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17 ダンジョン結晶

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 「ハクさん、あそこに宝箱ありますよ!」

 俺達は階層ボスのオークを倒したあと順調に階層を進んでいき 9階層にいた。

 「一応罠があるか確認してみるか」

 ダンジョンには、落とし穴、毒ガス、魔物の大量発生など様々な罠が仕掛けられていることがある。今回挑んでいるヒスイは、ほとんど罠が無いらしいのだが、高難易度ダンジョンでは大量の罠が仕掛けられており、罠を解除できるものがいなければダンジョン攻略まともにできないのだとか。
 俺は罠解除をすることはできないが、武神スキルによる危険察知能力があるため罠のスキルの有無は判断できる。

 「罠は無いな。それじゃあ宝箱開けてみるか」

 宝箱を開けると中にはポーションのようなものが入っていた。

 低級魔力ポーション
 飲むと魔力を少し回復する。

 「何か期待はずれですね…」

 「ああ、俺達が持ってるやつと変わらないな」

 俺達は少しテンションが下がったが引き続きダンジョン攻略をしていった。


~~~~~~~~~~~~~~~


 「次のボスモンスターはゴブリン?」

 10階層のボスモンスターは50匹のゴブリンだった。
 なるほど、数が多い場合もあるのか。でもゴブリンなんだよな~。この前あんだけ戦ったし何か今更感が。でも、これだけの数相手に魔法使いのソフィアは相性悪そうだな。

 「ここは俺がやるか。ソフィアは下がっててくれ」

 「わかりました」

 「久しぶりに槍使ってみるか」

 俺は無限収納インベントリから、槍を取り出しゴブリン達へと向かっていった。


~~~~~~~~~~~~~~


「8秒くらいか?やっぱゴブリンは弱いな」

 「あの数が一瞬で………まぁ、もう驚きませんけど」

 今回のドロップ品はなにがあるかな?おっ何か首飾りみたいのが落ちてるな

 魔力回復の首飾り
 装着すると時間とともに魔力が回復する。

 あれ、全然ゴブリンと関係ない。

 「ハクさん、それレアドロップですよ」

 あ~、そういえばアイラさんが言ってたな。これがそうか。効果的に魔法使いのソフィアにぴったりだな。

 「これやるよ、ソフィア」

 「えっいいんですか?」

 「いいんだよ。大切な仲間なんだから気にせず受けとれ」

 「大切な………ありがとうございます。大事にします!!」

 想像以上に喜んでくれた。何でだろう?

 《はぁ……》

 何故かナビさんに呆れられた。解せぬ。
 
 他にもレアドロップないかな?
 ゴブリンの牙、ゴブリンの牙、汚い布、ゴブリンの牙、刃こぼれした剣、ゴブリンの牙、ゴブリンの牙………etc

 大したもの無かったな。でも一つだけ気になるものを見つけた。それは、水色っぽい結晶だった。

 「あ、それダンジョン結晶じゃないですか」

 「ダンジョン結晶?」

 「ダンジョン結晶は、ダンジョンの中でのみ手に入れられる結晶のことです。それをダンジョン内で砕くと、砕いた位置から半径5メートル以内にいる人をダンジョンの入り口に転移させるんですよ」

 「へぇ~便利だな。何かあってもこれがあれば逃げれるんだし」

 「はい、でもこのダンジョン結晶は手に入れたダンジョンでしか使用出来ないんですよね。だから高難易度ダンジョンのダンジョン結晶はすごく高値で取引されてますね。まあ、ヒスイのダンジョン結晶は大した値段じゃありませんけど…」

  「まあ、パフィンで一番簡単なダンジョンだししょうがないだろ。じゃあ、これはソフィアが持っててくれ。こういうのは後衛の人が持ってた方がいいだろうし。使用するときはソフィアが判断してくれ」

 「責任重大ですね……わかりました、これは私が持ってます」

 そして、俺は持っていたダンジョン結晶をソフィアに渡した。

 「ここが11階層か………今までと変わらないな」

 「そうですね今までの階層と全く同じですね」

 ダンジョンに来てから5階層のボスモンスターのオーク以外、ゴブリンしかいなくて段々ダンジョン攻略にやる気が無くなってきたな。
 すると、探知にゴブリン以外の反応が感じられた。この感じは前にも感じたぞ。すぐさま俺達は探知で確認できたとこに向かった。

 向かった先には、二足歩行の豚がいた。オークである。
 ゴブリンは、もう会いたくないがオークとなれば話は別。あの美味しさは忘れることができないだろう。いくらでも出てきてほしい。出会い頭に俺は剣でオークの首を跳ねた。

 すると、そこにはドロップ品としてオークの肉が落ちていた。

 「よっしゃぁ」

 「ハクさんそんなキャラでしたっけ?」

 「うまいものを前にしたら人間、性格変わるもんだよ」

 そこから、15階層まで順調に進んでいった。15階層まで進む間にオーク18匹と出会い全て倒した。その内の12匹がドロップ品としてオーク肉を落とした。ホクホクである。
 
 俺達は15階層のボスに挑む前に睡眠をとることにした。普通の人はここに来るまでに何度も行き止まりにあったりするらしいのだが、俺は感覚を強化することによって、空間を把握することができる。そして、ナビさんがその情報を元にマップを作成し、それに沿って進んでいたため一度たりとも行き止まりに行くことはなかった。そのため、実力があるものでも15階層に来るのに最低でも3日かかるのだが俺達は1日でたどり着くことができた。

 「それじゃあ寝るか」

 「寝てる間の見張りはどうしますか?」

 「それは、俺が結界魔法で結界張っとくから心配せずに寝てれば良いぞ。俺の場合、周りに気配があればすぐさま起きるし、何の問題もないな」

 日本にいたとき寝てたら、父さんがいきなり竹刀で叩いてきて、「寝てる間も気を抜くな!」って言ってたからな。あの時は寝てるときぐらい気を抜いてもよくね?って思ったけど、そのお陰で寝てる間も自分に敵意を向けられたりすると、起きる癖がついた。日本にいたときはともかく、異世界にきた今では感謝している。

 「習得が難しい結界魔法も使えるんですね、……まぁ、もう驚きませんけど」

 「じゃあ結界張るぞ~"上位結界"」


結界を張ると、周りが半透明のドームに囲まれた。

 「とりあえずこの中にいたら安心だろう」

 「まぁ、ハクさんがいる時点で安心ですけどね。それじゃあ、おやすみなさい、ハクさん」

 「おやすみ、ソフィア」

 俺達は近くの岩に体を預け眠りについた。
 

 


 



 

 
 
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