上 下
70 / 343
【第4部〜西洋の神々編〜】

第9章 西洋の神々⑥

しおりを挟む
 泣きながら部屋を飛び出すと、阿弥陀如来にぶつかった。
「泣きながら飛び出して来られるなんて、どうかされましたか?宜しければ、お伺い致しますよ」
 私は頷くと、阿弥陀如来の後ろを付いて行った。阿弥陀如来の寝室のベッドに腰掛けて話を聞いてもらった。
「…すみません。こんな話を聞いて頂いて。悟りを開かれた方に、俗世の話なんてしても困りますよね。でも聞いて頂いただけで、少しスッキリしました」
「ふふふ、可愛いですね。貴女はもう少し、人を疑う事を知った方が良いですよ」
「?」
どう言う意味?と思って聞こうとしたら、意識を失った。阿弥陀如来は私を抱え上げると、ひっそりと西門から出た。
 馬車に乗り西門から出る時に検問されたが、乗っているのが阿弥陀如来で、「天帝の命令で善見城を出る」と言われたので、無条件で通された。
 阿弥陀如来は意識を失くした私を連れ去ると、西洋の神々の陣営に投降した。いや、東洋天界の情報を、西洋天界に漏らしていたのは阿弥陀如来であり、西洋天界の間者(スパイ)だった。
 私が再び意識を取り戻すと全裸で抱き合い、髪を撫でられていた。ギョッとして、見るとアダムだった。
「アダム?」
「よく知ってるね?」
そう言われると唇を重ねられた。
マズい、マズい、マズい…。アダムとのHは、それと引き換えに全てを捨てられるほど良いものだ。ここで抱かれてしまうと全てが終わってしまう。
「アダム、私よ!アダム!」
「?ボク、キミの事を知ってたっけ?」
「私の事、忘れちゃったのアダム?貴方のママよ?お父様のヤハウェにも会ったでしょう?」
「キミ、何でそんな事を知ってるの?」
「だから、私は貴方のママなんだってば!」
「嘘だ!ボクはキミなんて知らない」
「どうしちゃったのアダム…」
そう言ってアダムの頭を胸に抱き締めた。アダムは私の胸を揉みながら口を付けて吸い始めた。
「あん、ダメよアダム。親子でHなんてしてはダメ!怒るわよ、アダム!」
しゅんとして落ち込むと、言う事を聞いて私から離れた。
「怒らないで、ママ。ママの言う通りにするよ」
「良い子ね、アダム」
私はアダムを抱き締めると、自然と涙が出た。そうだ、私はアダムと結婚し、目の前でアダムが土に還され、私も消滅させられた。その復讐の為にここまで来たのだ。その思いが胸に込み上げて来て、嗚咽するほど泣いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

連続寸止めで、イキたくて泣かされちゃう女の子のお話

まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)   「一日中、イかされちゃうのと、イケないままと、どっちが良い?」 久しぶりの恋人とのお休みに、食事中も映画を見ている時も、ずっと気持ち良くされちゃう女の子のお話です。

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

処理中です...