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【第4部〜西洋の神々編〜】
第9章 西洋の神々④
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「どうして助けてくれたんですか?」
私は並んで歩く釈迦に話しかけた。
「友達だから、と言う理由では納得して頂けなさそうですね。確かに貴女を渡してしまえば、争いは回避出来るでしょう。でもそれは一時的なものです。神の子である貴女が西洋の手に渡ってしまえば、近い将来、東洋天界も彼らに支配されてしまう事になります。それでは根本的解決にはならないのですよ」
「確かにな。陛下は物ではない。力づくで奪うと言うのは、許せない」
「魔族に同意する日が来るとはな」
スサノオが初めて笑顔を見せた。
視線を感じて振り返ると、弁財天(サラスヴァティ)が私を遠目で見ていた。冷や汗を感じる。目が合うと、目を逸らして宴に戻って行った。疑心暗鬼になるのはダメだが、こうなると皆んなに狙われている気がして来た。釈迦の言う様に、私を渡しても一時的に戦を回避するだけかも知れない。しかし、それで時間を稼いでいる間に、次の策を講じる事が出来る。目先のメリットだけを考えるなら、私を西洋に渡すのが良い。
「すぅ~はぁ」
溜息の様な深呼吸をすると、思い悩まずにはいられなかった。模倣(ラーニング)まで得たのに、自力が弱くて話にならない。私は足手纏いだ。魔族を天界に連れて帰るまでで私の仕事は終わったと思っても良いのでは?人間界に帰りたい…。ママや、友人達に久しぶりに会って、カラオケしたり、買い物したりしたい。だって私はまだ17歳の女子高生なんだから。目を閉じると、自然と涙が流れた。
私は並んで歩く釈迦に話しかけた。
「友達だから、と言う理由では納得して頂けなさそうですね。確かに貴女を渡してしまえば、争いは回避出来るでしょう。でもそれは一時的なものです。神の子である貴女が西洋の手に渡ってしまえば、近い将来、東洋天界も彼らに支配されてしまう事になります。それでは根本的解決にはならないのですよ」
「確かにな。陛下は物ではない。力づくで奪うと言うのは、許せない」
「魔族に同意する日が来るとはな」
スサノオが初めて笑顔を見せた。
視線を感じて振り返ると、弁財天(サラスヴァティ)が私を遠目で見ていた。冷や汗を感じる。目が合うと、目を逸らして宴に戻って行った。疑心暗鬼になるのはダメだが、こうなると皆んなに狙われている気がして来た。釈迦の言う様に、私を渡しても一時的に戦を回避するだけかも知れない。しかし、それで時間を稼いでいる間に、次の策を講じる事が出来る。目先のメリットだけを考えるなら、私を西洋に渡すのが良い。
「すぅ~はぁ」
溜息の様な深呼吸をすると、思い悩まずにはいられなかった。模倣(ラーニング)まで得たのに、自力が弱くて話にならない。私は足手纏いだ。魔族を天界に連れて帰るまでで私の仕事は終わったと思っても良いのでは?人間界に帰りたい…。ママや、友人達に久しぶりに会って、カラオケしたり、買い物したりしたい。だって私はまだ17歳の女子高生なんだから。目を閉じると、自然と涙が流れた。
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