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【第4部〜西洋の神々編〜】
第9章 西洋の神々25
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ガブリエルはベルゼブブと相対し、ラファエルはガープと一騎討ちを初めていた。ウリエル相手には魔王ベリアルや魔王バエルらセブンスター10人がかりで、互角に食い止めていた。アダムは釈迦と戦っていた。ゼウスが率いるオリンポス12神にはオロバス、セーレ、イポスなど7人の大公達が相手をした。大公達はセクタス(S6)である為、ゼウスらファイブスターを圧倒していたが、それでも神魔両軍の力は拮抗しており、互角に渡り合っていた。
そこへ、ジミマイ、アマイモン、コルソンらオクタス(S8)ランクである魔界の支配者の軍勢が到着し、そのまま怒号を上げて突入して来た。神軍の劣勢は明らかだったが、神兵らは「闇に屈せず、最期の1兵まで戦う」と豪語し、討ち死にするまで戦い続けた。戦いは熾烈を極め、神魔両軍の屍が積み上げられ、半数は戦場に散った。
「酷い…」
終末戦争(ハルマゲドン)においては、SSSランクなどは下級将校程度の戦力でしかない。フレイア、ビゼル、クラスタ、シヴァ、ハヌマーンらの無惨に打ち捨てられた遺体を見た。それから更にミューズやファルゴの遺体が転がっているのを発見した。ルシエラは両腕を失い、神兵らが群がって代わる代わる犯していた。神兵を蹴散らすと、ルシエラを回復した。
「陛下、我々はこの戦場では足手纏いでしかありませんが、敵の小隊を押さえ込む事くらいは出来ます。釈迦に加勢して、アダムを倒して下さい。アダムが第2の封印です」
「でもアダムは…」
「貴女の前ループで、夫だった事は聞きました。これは貴女が、乗り越えねばならない試練なのです」
ルシエラは、私達を先に行かせた。
「貴女、アダムの妻だったの?本当、私達って良く似ているわね?」
「リリス、貴女はアダムの最初の妻だったんでしょう?どうして別れたの?」
「アダムって、束縛が強いでしょう?私は自由でいたいの。ある日、遂に耐えられなくなって逃げ出したのよ。その後、イヴと一緒になったわね。イヴが土に還えると、私が恋しくなって地上に降りたと聞いたわ。元妻に未練があるなんて馬鹿ね。私は既にルシファーと再婚していたわ」
「なるほどね。(そう言えば何となく聖書で読んだ事がある気がする…)」
その後、ルシファーとどうやって再婚したのか馴れ初めも教えてくれた。神々との戦いに敗れて魔界に堕ちたルシファーは、瀕死の重傷を受けていて、それを献身的に介護すると、傷が癒えてからプロポーズされたとの事だった。何だ、ちゃんと恋愛婚だったんだ。それなのに、他の女(私)なんかを妻にしようなんて、リリスが怒るのも無理はない。リリスが正妻だろうから、もし私が受け入れても妾(側室)にしかなれない。そんなのは嫌だ。
「リリス、安心して。私はルシファーと結婚するつもりはないから。彼は私と浮気Hがしたかっただけなのよ。男って、マジ最低だよ。遊びで処女を奪われる所だったわ。私は、私だけを大切にしてくれる男(ひと)に捧げたいの。未来の夫の為に」
釈迦とアダムの戦いは、アダムが明らかに優勢だった。『天上天下唯我独尊』は効果を発揮していなかった。アダムは土属性であり、重力無効スキルを持っていた。『世界を見透かす者』スキルでアダムの攻撃を読めていたはずだが、躱わせずに防戦一方であった。
「アダム!」
私とリリスが同時に呼ぶと、アダムは驚いて攻撃が緩み、釈迦は体勢を整える事が出来た。
「おぉ、妻と元妻ではないか?揃ってどうした?リリス、ルシファーでは物足りなかったか?」
「下品な!お前に引導を渡しに来たのよ!」
リリスは勝手にアダムと戦い始めた。
「釈迦、アダムが私の第2の封印らしいの。協力して!」
3対1では卑怯な気がして、気が引けたけど、背に腹はかえられない。どうせ皆んな生き返らせるのだ。アダムは、ゴーレムだから生き返らない。だけど私は、アダムが死んだ時の事も想定していた。壊れたゴーレムを直して、再起動させる呪文を模倣(ラーニング)済みだ。
セブンスター1人の強さは、ファイブスター10人と互角だと言う。セブンスターの釈迦に、セクタス(S6)のリリス、ファイブスターになった私の3人がかりだ。アダムも私やリリスを本気で殴れず、釈迦の一撃を躱わせず、胸に風穴を開けてもゴーレムだからなのか倒れず、意に返さず戦い続けた。
『風・練気剣(フォン・ヴァジュラ)』
気を練って作り出した剣に、魔力で風を纏わせて、魔法剣で斬り刻んだ。胴を真っ二つにすると、返す刃で右肩から腰まで袈裟斬りにして、更に返す刃で首を落とした。土は風に弱く、予想通りだった。
アダムの首が足元に転がると、胸に抱きしめた。
「ごめんね、アダム。ちゃんと好きだったよ…」
アダムの力を吸収すると、土になってアダムは崩れた。その瞬間、私は青白く光輝き、全身に激痛が走って意識が飛んだ。
意識が飛ぶと、ルシフェルに肩車されたり、追いかけっこして遊んでいる幼い自分の姿が、映像となって目に浮かんだ。
「うあぁぁぁぁぁ」
頭が割れる様に痛くて、頭を抱えて叫んだ。暫くすると、頭痛も身体の光も止んだ。感じる。今の私は間違いなく強い。
それから私は、ウリエル相手に苦戦している魔王達に加勢しに行った。
そこへ、ジミマイ、アマイモン、コルソンらオクタス(S8)ランクである魔界の支配者の軍勢が到着し、そのまま怒号を上げて突入して来た。神軍の劣勢は明らかだったが、神兵らは「闇に屈せず、最期の1兵まで戦う」と豪語し、討ち死にするまで戦い続けた。戦いは熾烈を極め、神魔両軍の屍が積み上げられ、半数は戦場に散った。
「酷い…」
終末戦争(ハルマゲドン)においては、SSSランクなどは下級将校程度の戦力でしかない。フレイア、ビゼル、クラスタ、シヴァ、ハヌマーンらの無惨に打ち捨てられた遺体を見た。それから更にミューズやファルゴの遺体が転がっているのを発見した。ルシエラは両腕を失い、神兵らが群がって代わる代わる犯していた。神兵を蹴散らすと、ルシエラを回復した。
「陛下、我々はこの戦場では足手纏いでしかありませんが、敵の小隊を押さえ込む事くらいは出来ます。釈迦に加勢して、アダムを倒して下さい。アダムが第2の封印です」
「でもアダムは…」
「貴女の前ループで、夫だった事は聞きました。これは貴女が、乗り越えねばならない試練なのです」
ルシエラは、私達を先に行かせた。
「貴女、アダムの妻だったの?本当、私達って良く似ているわね?」
「リリス、貴女はアダムの最初の妻だったんでしょう?どうして別れたの?」
「アダムって、束縛が強いでしょう?私は自由でいたいの。ある日、遂に耐えられなくなって逃げ出したのよ。その後、イヴと一緒になったわね。イヴが土に還えると、私が恋しくなって地上に降りたと聞いたわ。元妻に未練があるなんて馬鹿ね。私は既にルシファーと再婚していたわ」
「なるほどね。(そう言えば何となく聖書で読んだ事がある気がする…)」
その後、ルシファーとどうやって再婚したのか馴れ初めも教えてくれた。神々との戦いに敗れて魔界に堕ちたルシファーは、瀕死の重傷を受けていて、それを献身的に介護すると、傷が癒えてからプロポーズされたとの事だった。何だ、ちゃんと恋愛婚だったんだ。それなのに、他の女(私)なんかを妻にしようなんて、リリスが怒るのも無理はない。リリスが正妻だろうから、もし私が受け入れても妾(側室)にしかなれない。そんなのは嫌だ。
「リリス、安心して。私はルシファーと結婚するつもりはないから。彼は私と浮気Hがしたかっただけなのよ。男って、マジ最低だよ。遊びで処女を奪われる所だったわ。私は、私だけを大切にしてくれる男(ひと)に捧げたいの。未来の夫の為に」
釈迦とアダムの戦いは、アダムが明らかに優勢だった。『天上天下唯我独尊』は効果を発揮していなかった。アダムは土属性であり、重力無効スキルを持っていた。『世界を見透かす者』スキルでアダムの攻撃を読めていたはずだが、躱わせずに防戦一方であった。
「アダム!」
私とリリスが同時に呼ぶと、アダムは驚いて攻撃が緩み、釈迦は体勢を整える事が出来た。
「おぉ、妻と元妻ではないか?揃ってどうした?リリス、ルシファーでは物足りなかったか?」
「下品な!お前に引導を渡しに来たのよ!」
リリスは勝手にアダムと戦い始めた。
「釈迦、アダムが私の第2の封印らしいの。協力して!」
3対1では卑怯な気がして、気が引けたけど、背に腹はかえられない。どうせ皆んな生き返らせるのだ。アダムは、ゴーレムだから生き返らない。だけど私は、アダムが死んだ時の事も想定していた。壊れたゴーレムを直して、再起動させる呪文を模倣(ラーニング)済みだ。
セブンスター1人の強さは、ファイブスター10人と互角だと言う。セブンスターの釈迦に、セクタス(S6)のリリス、ファイブスターになった私の3人がかりだ。アダムも私やリリスを本気で殴れず、釈迦の一撃を躱わせず、胸に風穴を開けてもゴーレムだからなのか倒れず、意に返さず戦い続けた。
『風・練気剣(フォン・ヴァジュラ)』
気を練って作り出した剣に、魔力で風を纏わせて、魔法剣で斬り刻んだ。胴を真っ二つにすると、返す刃で右肩から腰まで袈裟斬りにして、更に返す刃で首を落とした。土は風に弱く、予想通りだった。
アダムの首が足元に転がると、胸に抱きしめた。
「ごめんね、アダム。ちゃんと好きだったよ…」
アダムの力を吸収すると、土になってアダムは崩れた。その瞬間、私は青白く光輝き、全身に激痛が走って意識が飛んだ。
意識が飛ぶと、ルシフェルに肩車されたり、追いかけっこして遊んでいる幼い自分の姿が、映像となって目に浮かんだ。
「うあぁぁぁぁぁ」
頭が割れる様に痛くて、頭を抱えて叫んだ。暫くすると、頭痛も身体の光も止んだ。感じる。今の私は間違いなく強い。
それから私は、ウリエル相手に苦戦している魔王達に加勢しに行った。
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