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【第4部〜西洋の神々編〜】

第8章 須弥山の攻防⑦

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「はぁ~やっと頂上だ」
須弥山を登り切った所で、阿修羅王とラーヴァナの軍が私達を出迎えた。彼らは釈迦に挨拶をすると、私達を取り囲む様にして善見宮に向かった。まるで捕虜の扱いに内心憤慨した。それは私だけでは無かったが、今ここで争うタイミングでは無い。
「あぁ、懐かしい」
ポツリと呟いた。
「ここに来た事があるんですか?」
もうここまで来たら隠す意味はない。
「あそこが善法堂で神々が定例会議を行う場所でしょ。ここからは見えないけど、北東に円生樹があるでしょ。それから…」
「詳しいですね。どうしてご存知なのですか?」
「もう釈迦ったら、私達は友達になったのよね?堅苦しい話し方は、そろそろ止めて、くだけた話し方で良いのよ」
「私はこの話し方が慣れておりますので」
話しやすい喋り方で良いや、と思って私は先程の釈迦の質問に答えた。
「信じられないだろうけど、私ね。ここに住んでた事があるのよ」
 毘沙門天(ヴァイシュラヴァナ)と二郎神君は、ホラ吹き女だと思って私を白い目で見ていた。
 釈迦は私の言葉に驚いていたが、「なるほど」と一言だけ言うと信じたみたいだ。やはり何かのスキルで、私の嘘を見破れるのだろう。
 私たちは善見宮の中心部、殊勝殿に来た。ここに天帝・帝釈天(インドラ)がいる。さて、ここからが本番だ。
 私は大きく息を吸い込むと、ゆっくりと吐き出して心を落ち着かせた。
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