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【第5部〜旧世界の魔神編〜】
第3章 旧世界の魔神はXNUMX人?
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世界3大宗教である、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教。これらは、全て同じ神を信仰している。つまり、唯一神YHWHである。天地創造の神である唯一神の名前は、人間では発音出来ないとされ、YHWHと表記される。yahweh(ヤハウェ)とは、神の名前を呼ぶ為に、便宜上付けられた英語読みである。現在のキリスト教においては、「主」と呼ぶ。ユダヤ教ではYHVH(アドナイ)と読み、やはり人間では発音出来ないとされる。アドナイとは子音を読んだ発音であり、意味は「我が主」である。
私アナトは、唯一神ヤハウェと女神アシェラとの間に出来た娘だ。3人の実の兄達から求婚され、私を奪い合って兄弟で殺し合いにまで発展した。最終的には生き返らせた長兄バァル神の妻となったが、天界から追放されて地上に降りた。その後は人間として生き、虞美人として阿籍(項羽の事)の妻となり、そして今は神崎瑞稀として生まれ変わっている。
唯一神も実は、XNUMX人と言う宇宙人であり、地球を管轄する神だとされる。つまりXNUMX人は、星の数ほど存在するのだ。そのXNUMX人がこの管轄外の地球にいる理由は、私が父であるヤハウェを倒してしまった事を知り、新たな管轄神として配属して来たのかも知れない。それなら、父が生き返った事を報せれば、大人しく帰ってくれるのでは?と甘い期待をした。
ゴブリン達に道案内をさせて、後ろから私と巧が馬車でついて行く。
「ねぇ、後どのくらいなの?」
「あと30分もすれば着きます」
生贄の為に結構な距離を歩いて来たのね?と思った。
「瑞稀、暫く見ない間に、随分と感じが変わったな?」
「ふふふ、嫌い?」
「嫌いな訳無いだろう?なんだか逞しくなったな、と思って」
私はニッコリと微笑んで返した。そりゃそうだ。厳密には今の私は、神崎瑞稀では無い。アナトなのだから。
やっと会えたのに離れるのは寂しいと、巧を連れて来たものの、AAA(トリプルエー)ランクの巧では戦力的には厳しいかも知れない。
『Game Making』
ランクを変更する事は出来ないが、巧のステイタスをチート級に数値を書き換えた。とは言え、術者である私のステイタスまでが上限だ。スキルスロットが1箇所空いていたので、新たに『模倣』のスキルを加えた。
「巧、ちょっとステイタスを弄ってみたよ。新しく加えたスキルの模倣について説明するね」
私は一通り説明すると、巧の前で剣技や魔法を使って見せた。
「どう?今見せたスキルが全部使える様になっているはずだけど?」
「凄ぇ!凄いよ、瑞稀!ありがとう。これでお前の横に立つ資格を得たな」
「何よ資格って?」
「お前が俺とは違い過ぎて、釣り合わなかったって事さ」
「釣り合わないって何なの?私が巧を愛してるんだから、それで良いじゃないの」
「それはそうなんだけど…」
私は巧の口に唇を重ねて、言葉を遮った。
(分かるよ巧、私だって男だった時が少しだけあるんだもの)
男は女よりも上にいたいものだ。最低でも同じくらいでなければならない。異なる場合は、いずれ「価値観が違う」と言う便利な言葉で、別れる事になるカップルは多い。
馬車が大きく揺れると止まった。
「どうしたの?」
「申し訳ありません。車輪が溝にはまった様ですが、心配はありません」
オークがそう言って目配せをすると、オーガが怪力で、馬車の後輪を持ち上げて溝から出した。そのまま道なりに暫く進むと、森が見えて来た。
「核を使われたのに、まだ緑が残っているんだ?自然の生命力って凄いね」
「ああ、そうだな。俺らも小さくなってからこんな遠くまで来たのは初めてだ」
「人類だけじゃなく、ゴブリンなんかの魔物も小さくしている意図は何なんだろう?」
それに何故、魔物を召喚したのだろう?ヤハウェが神々を創造して、手足の様に使役したみたいに、魔物達を産み出して使役しているのだろうか?考えても答えは出ない。全身銀白タイツの神に聞くのが早い。生贄も彼らの指示って事だよね?地球をこんなにした人類を、滅ぼそうとしている可能性はあるな。ヤハウェに代わって地球を管轄するとなると、人類は邪魔でしか無いからだ。そうなると、それを庇う自分とは100%戦闘になるな、と気を引き締めた。
私アナトは、唯一神ヤハウェと女神アシェラとの間に出来た娘だ。3人の実の兄達から求婚され、私を奪い合って兄弟で殺し合いにまで発展した。最終的には生き返らせた長兄バァル神の妻となったが、天界から追放されて地上に降りた。その後は人間として生き、虞美人として阿籍(項羽の事)の妻となり、そして今は神崎瑞稀として生まれ変わっている。
唯一神も実は、XNUMX人と言う宇宙人であり、地球を管轄する神だとされる。つまりXNUMX人は、星の数ほど存在するのだ。そのXNUMX人がこの管轄外の地球にいる理由は、私が父であるヤハウェを倒してしまった事を知り、新たな管轄神として配属して来たのかも知れない。それなら、父が生き返った事を報せれば、大人しく帰ってくれるのでは?と甘い期待をした。
ゴブリン達に道案内をさせて、後ろから私と巧が馬車でついて行く。
「ねぇ、後どのくらいなの?」
「あと30分もすれば着きます」
生贄の為に結構な距離を歩いて来たのね?と思った。
「瑞稀、暫く見ない間に、随分と感じが変わったな?」
「ふふふ、嫌い?」
「嫌いな訳無いだろう?なんだか逞しくなったな、と思って」
私はニッコリと微笑んで返した。そりゃそうだ。厳密には今の私は、神崎瑞稀では無い。アナトなのだから。
やっと会えたのに離れるのは寂しいと、巧を連れて来たものの、AAA(トリプルエー)ランクの巧では戦力的には厳しいかも知れない。
『Game Making』
ランクを変更する事は出来ないが、巧のステイタスをチート級に数値を書き換えた。とは言え、術者である私のステイタスまでが上限だ。スキルスロットが1箇所空いていたので、新たに『模倣』のスキルを加えた。
「巧、ちょっとステイタスを弄ってみたよ。新しく加えたスキルの模倣について説明するね」
私は一通り説明すると、巧の前で剣技や魔法を使って見せた。
「どう?今見せたスキルが全部使える様になっているはずだけど?」
「凄ぇ!凄いよ、瑞稀!ありがとう。これでお前の横に立つ資格を得たな」
「何よ資格って?」
「お前が俺とは違い過ぎて、釣り合わなかったって事さ」
「釣り合わないって何なの?私が巧を愛してるんだから、それで良いじゃないの」
「それはそうなんだけど…」
私は巧の口に唇を重ねて、言葉を遮った。
(分かるよ巧、私だって男だった時が少しだけあるんだもの)
男は女よりも上にいたいものだ。最低でも同じくらいでなければならない。異なる場合は、いずれ「価値観が違う」と言う便利な言葉で、別れる事になるカップルは多い。
馬車が大きく揺れると止まった。
「どうしたの?」
「申し訳ありません。車輪が溝にはまった様ですが、心配はありません」
オークがそう言って目配せをすると、オーガが怪力で、馬車の後輪を持ち上げて溝から出した。そのまま道なりに暫く進むと、森が見えて来た。
「核を使われたのに、まだ緑が残っているんだ?自然の生命力って凄いね」
「ああ、そうだな。俺らも小さくなってからこんな遠くまで来たのは初めてだ」
「人類だけじゃなく、ゴブリンなんかの魔物も小さくしている意図は何なんだろう?」
それに何故、魔物を召喚したのだろう?ヤハウェが神々を創造して、手足の様に使役したみたいに、魔物達を産み出して使役しているのだろうか?考えても答えは出ない。全身銀白タイツの神に聞くのが早い。生贄も彼らの指示って事だよね?地球をこんなにした人類を、滅ぼそうとしている可能性はあるな。ヤハウェに代わって地球を管轄するとなると、人類は邪魔でしか無いからだ。そうなると、それを庇う自分とは100%戦闘になるな、と気を引き締めた。
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