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【第5部〜旧世界の魔神編〜】
第3章 国家転覆計画
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【華友商事に女神降臨!?】
言い得て妙な見出しだ。確かに女性変化した私は、女神アナトなのだから、女神で間違いではない。
時々、思う事がある。頭を殴られて気を失っていた間に見ていた夢は、果たして本当に夢であったのか?と。疑問に思うキッカケは、夢の中で中国のSS(ダブルエス)ランクで、強敵だった王の持つ銃神スキルを模倣したが、私のスキル一覧の中に、その銃神スキルがあるのだ。夢の中でスキルを得るなんて事が出来るのだろうか?いや、出来るはずが無い。そんな事が可能なら、私のステイタスはスキルで埋まっているだろうから、不可能だと言う事になる。それならば、私は最初から銃神スキルを持っていた事になる。余りにも都合の良い夢を見過ぎているし、夢で見た事は実際に起こっている。アストピアの事件は、知らないけども。だから良く分からない。まさかまだ母アシェラの超強力催眠にかかっているのでは?と疑いたくもなる。
今回の新興宗教アストピアによる同時多発毒ガス事件は、教祖の死と言う形で終息したかに見えたが、教団幹部のNo.2である国中秀夫が教祖の息子を2代目教祖に仕立て上げ、初代教祖の起こした奇跡の数々は、実は息子の能力であったと吹聴し、実際に奇跡を見せて信者を再び呼び戻した。国中は2代目教祖を己の傀儡として、教団の実権を握った。元々、国家転覆計画を描いたのは国中であり、初代教祖はそれに乗っただけである。
同時多発毒ガス事件の失敗を反省し、国中は地下に潜って、密かに前回よりも苛烈なテロを画策していた。教団は、警察にも差し押さえられていない秘密の地下工場を持ち、そこでホスゲンを生産していた。国中は、大量生産したホスゲンを裏ルートを使って大陸(中国)、北朝鮮、露西亞、ベトナム、モンゴル、アフガニスタン等のいわゆる東側諸国に密売した。そこで得た収益を使って、その国の兵士を雇った。表向きは外国人労働者として、隠れ蓑のダミー会社に入社させた。教団が管理している建物を寮にして、兵士を隠したのだ。そして未曾有の国家転覆計画は実行される。
その日は朝から激しい雨が降っていた。何処からともなく大勢の外国人労働者が、口々に異国の言葉で捲し立てながら、国会議事堂の正門に押し掛けていた。その日は、重要な議題があり、国会が開催されていた。正門を警備している警察官では対応し切れず、語学が流暢な者が対応していたが、異なる言語が多くて対応に苦労していた。
注意を正門に向けさせている隙に、側面の壁を乗り越えて、外国人労働者に扮した兵士達は侵入に成功した。しかし、壁面には侵入者を報せる防犯が仕掛けられており、敷地内には複数の防犯カメラがあった。異変に気付いた警備が集まって来たが、複数の防犯カメラは、1発で確実に銃で撃ち壊され、警備も銃撃されて生命を落とした。防弾ジャケットを着込んでいたが、頭を1発で撃ち抜かれた。侵入した兵士の中には、凄腕のエリートが少なからずいた為、外で警護していた警察官は全員殉職した。
議事堂の中に侵入すると、中の職員を片っ端から撃ち殺した。兵士らは、計画通りに議会に突入すると、大臣以外は不要とばかりに逃げる議員から射殺して回った。465人の議員のうち、その半数近くは殺された。
この大ニュースは日本だけでなく、全世界を震撼させた。SAT(Special Assault Team)は日本警察が誇る特殊部隊だ。直ぐに警視総監指揮の下、対策本部が立てられた。交渉人が交渉を始めるよりも早く、犯人達は動いた。
詰め寄せる報道陣に対して報道規制を敷き、内部にこちらの動きを察知出来ない状態にしていた為、業を煮やしたのか?議員の1人が正門に向けて歩かされた。残酷な事に、その議員の両腕は斬り落とされていた。口に何かの瓶を咥えさせられていたが、正門前でその瓶を1発の射撃で割られると、ホスゲンが周囲に霧散し、吸った者は次々と血の泡を吹いて窒息死した。これは犯人達の中に、金メダリスト級の射撃の名手がいる事を表しており、事態の深刻さが増した。犯人達は冷酷で残虐非道だ。中にいる総理大臣以下、議員達の安否が気遣われた。
日本国民だけでなく、全世界がこの事件に釘付けとなった。日本史上初、いや世界でも類を見ない最悪のテロ事件に、騒然となった。
「先輩、ニュース見たでしょう?日本はどうなるんですかね?」
「日本の法律はしっかりしてて、それを遵守していれば、上が変わっても下の影響は少ない。そう言う風に出来ている世の中だ。しかし、テロによってそれが根底から覆されるかも知れないな。情報によると犯人達は、東側諸国の連中だろう?西側諸国にあたる日本とは考え方が違うから、真反対な国に変えられてしまうかも知れないぞ。これはSATに頑張ってもらうしかないな」
「そう言えば、華友の女神。僕も会った事があるんですが、近くで見たら普通の女の子だったんだけどなぁ。女神様、どうか日本を救って下さい、お願いします」
「おいおい、神頼みか?」
ははは、と笑ったが内心笑えなかった。その女神は私だからだ。
「あまりアナトに…女になりたくは無いんだが…」
白い天井を見上げると、目を閉じて溜息をついた。
言い得て妙な見出しだ。確かに女性変化した私は、女神アナトなのだから、女神で間違いではない。
時々、思う事がある。頭を殴られて気を失っていた間に見ていた夢は、果たして本当に夢であったのか?と。疑問に思うキッカケは、夢の中で中国のSS(ダブルエス)ランクで、強敵だった王の持つ銃神スキルを模倣したが、私のスキル一覧の中に、その銃神スキルがあるのだ。夢の中でスキルを得るなんて事が出来るのだろうか?いや、出来るはずが無い。そんな事が可能なら、私のステイタスはスキルで埋まっているだろうから、不可能だと言う事になる。それならば、私は最初から銃神スキルを持っていた事になる。余りにも都合の良い夢を見過ぎているし、夢で見た事は実際に起こっている。アストピアの事件は、知らないけども。だから良く分からない。まさかまだ母アシェラの超強力催眠にかかっているのでは?と疑いたくもなる。
今回の新興宗教アストピアによる同時多発毒ガス事件は、教祖の死と言う形で終息したかに見えたが、教団幹部のNo.2である国中秀夫が教祖の息子を2代目教祖に仕立て上げ、初代教祖の起こした奇跡の数々は、実は息子の能力であったと吹聴し、実際に奇跡を見せて信者を再び呼び戻した。国中は2代目教祖を己の傀儡として、教団の実権を握った。元々、国家転覆計画を描いたのは国中であり、初代教祖はそれに乗っただけである。
同時多発毒ガス事件の失敗を反省し、国中は地下に潜って、密かに前回よりも苛烈なテロを画策していた。教団は、警察にも差し押さえられていない秘密の地下工場を持ち、そこでホスゲンを生産していた。国中は、大量生産したホスゲンを裏ルートを使って大陸(中国)、北朝鮮、露西亞、ベトナム、モンゴル、アフガニスタン等のいわゆる東側諸国に密売した。そこで得た収益を使って、その国の兵士を雇った。表向きは外国人労働者として、隠れ蓑のダミー会社に入社させた。教団が管理している建物を寮にして、兵士を隠したのだ。そして未曾有の国家転覆計画は実行される。
その日は朝から激しい雨が降っていた。何処からともなく大勢の外国人労働者が、口々に異国の言葉で捲し立てながら、国会議事堂の正門に押し掛けていた。その日は、重要な議題があり、国会が開催されていた。正門を警備している警察官では対応し切れず、語学が流暢な者が対応していたが、異なる言語が多くて対応に苦労していた。
注意を正門に向けさせている隙に、側面の壁を乗り越えて、外国人労働者に扮した兵士達は侵入に成功した。しかし、壁面には侵入者を報せる防犯が仕掛けられており、敷地内には複数の防犯カメラがあった。異変に気付いた警備が集まって来たが、複数の防犯カメラは、1発で確実に銃で撃ち壊され、警備も銃撃されて生命を落とした。防弾ジャケットを着込んでいたが、頭を1発で撃ち抜かれた。侵入した兵士の中には、凄腕のエリートが少なからずいた為、外で警護していた警察官は全員殉職した。
議事堂の中に侵入すると、中の職員を片っ端から撃ち殺した。兵士らは、計画通りに議会に突入すると、大臣以外は不要とばかりに逃げる議員から射殺して回った。465人の議員のうち、その半数近くは殺された。
この大ニュースは日本だけでなく、全世界を震撼させた。SAT(Special Assault Team)は日本警察が誇る特殊部隊だ。直ぐに警視総監指揮の下、対策本部が立てられた。交渉人が交渉を始めるよりも早く、犯人達は動いた。
詰め寄せる報道陣に対して報道規制を敷き、内部にこちらの動きを察知出来ない状態にしていた為、業を煮やしたのか?議員の1人が正門に向けて歩かされた。残酷な事に、その議員の両腕は斬り落とされていた。口に何かの瓶を咥えさせられていたが、正門前でその瓶を1発の射撃で割られると、ホスゲンが周囲に霧散し、吸った者は次々と血の泡を吹いて窒息死した。これは犯人達の中に、金メダリスト級の射撃の名手がいる事を表しており、事態の深刻さが増した。犯人達は冷酷で残虐非道だ。中にいる総理大臣以下、議員達の安否が気遣われた。
日本国民だけでなく、全世界がこの事件に釘付けとなった。日本史上初、いや世界でも類を見ない最悪のテロ事件に、騒然となった。
「先輩、ニュース見たでしょう?日本はどうなるんですかね?」
「日本の法律はしっかりしてて、それを遵守していれば、上が変わっても下の影響は少ない。そう言う風に出来ている世の中だ。しかし、テロによってそれが根底から覆されるかも知れないな。情報によると犯人達は、東側諸国の連中だろう?西側諸国にあたる日本とは考え方が違うから、真反対な国に変えられてしまうかも知れないぞ。これはSATに頑張ってもらうしかないな」
「そう言えば、華友の女神。僕も会った事があるんですが、近くで見たら普通の女の子だったんだけどなぁ。女神様、どうか日本を救って下さい、お願いします」
「おいおい、神頼みか?」
ははは、と笑ったが内心笑えなかった。その女神は私だからだ。
「あまりアナトに…女になりたくは無いんだが…」
白い天井を見上げると、目を閉じて溜息をついた。
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