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【第5部〜旧世界の魔神編〜】

第3章 小人

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「何だ?」
「こいつ、何処から現れた!?」
「か、神だ、こいつ神だ!」
その場には100人近くの人が居たが私に気付くと、敵意を剥き出しにして攻撃して来た。
「待って!話を聞いて!」
問答無用で投石されたり、弓矢を射られた。
完全物理攻撃無効障壁パーフェクトシールド
貼られた障壁に遮られて、私に攻撃は届かなくなった。
「この化け物がぁ!」
それでもまだ複数人は、剣や斧で斬りかかって来たが、障壁によって弾かれた。
「怪我するわよ、争うつもりは無いから話を聞いて欲しいの」
「俺らを騙そうとしても、そうはいかんぞ!」
睨み合いが続いた。
上菜シァンツァイ
お腹空いて苛立っているのでは?と思い、ありったけのご馳走を並べて見た。
「先ずは空腹を癒してから話を聞きたいの」
 彼らは私の事を神と呼んだ。あながち間違いでは無い。だが、神を何故知っている?それに毛嫌いするどころか、憎しみさえ抱いている。私の知らない神か魔族が、人類を襲ったのだろうか?私は、ほぼ魔族の全軍を率いて天界を攻めた。天界を制圧し、父ヤハウェと戦ってこれを倒した。その後、私は母の超強力催眠によって捕らえらて、夢の中で生活していた。この時、神も魔族も全員が母に捕らえらていたはずだ。逃れた者が居たのだろうか?
「ほら、毒なんて入って無いわよ?」
 私は障壁シールドを解いて、皆んなの前で食事を始めた。
「く、くそっ…嫌がらせの様にたらふく食いやがって…」
「ごくっ…なぁ、おい。これ…大丈夫なんじゃ…」
「馬鹿!こいつの策略に決まってんだろうが!死にたいのか!?」
「もう…本当に、そんなつもりは無いってば!」
私はお酒の入った樽を十ほども出すと、すくって飲んだ。
「も、もうダメだ!」
1人が旨そうに酒を飲み始めると、次々と酒を飲み始めた。
「くはぁ、美味ぇ。酒が飲めるなんて…」
皆んなしんみりして、泣き始めた。
「ねぇ、確かに私は神だけど、さっき降りて来たばかりで、人間界がこんなになってるの知らなかったの。助けてあげたいから、何があったのか教えて?」
「やっぱり神だったんじゃねぇか!」
「神が助けるだと?騙されるもんか!俺たちを滅ぼすの間違いじゃねぇのか?」
再び殺気立って私を取り囲んだ。
「まぁ、待て待て。確かにこの女神からは敵意を感じ無いし、食事や酒を振る舞ってくれた。本当にあいつらとは無関係なんじゃ無いのか?」
「あいつらって?」
「その前に俺は、こいつらのサブリーダーで雪人ゆきとって言います。貴女は?」
「私は、天道神君アナトよ」
「天道神君…お天道様か?」
「そう、そのお天道様よ」
そう言うと、皆がザワザワし始めた。
「見ろ、この大気を常に砂埃が舞い、スモッグや汚染された大気の為に淀んでいる。お前が本当にお天道様なら、澄み切った晴空に出来るはずだ。出来たらお前の言う事を全て信じる」
「分かったわ」
確か昔、阿籍ア・ジーが核汚染された大気を元に戻してたっけ。巨大なハリケーンを巻き起こして、吹き飛ばしたのかな?私にはそんな力も、風魔法も使えない。
超重力空間転移ブラックホール
ピンポン玉くらいの大きさの黒い光玉を上空に打ち上げた。それは汚染された大気を、凄まじい勢いで吸い始めた。勿論、吸い込まれ無い様に、上空から下には結界を張った。呪文の効果が切れるまで、吸い込むだけ吸い込むとブラックホールは消え、晴天の陽射しが大地に降り注いだ。
「おぉ!これが日光…」
「空が、空が青い…」
「なんて暖かい陽射しだ…」
皆んな涙を流して喜んだ。
「おぉ、本当にお天道様だ」
「ありがたや、ありがたや…」
私に手を合わせて感謝する者、土下座して万歳する者など様々だった。
「これでやっと、話を聞いてもらえるわね?」
「今まで失礼な態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした」
「どうして、こんな小人になっちゃったの?」
「はい、それが…何処から話せば良いものか…」
「じいさん、俺が代わりに要点だけ話してやるよ」
 茶髪の見た目チャラそうなお兄さんが、話してくれた。やはり想像した通り、人類は核戦争を起こした。生き残った人類は、汚染されていない数少ない食糧と飲料水を奪い合って殺し合いになり、更に人口は激減した。そんな時、とある宗教団体が神を降臨させると言い出して祈った。すると本当に神が現れた。限られた食糧を皆んなで分け合うなら、身体が小さくなれば良いと言って、蟻のサイズとなった。しかし身体が小さくなった事によって、虫や爬虫類などの捕食者によって、更に人口は減ったとの事だ。
「ふ~ん、神ねぇ?」
一体どんな神なんだ?神の名を語っている可能性もあるし、と考えても答えが出ない。
「その神様に会えたりするのかな?」
「はい毎月一度の祭りの日に、生贄を捧げております」
「は?生贄!?」
「若い娘を生贄に捧げ、一通り犯して愉しんだ後、痛ぶる様に足からゆっくりと食べるのです」
「そりゃ酷いもんだぜ。泣き叫んで犯されてる所を親や兄妹、恋人に見られた上に、息絶えるまで少しずつ食いちぎられて行くんだ。先月の犠牲者は、このじいさんの孫で、俺の彼女だったんだ」
そう言うと、茶髪のお兄さんと、おじいさんは号泣し出した。
 なんて事だ。そんなのは神では無い。邪神だ。それに今時、魔族だって生贄なんて求めない。一体どんな奴なんだ?祭りは5日後にあると言うので、私は彼らが住んでいる所に案内してもらう事にした。
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