1 / 29
1 プロローグ
しおりを挟む
「……ここは……どこだ?……」
俺こと、剣崎 白(17)は戸惑っていた。
目が覚めたら見知らぬ白い空間にいたのだから仕方がないと思う。
俺は確か、父と剣道をして、終わってからシャワーを浴び、母さんに頼まれておつかいに商店街に行く途中で、車に引かれそうになっていた男の子を助けようと飛び出し轢かれた……はずだよな?
体には傷ひとつないし、それよりもここは一体なんなんだろう。どれだけ見回しても真っ白。
すると突然
「お主、目覚めたのか」
「!!」
先ほど周りを見回したときにはいなかった老人がいきなり後ろに現れたのである。
「ふぉっふぉっふぉっ…いきなり現れて驚かしてしまったかの」
「……あなたは一体…?」
「儂は、神導神リーデストじゃ。俗に言う神様じゃな」
神様……にわかには信じられないがこの白い空間といい、車に轢かれたのに無傷なことといい、明らかにおかしい。この人は本当に神様なのか。
「本当に神様じゃよ」
「!!」
心を読まれたのか?
「そうじゃよ。神様じゃからな。人の心を読むなど簡単にできるのじゃ」
「……なぜ、神様が………」
「そうじゃった、そうじゃった、すっかり本題を忘れるとこだったわい。まず、お主はな、死んだんじゃよ」
やっぱりここは死後の世界なのか。
「それはちょっと違うの。死後の世界と現実世界との境界の世界といった感じじゃの」
「…どうして、僕がこの様なところに?」
「別に神様じゃからと堅苦しい言葉使いはせんでもよいぞ……まぁそれはさておき本題じゃ。お主は見ず知らずの子供のために命を張ることができた清き心の持ち主じゃ。じゃからの、お主には異世界に渡り2度目の人生を送るか、記憶を引き継がずに転生するかの2択を選べるのじゃ。前者の方は選べる者は少ないの。お主は特別じゃ」
「……異世界?」
異世界って言うと巷で話題のゲームの世界のような別の世界ってことか?
「ふむ、だいたいそんな感じじゃ。お主の世界にはなかった魔法や魔獣などがおる世界じゃ。お主の世界で言う中世ぐらいの文明力しかないがの」
「なぜ俺を異世界へ?」
堅苦しい言葉使いをしなくていいと言われたので普段の話し方に変えてみた。
「ふぉっふぉっふぉっやはりその話し方の方がよく似合っておるな。お主を異世界へ送る理由はの、さっきもいった通り清き心を持っておるからじゃの。清き心を持つものを記憶を消して転生させてしまうよりは、別の世界へ送った方が何かとよいからの」
確かに、記憶を消して転生させて極悪人になられたりするよりは、清い心を持たせたままの方が問題が少ないってことか。
「やはりお主は頭がよいの。普通いきなりこんなところに来たらパニックになってしまっても不思議ではないのにの」
「父にどんな状況でも冷静になれと言われ続けて来ましたからね」
「普通言われても実践できるものはほとんどいないと思うんじゃがな」
「ところで、神様。なぜ神様が俺のような一人の人間に対してここまで気にかけるのですか?」
これは俺が普通に感じた疑問だ。清い心を持っていたとしても一人の人間に対して神様が出てくるなんて不思議でならなかった。しかも今、目の前にいるのは[神導神]である。神を導く神である。明らかに高位っぽい神様であるのにこんなことをしているなんてとても不思議だった。
「やはり、お主は頭がよいの。確かに普段なら天使か低位の神がこの仕事をやっていたのぉ。確かに儂は、お主の予想通りの高位の神じゃ」
やっぱり…そうだったのか
「じゃがの、神の一人がやらかしての、神界は今てんやわんやなのじゃ。そこで様々な仕事を儂がやっとると言うわけじゃ」
なるほどそういうことだったのか。神様にも大変なことがあるんだな。
「で、どうじゃ異世界にいってはくれんか。すごいスキルや、聖剣などちょっとした制限はあるが持っていくことができるぞ」
「どうせもとの世界で死んでいるのなら、異世界に渡るのはいいんだが……」
何を貰おう?すごいスキルや、聖剣などそれもほしいがなんか違う。何が違うのだろうか?
……………………………そうか!!
「神様、俺に武術に関して稽古してくれ!!」
「稽古じゃと! なぜ稽古なんじゃ?簡単に強くなれるスキルなども手に入ると言うのに……」
「俺は、努力が好きだ。努力によって結果に結びつくのがもっと好きだ。簡単にスキルを手にいれるのもいい……だけど俺は努力で力をつけたい…」
おれは思っていることをいった。さらに…
「……あと、神様めちゃくちゃ強いんでしょ?」
「………ふぉっふぉっふぉっこんな爺さんを強いと見抜くとはの。儂は神導神じゃからな。神を導くためには武神よりも強く魔法神よりも魔法を極め、叡智神よりも叡智を持たねばならぬ」
ぉぉお 思っていたよりも信じられないぐらい凄かった。オーバースペック過ぎない?
「儂は、お主を気に入ったからの、特別に儂の知る武の全てを叩き込んでやろう」
駄目元でいってみたが意外とすんなりオーケーもらえた。何事もいってみるもんだな。
「儂の予想ではお主が儂の修行を終えるのは1000年後位かの。なに、安心せい、ここでは死ぬことも眠たくなることも腹が減ることもない。時も止まっておるから修行しほうだいじゃのふぉっふぉっふぉっ」
この時、俺は悟った。ヤバい人に稽古を頼んでしまったと。
俺こと、剣崎 白(17)は戸惑っていた。
目が覚めたら見知らぬ白い空間にいたのだから仕方がないと思う。
俺は確か、父と剣道をして、終わってからシャワーを浴び、母さんに頼まれておつかいに商店街に行く途中で、車に引かれそうになっていた男の子を助けようと飛び出し轢かれた……はずだよな?
体には傷ひとつないし、それよりもここは一体なんなんだろう。どれだけ見回しても真っ白。
すると突然
「お主、目覚めたのか」
「!!」
先ほど周りを見回したときにはいなかった老人がいきなり後ろに現れたのである。
「ふぉっふぉっふぉっ…いきなり現れて驚かしてしまったかの」
「……あなたは一体…?」
「儂は、神導神リーデストじゃ。俗に言う神様じゃな」
神様……にわかには信じられないがこの白い空間といい、車に轢かれたのに無傷なことといい、明らかにおかしい。この人は本当に神様なのか。
「本当に神様じゃよ」
「!!」
心を読まれたのか?
「そうじゃよ。神様じゃからな。人の心を読むなど簡単にできるのじゃ」
「……なぜ、神様が………」
「そうじゃった、そうじゃった、すっかり本題を忘れるとこだったわい。まず、お主はな、死んだんじゃよ」
やっぱりここは死後の世界なのか。
「それはちょっと違うの。死後の世界と現実世界との境界の世界といった感じじゃの」
「…どうして、僕がこの様なところに?」
「別に神様じゃからと堅苦しい言葉使いはせんでもよいぞ……まぁそれはさておき本題じゃ。お主は見ず知らずの子供のために命を張ることができた清き心の持ち主じゃ。じゃからの、お主には異世界に渡り2度目の人生を送るか、記憶を引き継がずに転生するかの2択を選べるのじゃ。前者の方は選べる者は少ないの。お主は特別じゃ」
「……異世界?」
異世界って言うと巷で話題のゲームの世界のような別の世界ってことか?
「ふむ、だいたいそんな感じじゃ。お主の世界にはなかった魔法や魔獣などがおる世界じゃ。お主の世界で言う中世ぐらいの文明力しかないがの」
「なぜ俺を異世界へ?」
堅苦しい言葉使いをしなくていいと言われたので普段の話し方に変えてみた。
「ふぉっふぉっふぉっやはりその話し方の方がよく似合っておるな。お主を異世界へ送る理由はの、さっきもいった通り清き心を持っておるからじゃの。清き心を持つものを記憶を消して転生させてしまうよりは、別の世界へ送った方が何かとよいからの」
確かに、記憶を消して転生させて極悪人になられたりするよりは、清い心を持たせたままの方が問題が少ないってことか。
「やはりお主は頭がよいの。普通いきなりこんなところに来たらパニックになってしまっても不思議ではないのにの」
「父にどんな状況でも冷静になれと言われ続けて来ましたからね」
「普通言われても実践できるものはほとんどいないと思うんじゃがな」
「ところで、神様。なぜ神様が俺のような一人の人間に対してここまで気にかけるのですか?」
これは俺が普通に感じた疑問だ。清い心を持っていたとしても一人の人間に対して神様が出てくるなんて不思議でならなかった。しかも今、目の前にいるのは[神導神]である。神を導く神である。明らかに高位っぽい神様であるのにこんなことをしているなんてとても不思議だった。
「やはり、お主は頭がよいの。確かに普段なら天使か低位の神がこの仕事をやっていたのぉ。確かに儂は、お主の予想通りの高位の神じゃ」
やっぱり…そうだったのか
「じゃがの、神の一人がやらかしての、神界は今てんやわんやなのじゃ。そこで様々な仕事を儂がやっとると言うわけじゃ」
なるほどそういうことだったのか。神様にも大変なことがあるんだな。
「で、どうじゃ異世界にいってはくれんか。すごいスキルや、聖剣などちょっとした制限はあるが持っていくことができるぞ」
「どうせもとの世界で死んでいるのなら、異世界に渡るのはいいんだが……」
何を貰おう?すごいスキルや、聖剣などそれもほしいがなんか違う。何が違うのだろうか?
……………………………そうか!!
「神様、俺に武術に関して稽古してくれ!!」
「稽古じゃと! なぜ稽古なんじゃ?簡単に強くなれるスキルなども手に入ると言うのに……」
「俺は、努力が好きだ。努力によって結果に結びつくのがもっと好きだ。簡単にスキルを手にいれるのもいい……だけど俺は努力で力をつけたい…」
おれは思っていることをいった。さらに…
「……あと、神様めちゃくちゃ強いんでしょ?」
「………ふぉっふぉっふぉっこんな爺さんを強いと見抜くとはの。儂は神導神じゃからな。神を導くためには武神よりも強く魔法神よりも魔法を極め、叡智神よりも叡智を持たねばならぬ」
ぉぉお 思っていたよりも信じられないぐらい凄かった。オーバースペック過ぎない?
「儂は、お主を気に入ったからの、特別に儂の知る武の全てを叩き込んでやろう」
駄目元でいってみたが意外とすんなりオーケーもらえた。何事もいってみるもんだな。
「儂の予想ではお主が儂の修行を終えるのは1000年後位かの。なに、安心せい、ここでは死ぬことも眠たくなることも腹が減ることもない。時も止まっておるから修行しほうだいじゃのふぉっふぉっふぉっ」
この時、俺は悟った。ヤバい人に稽古を頼んでしまったと。
1
お気に入りに追加
3,263
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる