤリコンに参加する業界の男達は絶えない。
 参加している男達は、スポンサーや広告代理店の社長やら、時には男性アイドルが参加する事もあれば、お笑い芸人やスポーツ選手などもいる。口説かれて彼女になった事もある。
 彼女と言っても恋人の彼女とは違う。彼女達には既に本命彼氏が存在する。ここでの彼女とは、専属のセフレになると言う事だ。彼女でいる間は、ヤリコンに参加して他の男に抱かれるのは禁止となる。その代わりに、その彼氏からお手当が貰えるのだ。
 超人気アイドルや俳優の彼女になった事もあるのが、彼女達の自慢だ。だが、口に出すのは当然、業界のタブーだ。
 こうして、本当の彼氏がいながら枕営業を行ったり、ヤリコンで生活費を稼いだり、セフレになったりと、華やかな表舞台に隠れて、裏ではこの様な事が日常茶飯事に行われているのが芸能界だ。
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