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【第4部〜西洋の神々編〜】
第9章 西洋の神々28
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バエルがベルゼブブに近づくと、ガープと戦っていたはずのラファエルの攻撃によって、バエルの身体は砕け散った。
「なっ!まさかガープが負けたのか?」
コルソンが言い終わる前にガープが来た。
「すまぬ、突然逃げられた」
「逃げた訳ではない」
再びラファエルとガープは戦い始めた。巻き添えを喰らって、魔王の半数を失った。ウリエルがラファエルの前に立ち塞がった。
「まさか、神の使徒である我々を裏切るつもりなのか?ウリエル。やはり貴様はあの時、堕天していたのだな?」
「神も魔族も関係ない。俺はアナトのいる所に俺はいる」
「愚か者めっ!淫婦などに惑わされおって、神に代わって成敗してくれるわ」
「愚か者はお前だ。よく見ろ、この娘を。ヤハウェの娘、アナトだ!」
「…それがどうした?神はアナトを見捨て、愚かな人類と共に滅ぼそうとされた。それこそが神のご意志。魔族は当然、人類も滅ぼさねばならぬ。先ずは手始めにアナト、お前から葬り去ってくれるわ!」
「そうはさせん!」
ベルゼブブは、粉々に砕かれたバエルのコアを飲み込んで1つとなり、バァル神へと昇華した。
「バァル…アナトは、絶対に渡さぁぁぁん!」
ウリエルはバァルに襲いかかった。呆気に取られたけど、我に返って怒鳴った。
「何やってんのよ、ウリエル!敵はラファエルとガブリエルでしょうが!!」
私がウリエルに向かって行くと、バァルへの攻撃を止めた。
「アナト…」
バァルが優しい目で私を見た後、ラファエルとガブリエルに対峙した。
「何としても先に、ガブリエルから倒すんだ。ガブリエルの回復魔法はアナトに匹敵する」
敵の回復手段を奪ってから倒すと言うのは、定石だ。だがそうは言っても簡単では無い。ガブリエルはRPGで言うなら、白魔道士だろう。しかし戦闘力は戦士と何ら変わり無い。ラファエルも回復魔法は使えないが、戦闘力は同じオクタス(S8)ランクのウリエルよりも強いみたいだ。そんなのが回復しながら攻撃してくるのだ。私も回復に専念する事にしたが、当然彼らも私に集中攻撃を加えて潰しにかかって来た。
魔王ベリアルは私を庇って、身体を半分失った。すぐに回復させるが、次の攻撃を繰り出されると躱わすだけで精一杯だ。しかし徐々に戦闘に慣れ、リズムゲームでもしているかの様に、タイミングよく仲間を回復していく。敵はガブリエルとラファエルの2人だけだ。少しずつ形勢は、多勢の此方(こちら)側に傾き、押し始めた。
ラファエルが笑った様に見えた。
「神に、我らに栄光あれ!」
眩ゆい閃光が、ラファエルから放たれたと感じた瞬間、意識が遠ざかった。気がつくと、魔軍は壊滅しており、身体のカケラの様なものが浮いていた。ウリエルも首と右腕だけ残して胸から下が失くなっていたが、まだ息があった。
「何が起こったの?」
「ラファエルが道連れに自爆したのよ…」
咄嗟にウリエルが、私とリリスの盾になって吹き飛んだと言う。
「馬鹿ね。私は死なないんだから、庇う必要なかったのに」
「愛する女が傷付くと分かっていながら、見殺しなんて出来るはずが無いだろう?」
『完全回復(パーフェクトヒール)』
泣きながらウリエルを回復した。
「バァルは?ガブリエルは何処?」
向こうで戦っています。
「ガブリエルに、ラファエルを回復されたらバァルが危ないわ」
「それは無い。死んだ者を生き返らす事が出来るのは、唯一神ヤハウェとアナト、お前だけだ」
私はラファエルの自爆に巻き込まれて失った魔軍を生き返らせた。
「ガブリエル、もう貴女はお終いよ。降伏なさい!」
「うふふふ、笑わせないで。神の使徒は、悪に屈する事はない」
「悪?悪って何?貴女のしている事が正しいとでも?」
「正しいとも。唯一神様のご命令は、お前達を滅ぼす事。神の意思は全てに勝り、正しいのだ。その事に疑問を持つ事すら悪である証拠。我は神の使徒!我のする事、全てが正しい!」
神の使徒、彼らは自分達がしている事が正しいと信じて疑わず、頭が堅くて融通が利かない。神の慈悲とは、苦しませずに滅する事だと信じている。そんな相手に話し合いなど無理だ。
「分かった。座して死を待つ人なんているはずが無いじゃない。醜くても生きる為に足掻(あが)くのよ」
私達がガブリエルと最終決戦をしている頃、ルシファーとミカエルの激闘は熾烈を極めていた。双子だからなのか分からないが、力、技、スピードは全くの互角で、互いに考えが読めるのか、繰り出される技まで同じで、勝敗の行方は全く見えず、相打ちで終わるのではないかと、思えた。
「ルシファーぁぁぁぁぁ」
「ミカエルぅぅぅぅぅ」
互いに渾身の一撃を入れ合い、胴を斬ったがすぐに超回復によって治って行く。
斬り、薙ぎ払い、打ち、躱し、捌き、突く。剣技の全てを駆使して相手を倒そうとするも、2人の力は完全に拮抗していた。
「なっ!まさかガープが負けたのか?」
コルソンが言い終わる前にガープが来た。
「すまぬ、突然逃げられた」
「逃げた訳ではない」
再びラファエルとガープは戦い始めた。巻き添えを喰らって、魔王の半数を失った。ウリエルがラファエルの前に立ち塞がった。
「まさか、神の使徒である我々を裏切るつもりなのか?ウリエル。やはり貴様はあの時、堕天していたのだな?」
「神も魔族も関係ない。俺はアナトのいる所に俺はいる」
「愚か者めっ!淫婦などに惑わされおって、神に代わって成敗してくれるわ」
「愚か者はお前だ。よく見ろ、この娘を。ヤハウェの娘、アナトだ!」
「…それがどうした?神はアナトを見捨て、愚かな人類と共に滅ぼそうとされた。それこそが神のご意志。魔族は当然、人類も滅ぼさねばならぬ。先ずは手始めにアナト、お前から葬り去ってくれるわ!」
「そうはさせん!」
ベルゼブブは、粉々に砕かれたバエルのコアを飲み込んで1つとなり、バァル神へと昇華した。
「バァル…アナトは、絶対に渡さぁぁぁん!」
ウリエルはバァルに襲いかかった。呆気に取られたけど、我に返って怒鳴った。
「何やってんのよ、ウリエル!敵はラファエルとガブリエルでしょうが!!」
私がウリエルに向かって行くと、バァルへの攻撃を止めた。
「アナト…」
バァルが優しい目で私を見た後、ラファエルとガブリエルに対峙した。
「何としても先に、ガブリエルから倒すんだ。ガブリエルの回復魔法はアナトに匹敵する」
敵の回復手段を奪ってから倒すと言うのは、定石だ。だがそうは言っても簡単では無い。ガブリエルはRPGで言うなら、白魔道士だろう。しかし戦闘力は戦士と何ら変わり無い。ラファエルも回復魔法は使えないが、戦闘力は同じオクタス(S8)ランクのウリエルよりも強いみたいだ。そんなのが回復しながら攻撃してくるのだ。私も回復に専念する事にしたが、当然彼らも私に集中攻撃を加えて潰しにかかって来た。
魔王ベリアルは私を庇って、身体を半分失った。すぐに回復させるが、次の攻撃を繰り出されると躱わすだけで精一杯だ。しかし徐々に戦闘に慣れ、リズムゲームでもしているかの様に、タイミングよく仲間を回復していく。敵はガブリエルとラファエルの2人だけだ。少しずつ形勢は、多勢の此方(こちら)側に傾き、押し始めた。
ラファエルが笑った様に見えた。
「神に、我らに栄光あれ!」
眩ゆい閃光が、ラファエルから放たれたと感じた瞬間、意識が遠ざかった。気がつくと、魔軍は壊滅しており、身体のカケラの様なものが浮いていた。ウリエルも首と右腕だけ残して胸から下が失くなっていたが、まだ息があった。
「何が起こったの?」
「ラファエルが道連れに自爆したのよ…」
咄嗟にウリエルが、私とリリスの盾になって吹き飛んだと言う。
「馬鹿ね。私は死なないんだから、庇う必要なかったのに」
「愛する女が傷付くと分かっていながら、見殺しなんて出来るはずが無いだろう?」
『完全回復(パーフェクトヒール)』
泣きながらウリエルを回復した。
「バァルは?ガブリエルは何処?」
向こうで戦っています。
「ガブリエルに、ラファエルを回復されたらバァルが危ないわ」
「それは無い。死んだ者を生き返らす事が出来るのは、唯一神ヤハウェとアナト、お前だけだ」
私はラファエルの自爆に巻き込まれて失った魔軍を生き返らせた。
「ガブリエル、もう貴女はお終いよ。降伏なさい!」
「うふふふ、笑わせないで。神の使徒は、悪に屈する事はない」
「悪?悪って何?貴女のしている事が正しいとでも?」
「正しいとも。唯一神様のご命令は、お前達を滅ぼす事。神の意思は全てに勝り、正しいのだ。その事に疑問を持つ事すら悪である証拠。我は神の使徒!我のする事、全てが正しい!」
神の使徒、彼らは自分達がしている事が正しいと信じて疑わず、頭が堅くて融通が利かない。神の慈悲とは、苦しませずに滅する事だと信じている。そんな相手に話し合いなど無理だ。
「分かった。座して死を待つ人なんているはずが無いじゃない。醜くても生きる為に足掻(あが)くのよ」
私達がガブリエルと最終決戦をしている頃、ルシファーとミカエルの激闘は熾烈を極めていた。双子だからなのか分からないが、力、技、スピードは全くの互角で、互いに考えが読めるのか、繰り出される技まで同じで、勝敗の行方は全く見えず、相打ちで終わるのではないかと、思えた。
「ルシファーぁぁぁぁぁ」
「ミカエルぅぅぅぅぅ」
互いに渾身の一撃を入れ合い、胴を斬ったがすぐに超回復によって治って行く。
斬り、薙ぎ払い、打ち、躱し、捌き、突く。剣技の全てを駆使して相手を倒そうとするも、2人の力は完全に拮抗していた。
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