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【第6部〜アイドル編〜】

第1話

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「瑞稀ー!瑞稀!起きなさい!遅刻するわよ」
 毎朝、この時間になると母がキッチンから大声で呼んで起こしてくれる。有り難い事なのだが、俺ももう17歳なんだから自分で起きれるわ、と少しムッとしながら目が覚めた。
「大体、目覚ましよりも早く、起こし過ぎなんだよ」
 目を擦りながら階段を降りると、キッチンにいる母親に挨拶をした。
「あ、あなた誰よ?」
 不思議な事を言う母だな、何の冗談だ?
「俺に決まってるだろ、瑞稀だよ。朝から何の冗談だ?時間が無いんだから…」
 何だか喉の調子が、と言うか声が変だ。
「あー、あー、あっ…風邪じゃないけど、声が変だな?」
「ちょっと、あなた何処の子?瑞稀!瑞稀ー!女の子を内緒で泊めて、バレそうになったからって、自分のフリさせようだなんて、そんなのが通じる訳無いでしょう?」
 一体何を言っているんだ?女の子?俺は意味が分からず、顔を洗う為に洗面所に向かった。
「何だこれ!」
 鏡に映っている顔も姿も確かに女の子だった。む、胸が…ある。こう言う時は男の本能なのか、やはり触って確かめてしまうものらしい。や、柔らかい…。彼女が居ない俺は、幼い頃に触った母親の胸の感触しか知らない。となると…やはり確認したくなるのが、男のさがよ。パンツの中に手を滑り込ませると、やはり男の大切なモノが無い事にショックを受けた。
(本当にショックを受けるものなんだな…)
「全く、何処に隠れたのよ?彼女を放っぽり出して」
 ぶつぶつ文句を言いながら、母は階段を降りて来た。
「母さん、母さん。俺、俺なんだってば!瑞稀は俺なの!」
「あなたねぇ…。瑞稀の芝居に付き合わなくても良いのよ?何処の子なの?瑞稀とお付き合いしているの?お泊まりだなんて、貴女の親御さんはご存知なの?それで…昨晩は、瑞稀としちゃったの…よね?」
「母さん!何言ってんだよ?俺が瑞稀なんだから、そんな事ある訳無いだろう?どうしたら信じてくれるんだ?」
「信じろも何も、だってあなた女の子じゃない。男の子の瑞稀の姿になったら信じてあげるわよ」
「うぅ…」
 全身に痛みが走り、うずくまった。
「嘘っ!本当に瑞稀?」
 どうやら俺は、元の姿に戻れたみたいだ。
「瑞稀、病院に行くわよ!」
 俺は母に言われるがままに支度をしていると、母は高校に「息子の具合が悪いので、今日は休ませます」と連絡していた。
 病院に行くと、同じ様な症例で訪れた人が大勢いた。検査とは言え全裸にされて、足を広げられ、性器の奥までジロジロと見られたのは恥ずかしくて、嫌だった。
(医者の癖におっててんじゃねーよ)
 結局医者に聞いても、原因はサッパリ分からないと言われ、その日の午後のニュースでは、この奇怪な出来事が報道されていた。
「瑞稀、明日から高校はどうするの?」
「行かない。行きたくない。通信科に編入出来ないかな?」
 俺の高校には、学校に通えない人の為に、通信科がある。通信で授業を受けて、単位を取得するのだ。
「ダメよ、お母さんは反対」
「どうしてだよ!こんな姿で皆んなに会える訳ないじゃん!」
 母は離婚して、女手一つで俺を育ててくれたから、引きこもったりして、母に余計な苦労はかけたく無い。それでも、こんな姿で皆んなとは会いたく無い。一晩中泣き腫らし、次の日も高校を休んだ。
「瑞稀!宮部くんが来てるわよ?」
「会えないって言って!」
 宮部と母が、何やらやり取りしている話が微かに聞こえた。すると、階段を掛け上って来る音が聞こえた。
「瑞稀!」
 勢いよく部屋のドアを開けられた。
「何で?見るな!」
 俺は咄嗟に、布団で顔を隠した。
「瑞稀、俺たちは親友だろう?例えお前が豚の姿になっても食わないよ。だって、俺たちはどんな姿になっても、親友だろう?」
 俺は宮部の言葉で、変に感動して泣いた。
「なぁ、顔を見せてくれよ?」
 俺が恐る恐る顔を見せると、宮部は固まった。
「ほらな!そうなるだろう?」
「待て!誤解するな!」
「何だよ?」
「もっと良く見せて…」
 布団を剥ぎ取られて、マジマジと顔を覗き込まれた。
「可愛い…」
「へっ?」
「ヤバい…めっちゃ可愛い。今まで見た、どんなアイドルよりも推せる」
「推せるって、お前…」
「頼むから俺と付き合って下さい!」
「馬鹿言え!例え身体が女になったって、心は男のままなんだ。男と、それも親友のお前と付き合ったりなんか出来る訳ないだろう」
「何で決めつける?」
「何でって…」
「だって俺はお前が女だったら、付き合ってるだろうな?とか思ってたよ。それが叶ったんだ。お前も俺が女だったら、付き合いたいってこの間言ってただろう?」
「そ、それとこれとは…」
「なぁ、明日…学校来いよ?待ってるからな」
 宮部は笑顔で手を振ると、帰って行った。
「はぁ…また…明日な…」
 学校に行くのか…この姿で…。ん?この姿で?制服はどうしたら良いのだろう?イヤイヤ、女子の制服なんて着られるか!普通に男子のブレザーで行けば良いんだ。
 幸い、今は女子もスカートでは無く、ズボンも選択出来る時代だ。って、この地域だけかな?良く知らないけど。
 まぁ、この近辺の高校では、制服ズボンを履いている女子もいる。ただ、上が女子と男子では制服が異なるから、遠目からでも男女の区別が出来る。
「お母さん明日、学校に行くけど、いつもの制服で良いよね?」
「え?えぇ、学校に行ってくれるのね?」
 母は嬉しそうに笑った。晩ご飯を食べ終わり、お風呂に入った。服を脱ぎ、改めて自分の身体を見た。
「ふ~ん、宮部が言ってた通り、確かに女になった俺は可愛いな。スタイルも良いし正直、俺がこんな彼女と付き合いたいよ」
 ははは…と、力無く笑った。笑っているのに、涙が自然に流れて来た。
「くそ、何だこれ…何で勝手に涙が出るんだよ。泣きたくないのに…」
 湯船にかっていると、母が入って来た。
「な、な、何してんだよ、お母さん!」
「良いじゃない、女の子同士なんだし?」
 女の子って…何言ってんだ35歳の癖に。でも母は贔屓目に見ても、美人だと思う。若い頃は毎日の様にスカウトの名刺を渡されてたんだから、と言うのが母の自慢話だ。だが嘘では無い事は分かる。母は、ガッ◯ーや佐々◯希と同い年だ。この2人とも甲乙付け難い美人なのだから、目の肥えた俺が好きな女子が、どれほど高嶺の花なのか推して図るべしだ。
 久しぶりに見る母の裸に、ドキドキが止まらなかった。
「何、うつむいちゃってんの?可愛いわね」
 母が湯船に浸って来ると、身体が密着してヤバかったので、湯船から出て身体を洗い始めた。
「ふ~ん、本当に無くなっちゃったのね。オチ◯チン」
「その顔でオチ◯チン言うな!」
「ふふふ瑞稀、あんたまだドーテーだったんでしょう?オチ◯チン使ってあげられなくて可哀想ねぇ。どうする?もう元に戻れなかったら?」
「どうするも何も、戻れ無かったら仕方ないんじゃないのか?」
「あんた、意外に淡白だったのねぇ?そのくらいの年頃なら、ヤりたい盛りでしょう?元に戻れたら、お母さんが挿入れさせてあげようか?」
「何言ってんだよ…す、する訳ないだろう?」
「あははは、何、動揺してんのよ?本当にお母さんとHしてみたかったの?」
「したいって言ったら、どうするんだよ?」
「良いよ。あんたのドーテー貰ってあげるよ」
 母は湯船から上がり、私の後ろから抱きしめると、「キスして」と言われ、母なのに、今は女の身体なのにあらがう事が出来ずに唇を重ねた。
 母と身体の洗い合いをすると、スベスベで泡の付いた身体で抱き合うと気持ち良かった。
 湯を掛けて泡を流し、母に性器を舌と指でいじられると絶頂に達した。
「今度はお母さんを気持ち良くして」と言われ、秘部に舌をわせると、程なくして母もイった。
「はぁ、はぁ、はぁ…瑞稀。もう、普通の親子には戻れないね。あんたが男のままだったなら、今の流れで近親相姦しちゃってたわよ」
「俺も男だからね、口でされたら絶対に挿入れるまで止めないよ。相手がお母さんでも」
「お母さんの事、好き?」
「好きだよ、お母さん。結婚は出来ないから男に戻れたら、俺のセフレにしてあげるよ」
「セフレって失礼ね」
 怒ってお風呂から上がってしまった。私は髪を洗って、乾かした後、母の様子を伺いに行った。
「遅い、遅いわ!もう、お母さん怒ってるんだから」
「お母さん、怒らないでよ。今日は一緒に寝ようよ?」
 怒る母の横に、滑り込む様に入って横になった。
「お母さん~」と、甘えて抱きしめて眠った。
 母はシングルマザーだ。俺が幼稚園児の頃、父は自動車事故で亡くなった。それから女手一つで育ててくれたのだが、美人である母には常に彼氏がいて、俺が知っているだけでも5人はいた。
 母が彼氏と別れた理由は俺だ。俺が彼氏から暴力を振るわれたり、邪魔な俺を施設に預けて、2人で暮らそうと相談されると、怒って別れていたのだ。
 母の中で、俺が1番らしい。貧しくとも母に愛されて育った俺が、不良グレたりなんか出来る訳がない。大きくなったら母と結婚して、俺が楽をさせてやると、中学生になるまでは本気で思っていた。
 しかし思春期真っ只中にもなって来ると、「好き」よりも「恥ずかしい」が勝ってしまい、心とは裏腹の行動を取ってしまう。
 口では嫌いだとか、ババアと言ってみたりもしていたが、美しい母を密かに盗撮してオカズにしていた。ある日、スマホに保存していた母の着替えや裸が見えているデータが全て消されていた。俺は見られたショックで床に倒れ込んだ。すると、母からのメールで、「盗撮はダメよ?ちゃんとお願いしたら、見せてあげるかもよ?」と書かれて添付ファイルが送られて来た。ファイルの中身は、母の手ブラ画像だった。
 その日、数年ぶりに母と一緒にお風呂に入り、見たくて仕方無かった母の全裸を堂々とガン見した。あまりにも見過ぎてアレが反応し手で隠していると、「実の母に興奮するなんて、変態ね。そんな子に育てた覚えは無いんだけど…絶対に内緒よ?」と言われて、手と口でイかされた。その時は13歳だった。あれから4年も経ったのか?と、あの時の事を夢に見て、目が覚めた。

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